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今月の一言

<<< 01年10月の一言 >>>

少しずつ、秋が深まってきましたね。
朝晩の冷え込み。 夕方から夜にかけての涼やかな虫の声。
浅く色付いた庭の樹木。 たわわに実った真っ赤な石榴(ざくろ)
子供たちが持ち帰ってきたどんぐり。
ススキの影が鋭く屹立する彼方に見える、丸く青い月。
通りすぎる風もひんやり冷たくて、そこかしこに感じられる秋の気配・・・
太陽の季節には、真っ黒に日焼けした子供たちも、今はすっかり色落ちて、体はもう、冬支度かな。


夏の間、あれほど、生を謳歌したカブトムシやハナムグリも、今はもう、次々と死に絶えてゆきます。
だが、冬を越え、再生の春を迎える頃には、丸々と太った彼らの子供らが、力強く、次の世代の担い手として新しい生を生きる。
連綿として、何百年、いや、何千年もの昔から続けられてきたであろう、生と死の繰り返しは、しかし、虫だけに限ったことではなく、我々、人間もまた、この定めの中にある。


春まだき季節に生きる息子と娘に、自分は何を伝え、何を残してやれるのか。
思いの深さに潰されそうで、言葉がうまく紡げない。 人生の秋が近づいてきたこの頃。

石榴
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