第7日(5/7)駆け足の買い物-空路コペン経由ルンドへ
今日はストックホルムを発ってルンドへ向かう日です。といってもルンドへ行くのは私と息子だけ。
夫は仕事の関係で今日帰国するので、コペンまで一緒に行ってそこでお別れです。
飛行機の時間はアーランダ空港13:30発。空港まで1時間近くかかるので、2時間前に着くとして
10:30くらいにはホテルを出なければなりません。しかし、週末でし損なったショッピングにまだ
未練のある私。10時に開く店でどうしても見たい物がある!ホテルから徒歩5分ほどのところにある
スウェーデン刺繍の店、インテリアショップ、雑貨屋だけはなんとしてものぞきたーい。というわけで、
何となく不安そうな夫に「絶対10:30までに帰ってくるからそれまでにチェックアウトしといて!」
と頼んで、単身駆け足でお店に向かいました。まず遠い方の店からチェック。息子がほしがっていた
きれいな色の木のパズルをレジに持っていくと、「これは高いですけどいいですか?」。値札がなかったのですが、
聞くと確かに高い(6000円以上)。でも、もう考えてる暇がありません。それにしても、親切な店員さんだ。
それとも、値段を聞いて買うのをやめちゃう人が結構いるんだろうか。
次はインテリアショップ。ランプの素敵なのがいっぱいあるけど、どう考えても持って帰れない。 これは目の保養と諦めました。こういうところに何時間いても飽きない私としてはこの駆け足 ウインドウショッピングはつらかった。最後に刺繍のお店です。おとといウインドウを見たときは おみやげにちょうどいいような小物がありそうだと思ったのですが、いざ中に入ってみると あまり見あたりません。白髪の素敵な初老のおばさま店員さんが、「どういうものをお探しですか? ご自分で作りますか?それともできあがったものがお望みですか?」と聞いてきました。確かに "刺繍キット"がたくさんあります。図案と糸、布のセットになっているもので素敵なデザインが そろっているようでした。 が、私は洋裁は結構好きなのですが刺繍はどうも性に合わないのです。 キットを買ってもとうてい自分でやるとは思えないので、小さなおみやげになるものでできあがったものが 欲しいんです、と言いました。ポーチやお財布みたいなのがないかなー、と思ったのですが、 今ひとつぴったりした物がありません。迷っているうちにおばさまが出してきたのが、ウインドウに 飾ってあった黒地に花を刺繍したがま口です。信じられないほど細かいクロスステッチで鮮やかな 色が見とれるほどきれい。「素敵ですねー。おいくらですか?」と聞くと、ぎょっとするような お値段。「えー?!高い!!(ため息)」と言うと、「これは大変な時間をかけた特別なものですよ」 とごもっともなご説明です。
もうちょっと安いものも出してくれたのですが、確かに最初のが一番美しい。この時点で残された時間は 10分を切っていました。えーい、買っちゃえ!航空料金が予定より安かったことをいいわけに自分を 正当化する私でした。さらにクロスステッチのテーブルセンターを買って(これも結構高かった) 急いでホテルに戻ったのですが、5分超過してしまいました。ちょっとだけ眉間にしわの寄った 夫に「ごめーん!」と謝り、そのまま急いで地下鉄に乗って中央駅に行きました。 空港へは直行の特急電車で行くことになります。昨日下見をしておいたので乗り換えもスムーズに行き、 無事に時間どおりアーランダ空港に着きました。食事を済ませ、ゲートを通るとそこには免税店が。 昨日デパートで見たときは特に欲しいとも思わなかったクリスタル製品がここにも並んでいます。 時間があったのでぶらぶら見ていたら、はた、と目に留まったものが。ころんとした形の動物や家をモチーフにした かわいい置物が並んでいます。うわー、好みだ。値段も手頃。10種類以上ある中でどれを買おうか 迷ってしまう。パンフレットを見てやっと決めて店員さんに言うと、「ちょうどこれだけ在庫切れに なってしまいました。でも、反対のウイングの方の店にあるかもしれません。電話して聞いてみますね。 あれば10分ほどで持ってこれますから。」あらま、でもしょうがないか。と待つことしばし。 私がなかなか帰ってこないので(夫と息子は搭乗口の近くで待っていた)、息子が「おかーさーん、 はやくー」と呼びに来ました。搭乗が始まってしまったのです。でもまだ大丈夫でしょ。 やっと電話が通じて「あちらにあるそうです。取ってきますよ」「あ、でももう搭乗始まっちゃったんです」 「5分で戻りますから!」走っていくハンサムな店員さん。再び息子が「おかーーーさーーーん」。 息子の後ろから夫が"いらいら"をしょって現れました。「今店員さんが取りに行ってくれてるのよ。 ちょっと待って。」夫はコペンで乗り継ぎでそのまま帰国するので気が気ではないのでありましょう。 でも、せっかく走ってくれてるのに行っちゃったら申し訳ないではないですか。でも、さすがに私も はらはらし始めました。