第5日(5/5)スカンセン
すばらしいお天気です。今日はスカンセンに行く予定。スカンセンとはスウェーデンの
古い民家や教会などの建物を保存して展示してある野外博物館です。
ストックホルム観光の目玉と思っていたので、晴れててよかった。
まず地下鉄で中央駅に行って、スウェーデン館の観光案内所で
バスの路線図を入手しました。地下鉄は、昨日買っておいた3日券で
乗り放題。このチケットを提示すると、スカンセンには半額で、
グローナ・ルンド・チボリには無料で入場できます。
この観光案内所でこちらに来て初めて日本人に会いました。
スウェーデン館の近くのバス停からスカンセンに行くバスがでているので バス停を目指して歩きます。バス停で困るのが、○○番線というのは分かっても、 方向がよく分からないこと。どっち行きのが来るのかいまいちはっきりしません。 バスが来てみて初めて、ああ、スカンセン行きだったのか、と分かる始末。 うろうろしている間に1台行ってしまいました。でもすぐ次が来て、 乗り込みました。地下鉄の3日券を見せてみたら、これでバスにも乗れるのでした。 後でルンドに行ったときにもあったのですが、電車とバスが同じ会社の経営だと 同じチケットで乗れるということらしいのです。発券から1時間以内、 というように距離に応じて有効時間が設定してあり、その時間内なら往復して しまってもいいんだそうです。改札がないのでチケットは常に手元に残ることになるわけです。
遊びに行くと思われる家族連れや子供たちをいっぱい乗せてバスはスカンセン前に
着きました。しかし、入り口の前にすごい行列!!ブルーの制服を着た子供たちの団体が
どわーっといます。えー、この後ろにつかなくちゃならないの?とうんざりしていたら
別の入り口が開いてそこから入れてもらえました。スカンセンはユーロゴーデン島という
島の中の小高い丘(岩山?)の上にあります。丘の中腹を貫くエスカレーターに乗って
上に上がると、さっきの青い制服の子供、大人でいっぱいです。よく見るとその制服は
ボーイ(ガール)スカウトのようです。それにしてもすごい人数。
スカンセンでは建物を展示するだけでなく、中で昔の扮装をした人が当時の生活を 再現するデモンストレーションをやっているということでした。適当に歩き回りながら 開いている家を探したのですが、どうもどれもしまっているようです。とりあえず 奥にある動物園を目指しました。息子がトナカイを見たい、といっていたのです。 本当は北部のラップランドにでも行かないと自然な状態のトナカイなんか見られない わけですが、まあ動物園でもいいでしょう。動物園には、熊、狐、イタチ、馬などが いました。馬の柵のところにプレートがあり、「Foot and mouth deseaseを避けるために ご協力を!餌をやったり触ったりしないで!」とあります。なんだろう、としばし考えました。 あ、口蹄疫か!日本語とは逆ね。 さあ、お目当てのトナカイです。あれかな?でも角がない...。いや、あるけど山羊の角くらいの 大きさです。そう、トナカイの角が立派に枝分かれするのはたぶん秋から冬にかけて。 春先に角が落ちて、徐々に新しい角が生えてくるのです。今は5月。まだ生えたばっかりなんでしょう。 角のないトナカイは、ただののんびり顔の鹿です。トナカイの柵のところにも、1月ごとに 角がどんな風に大きくなっていくかという写真が並べてありました。やっぱり、時期はずれに見て がっかりする人がいるんだろうなぁ。ガイドブックにでてくるトナカイはみんな立派な角だもの。 息子も、いまいちトナカイを見たという実感がわかないようでした。 歩いているうちに園内の土産物売場で園内マップを手に入れ(最初に買えば良かった)、 案内所で聞いてやっと実演をやっている建物にたどり着きました。そのころは息子は歩き疲れた上に 遊具のある小さい子供用の遊び場に気を取られてこれ以上歩き回る気が全く失せてしまっていました。 仕方なく、子供はお父さんに任せて、私一人で行ってみました。あぁ、最初にここに来るべきだった。 やっぱり建物だけを外から眺めているのとは格段の違いがあります。中では、ろくろと手ひねりで 陶器を作っていたり、昔ながらの釜でパンを焼いていたり。これは息子も喜ぶだろう、とあわてて 呼びに行きました。 パン屋では、その窯で焼いたパンを売っているのです。おいしそうな匂いが
