今月の一言 |
<<< 03年11月の一言 >>> |
だんだんと陽が短くなってきました。
少し曇った日などは、夕方、娘を保育園に迎えに行く時分には、もう、夜のとばりが降りていて、冬の足音が聞こえてくるようです。
この季節になると、毎年、蝙蝠の飛翔を目にするようになります。
保育園からの帰り道、川沿いの狭い道路が数百メートル続くこの場所が、最も彼らを見かけるスポットであり、娘を自転車の後ろに乗せてそこを通りかかる夕間暮れ、ひらひらと舞い飛ぶ姿が日に日に増えてゆきます。
「あっち! こっちも!」
目を見張り、夢中になって数えている娘。
「凄いねぇ、こんなにいるんだねぇ。」
無邪気な感想に、本当に感動しているということが伝わってきます。
保育園への送り迎えも、あと4ヶ月と少しになりました。
来年の春には、娘も小学校に上がり、私は一つ、役目を終えます。
照りつける太陽に焦がされた夏も、凍てつく寒さで息さえ凍る真冬も、いつも私の自転車の後ろに乗って、保育園に通ったことを娘は覚えていてくれるかな。
群青色の空に群れ飛ぶ蝙蝠の黒いシルエットを、自転車を漕ぐ私の背中を、ずっと忘れずにいてくれるかな・・・
まだまだ、ずっと、先のことですが、娘が嫁ぐとき、きっと、私は大泣きするだろうと思います。
|
|
|