クレジットカードを握りしめ、あーん、早くーと、地団駄を踏んでいると、 あ!来た!かの店員さん、長い足でカッカッと駆け戻ってきました。「急いでくださーい!」 と急かすと、「大丈夫、あなたをおいて飛行機は飛ぶことはありませんよ。」ま、確かにそうですが。 チェックインはしてるわけだし。やっと搭乗口に行くと、夫はしっかり眉間にしわを寄せておりました。 飛行時間は1時間半ほどなのですが、なんと乗ったら軽食が出されました。さっき食べたばっかりなのに。 サンドイッチだったのでバッグに入れて持っていくことにしました。そして、息子には小さなレゴのセットが プレゼントされました。懐かしいレゴ。私が子供の時はこんなにいろんな専用パーツはなかったなぁ。 単純な四角いブロックを組み合わせていろんなものを作るのが楽しかった。でも、やっぱり特殊な形の ブロック(窓とか)はとっても貴重で、お金持ちの家の子がそういうのをいっぱい持ってるのがうらやましかったな。 あっという間に飛行機はコペンハーゲンに着き、ここで夫とはお別れ。2日後の誕生日を日本で一人で迎える 彼にはちょっと申し訳ない。でも、帰りの空港から息子に電話させよう、と密かに考えている私でした。 ここからは息子と2人で電車でルンドまで行かなければなりません。マルメまではすでに通った道なので、 楽勝です。一応ルンドで泊めていただくY子さんに電話してみました。デンマーククローナはあまり両替して いなかったので、クレジットカードでかけてみようと思い、カードでかけられる電話を探しました。 ガイドブックには、英語の表示のある電話もある、とあったのですが見あたらず、勘で操作することに なってしまいました。確かカードを入れてすぐ抜く、だったかな、と入れてみたけれど、次にデンマーク語で 表示された指示は当然読めず、入力を要求されてるみたいだから、と、スウェーデンの国番号とY子さんの番号を 入れてみたけれど反応なし。あ、暗証番号かな?ともう一回やってみたら今度は"Vent..."うーーん、これは なんだろう。"..."ってことは、何かやってる最中っていうことかな。しばし待つ...やっと「電話番号を 入れなさい」、とおぼしき表示が現れました。かけてみると、あれ、留守電になっている。でも、到着する 時間はおよそわかっているし大丈夫でしょ、と電車に乗り込みました。 あいかわらず、国境でのチェックもなく、マルメに到着。ここでルンドに行く電車に乗り換えします。 ところが、掲示板を見ても、まずどこ行きの電車に乗ったらいいのかがわからない。ルンドは終点では ないので行き先には載っていないのです。切符売り場で聞けばいいんですが、何となく自分で探そうと ホームを歩き回り、これかな?という電車の車掌さんに「この電車はルンドに行きますか?」と 聞くと「NO、プラーグ」え?プラハ?大変大変こんなのに乗ってたらえらいことになるとこだった。 結局切符売り場で聞くと、またもやホームはずーっと先のはじっこでした。スーツケースをがらがら引きながら 小走りに行く私たち。通勤電車っぽい電車で、快速だったらしく途中の駅を飛ばして走るのでちょっと不安になりましたが、 ルンドには15分ほどで着きました。ここでY子さんと落ち合う予定です。 ホームに降りたものの、Y子さんの姿は見えません。ちょっと遅れてるのかな?今降りた電車に、ホームで待っていた人が 乗り込み始めた、と思ったら、若い女性が電車のステップに足をかけたところでふらーっと後ろに倒れてホームに 崩れ落ちてしまいました。わー、どーしたの!?周りの人たちが駆け寄って助け起こしたり、電車の車掌さんに 知らせに走ったりするなか、ホームの端の方からY子さんが現れました。どうやら、この電車はいつもはホームの もっと前の方に止まるんだそうです。それで彼女はそちらで待っていたのでした。電車はそっちへ来ないし、 何か人だかりがしてるし、で様子を見に来たのです。とにかく無事出会えて、すっかりこちらの空気になじんでいる 様子の彼女を見て(何しろスウェーデン人と同じくらい色が白い!)、ちょっと感動しました。 バスで彼女の住むアパートに向かい、今夜から2晩泊めていただくお部屋におじゃましました。 Y子さんの部屋は5階(4階だったかな?記憶が...)にありますが、エレベータがありません。ここを毎日 上り下りしている間に痩せたそうです。外から階段のところに入るところにドアがあり、このドアは夜9時に なると自動的に鍵が閉まるとのこと。それ以降は中の人が開けないと入れないんだそうです。日本の オートロックに比べて防犯性は高いなという印象です。日本だと鍵を持った人が来ると自動ドアで開くので 一緒に入っちゃうことが可能だけど、こちらは手で押して開けるので、怪しい人は入りにくいでしょう。 おいしい手料理をご馳走になって、さあお風呂というときになって、息子が「晩ご飯まだ食べてないよ」 と言います。「さっき食べたじゃない!」...。外が明るいので彼はあれが晩ご飯だと思ってなかった みたいです。なんだかおかしい。 |