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コラム |
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こんな経験はありませんか? 飼育ケースの中、我が物顔して真っ黒に群がるコバエたち(キノコバエの仲間)が、数ヶ月後、気がついたら、一匹もいなくなっていた、なんてこと・・・ なぜ、彼らは絶滅したのか? 一応、仮説を立ててみました。
@物凄い速さで累代が進んだ為、内婚弱性が一気に表面化して絶滅した
Aカブトやクワガタの幼虫にウジや卵が食われた
Bダニにウジや卵が食われた
C1匹毎に必要な生存空間を超えて増殖した為、ストレスで不妊になった。
・・・で、実験しました。
といっても、コバエが外に出ないよう、ケースに閉じ込めたままにしておいただけなのですが・・・
結果、プラケース(大)に発生したコバエ(2種類)は、数え切れないくらいになり、3ヶ月後、徐々に減りだし、4ヶ月くらいで確かに1匹もいなくなりました。 一方、時々、外で蓋を開けてコバエを追い出し、霧吹きしていたケースは、いつまでたっても絶滅には至りませんでした。
このことから、@の内婚弱性による絶滅説、ABの捕食絶滅説は否定され、Cの閉鎖空間ストレス不妊説が俄に信憑性を帯びてきました。なぜならば、外で蓋を開けてその度にコバエを追い出していたケースには、ダニもいればカブトの幼虫もおり、霧吹きの際に新たなコバエの侵入を細心の注意を持って防いでいたため、純粋にそれまでに発生していたコバエのウジのみがケース内には残っていた事になり、血統にクロスラインが入り込む余地がないからです。他方、絶滅していったケースにおいても、同様にダニも居ればカブトの幼虫もおり、違いは一度も蓋を開けてコバエを減らさなかったという一点に絞られるのであります。
これで、Cのストレス絶滅説がほぼ、正しいという推測ができるかと思います。
さて、その後、絶滅を確認したケースですが、半月後、なぜか、また、少しずつ、コバエが発生し始めました。 特にその後、蓋を開けて新たなコバエを呼び込んだわけではありません。 従って、この新世代たちは、一度、絶滅したはずの種族の子孫のはずなのです。 彼らは、どうしてまた、復活を遂げる事が出来たのでしょうか? 仲間の絶滅を見た最後の♀が、不妊の呪いを跳ね返し、子孫を残すことに成功したのでしょうか? それとも、私の実験にどこか落とし穴があったのでしょうか? 謎は深まるばかりです。
ちなみに、人類の歴史も、絶滅と復興を繰り返しているという説があるのはご存知でしょうか? この実験の結果とあいまって、非常に興味がつきない話です。 |
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