たまりません。奥の作業場を見に行くと、太ったおじいさんがグローブのような手で天板を移動しています。
息子を見て何か言っているのですがスウェーデン語なので全く分かりません。すると、近くにいた
女性が英語で通訳してくれました。いわく「おじさん、僕にパン焼きを手伝って欲しいんだって。
君はパン屋さんになりたくない?」息子が恥ずかしそうにしていると、今焼き上がったばかりの
パンを手にとって息子にくれるではないですか。「ほら、ありがとうっていいなさいよ。Tackって
いってごらん」と言っても、恥ずかしくてついに言えない息子。でも、すごく嬉しそうでした。
店の外にでてみると、パン屋の看板になっている金色のハート型のパン(プレッツェルみたいな形)
が今もらったパンと同じ形だったので、「見て!同じ!」と興奮する彼。後で、おやつにそのパンを
大事そうに食べていました。
さあ、残りの時間はお買い物。今朝朝食前に散歩したときに見つけたドールハウスのお店に
行こう!と張り切ってホテルに帰ってきたのが3時過ぎ。ここで大きな誤算があったのです。
今日は土曜日。ほとんどのお店は3時に閉まってしまうのです!帰ってきてから気付いた
この事実。しかも明日の日曜はほとんどのお店が休みです。ショック。指をくわえてウインドウを
のぞくしかないというこの悲しさよ。しかも、月曜は1時半の飛行機に乗るので10時半には
ホテルを出なければなりません。店が開くのはだいたい10時。30分じゃなんにも見られないよ!
おみやげも買えないし。それに、よく考えたら、食事するところも土曜は早く閉まり、日曜は
休みというところが多いんだった。開いてる店は結局アジア系の料理の店ばかり。幸い息子が
焼き肉を食べたがっていたので、今日はモンゴリアンバーベキューの店に行くことにしました。
ここで、お城ホテルでヨーグルトを食べたつけがやってきたのです。息子はこの春まで便秘症で、 いろいろやってみてもよくならず、何日も出なかったあげく、いざもよおすと、硬くなっているせいで おしりが痛く、トイレで30分泣き叫んでいたこともあるというありさまでした。ところがある時、 離乳食の頃からほとんど毎日食べていたヨーグルトをやめてみたらぴたりと治ってしまったのです。 ヨーグルトはお腹にいいと思いこんでいたのですが、人によっては便秘の原因になることもあるんだ、 と驚きました。しかし、問題は本人がヨーグルトが大好き、ということです。ホテルの朝ご飯には 必ずおいしそうなヨーグルトが。 まあ1回くらいいいかな、と仏心を出したのがいけなかったのです。その日からぴたりと出なくなりました。 そして今日は4日目。スカンセンで歩いたせいかホテルに帰ったら、「トイレ」と行って こもり始めました。20分経っても出ません。3人でホテルでじっと待っているのもなんなので、 私は町に散歩兼調査(?)に出かけました。 閉まっている店のウインドウを見ながら歩いていたら、近くを歩いていた50才(60才?)くらいの おじさんが何か話しかけてきました。 旅行者とも地元の人とも思えるような感じですが、その人もウインドウをのぞき込みながら歩いて いたので、「土曜はみんな早く閉まりますねー」などと話していると、「一人でストックホルムに 来たの?」と聞くのです。(実は、aloneという単語が聞き取れなくて何度も聞き返した) さらに、「今晩はどこで食事するつもり?」あれ、これってナンパですか? 「ホテルに夫と息子が待ってます」と言ったけど、別に残念そうでもなかったから 単なる気さくな人だったのかもしれません。スウェーデンの料理を食べるの?と聞くので、 おいしいところがあったら教えて、と言ってみたけどお薦めはないようでした。 にこやかに別れてホテルに戻ると、1時間ほど経過したにもかかわらず、息子はなんとまだトイレに こもっています。結局この日は出ずじまい。 |