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今月の一言

<<< 02年07月の一言 >>>

この頃、時折、近所の回転寿司に行く。
自転車でぷらっと行ける距離なのが嬉しい。
車だとビールが飲めないから、自転車がいいのだ。
寿司食う奴がビールなんざぁ飲むんじゃねぇや!と江戸っ子諸氏に怒られそうだが、そこは気楽な回転寿司である。 また、寿司をつまみながら、生をやるのが堪らない季節でもある。 ちょっとくらい飲ませてください。(^-^;;


私の行き付けの店は、ある大手チェーンの一つなのだが、新しく出来たばかりなだけあって、店内は綺麗だし、郊外の大型店舗なもので、なんていっても広い。 だから、客の回転もよく、よほど混んでいるときでない限り、まず、長く待たされるなんてことはない。
昔のイメージでは寿司がベルトコンベアで流れてくるをカウンター席で慌ただしく拾うって感じだった。 ついつい、隣を気にしながら食べるものだから、別に悪い事をしているわけでもないのに、どうもそそくさとして、胃袋にぶっこんでしまう。 味気ないこと、この上ない。
だが、今は家族用にテーブル席まで用意してあって、小さい子供連れでも、周りを気にせず、気持ち良く食べる事が出来る。
いい時代になったものだ。


店構えばかり誉めてしまったが、何より良いのは、このお店、ネタが新鮮で、毎回、何か一つは、とびっきり旨いネタに当たるってことだ。 同じチェーン店の別の店舗に行ったときは、ネタが水っぽくて、とても食べられたものじゃなかった。 そこにはもう二度と足を運ぼうとは思わないが、近所の方の店は、いつ行っても、外れということがない。 規模が大きく集客数があるので、新鮮なネタが大量に回転しているのかな? などと余計な詮索をしてしまうが、とにかく、同じ一皿100円ならば、旨いに越した事はない。


さて、席が決まると、まずはお茶とガリだ。 昔ながらの紙パックの緑茶だが、かなり小さい。 一袋じゃ味が薄くっていけない。 いっぺんに二袋は入れてお湯を注ぐ。 ガリは醤油を入れる小皿に山盛りに取る。
一通り、好きなものを拾い、テーブルに並べる。 一皿に二つ乗っているので、女房と一つずつ口に入れる。 本日のお奨めなんてのもあって、その日の入荷状況で目新しいネタにありつけたりもする。 こいつはメニューには載ってない、スペシャルだ。 インターフォンで注文すると、注文皿という高下駄のようなプラスチックの皿にのってコンベアを流れてくる。
(注 : この注文皿に乗っているものは、当然、注文した人が取るルールになっている)


私は子供の頃から、はまちが大好物なもので、これのいいのが入った日にあたると、もう、嬉しくてならない。 こればっかり食べてしまう。 特に油が乗った、口の中でとろけるようなネタにあたった日には、もう、その日、一日が幸せ色に染まってしまう。
が、しかし、いいネタだからなのか、当たりのネタってのは、なかなか回ってこない。
勢い、インターフォンでの注文となる。
・・・だが、なぜか、いっかな回ってはこない。 そうこうするうちに、こっちより下流の客が注文したものが先に流れていく。 仕方ないので、性懲りもなく、また、注文する。 おお、来た来た・・・五メートルくらい向こうから、こちらに流れてくるのを確認し、さぁてと思ってビールを一杯・・・っと、目の前に来た注文皿は、いつの間にか、空になっている。 振りかえって上流をみると、二テーブル向こうの若いカップルが、旨そうに、はまちを食べているじゃぁございませんか。
「怒らない、怒らない。」
女房が笑って言う。
そうだよな、怒ってもしょうがないよな・・・
インターフォンに手を延ばし、私は言う。
「はまち、待ってるんですけど。(-_-メ) 」


楽しい食事の時間が哀色に染まった時だった。

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