成田−コペン間の飛行時間はおよそ11時間半。5歳の息子がどれだけ寝てくれるかが最大の問題です。あまり騒ぐたちではないのですが、さすがに長すぎます。対策としてポケモン塗り絵、カラーペン、折り紙を用意しました。食事はチャイルドミール。これは、ハンバーガーとサラダとお菓子というメニュー。子供にはお菓子が一番受けていました(やっぱりね)。
食後はお休み。息子は配られたアイマスクをしてみたかったようで、大人用のマスクを頭に着けて寝ていました。ちょっと笑えるカッコでしたが、写真を撮り忘れてしまいました。残念。しかし、2時間ほど寝てからは結局ずっと起きていました。
機内では子供用のお遊びセットが配られました。スチュワーデスさんが息子を見て「ちょっと待って、あなたの年にちょうどいいのを持ってくるから」と言って
持ってきたのは、なぜか8-12才向けのものでした。息子は面長なせいか、年より上に見られることが多いのです。
中身は簡単なパズルの冊子に、ミニ色鉛筆(鉛筆削りも!)、絵本(スウェーデン語と英語)、などでした。SASのイメージキャラクターらしきイラストが入っているのですが、息子はそれをみたとたん「消しゴム君だ!」と言いました。確かに消しゴムみたい。ほんとは何ていうんだろう? 5才の息子にはパズルはちょっと難しかったのですが、色鉛筆は塗り絵にちょうどよく、これでだいぶ時間が稼げました。
とはいえ、最後の3時間くらいは、時計とにらめっこ。こっちは寝たいのに子供は全然寝る気配がなく、私がちょっと目をつぶると「ねえねえ、おかーさーん」とくるので寝るのは諦めざるをえません。
もう少しで着くという時、トイレに立ったら、日本人のスチュワーデスさんが息子にSASのキャラクターのついたナップサックを持ってきてくれました。息子はうちから持っていったリュックよりそれが気に入って、早速しょって機内の通路を得意そうに歩いていました。それを見て若い女性のグループが「いいなあ、私も欲しい!」と声を上げていました。ますます得意になる息子。
途中、飛行機の窓からはシベリア(たぶん)の白い大地が見えました。蛇行する川、三日月湖、ただただ平らな白い平原でした。5月1日でこの雪景色。真冬はいったいどんな寒さなんだろう。
コペンハーゲンのカストロップ空港に着いたのは、午後4時半頃。入国カウンターでコンピュータの不具合で少し待たされた以外は特に問題もなく、電車でコペンハーゲン中央駅へ。空港からは15分くらいです。町に出ると、まだ十分明るいのに道路を走っている車がみんなヘッドライトを煌々とつけているのにちょっとびっくり。あちらの車はエンジンをかけるとライトが点くようになっているというのは聞いてはいたのですが、実際に見ると、なんだか野獣の目がランランと輝いているみたいで怖かった...。
ホテルは駅から徒歩5分。駅前のチボリの横を通って行くのですが、町の雰囲気は曇っているせいもあるのか、くすんだ印象です。ホテルのすぐ手前には女性のヌードポスターを掲げた夜のスポットがあったりして、あんまりいい場所じゃなかったかな、と思いながらフロントに。部屋は1階だったのですが、入ったとたん外の道路の音がもろに聞こえてきて、しまった、と思いました。夜になれば静かになるかしら、とかすかな期待を抱いて、とりあえず荷物を開きました。
この時点で午後5時半くらい。外は日本で言うと3時くらいの明るさです。せっかくコペンハーゲンに来たのだからチボリには行こうと思っていました。息子に「遊園地に行く?」と聞くと、「いくー!!」。それからが大変です。
12時間も飛行機に乗っていたのに、そして今は日本時間で言えば夜中なのに、完全にハイになってしまいました。「ゆーえんち、ゆーえんち、ゆーえーんちー!」と勝手に歌を作ってベッドの上でジャンプし出しました。
チボリはホテルからほんとにすぐのところです。外の壁には落書きがあったりしてあまり期待せずに門をくぐりました。ところが、中は別世界。きれいな並木に街灯の列、そして美しい建物。ちょうどお日様まで射してきて、急に周りが明るく浮き上がって見え始めました。遊園地というと、子供が遊ぶところというイメージでしたが、散策する人たちを見ると、老夫婦、若い恋人たち、そしてもちろん子供連れ、ありとあらゆる年代の人がいます。実際、お散歩するだけでも心が安らぐ場所です。
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午後5時半のチボリ
入り口付近の並木道 |
息子はいろんな乗り物や綿菓子に目を奪われていました。でも、いざ乗ろうとするとほとんどのものに後込みしてしまう彼。観覧車には乗ったことがあったので、これなら大丈夫。ところが、これが日本の観覧車とは全くコンセプトが違うのです。観覧車といえば、ゆっくりと上っていって、いつの間にか降りてくるものと思っていました。でもここの観覧車は、まるでスピードを競うかのように回るのです。しかも、時々逆回転になる!半径は大して大きくないのですが、数秒で1回転してしまいます。運転係のお兄ちゃんが適当に回り方を決めているという感じです。なかなかスリルのある乗り物でした。
乗り物の代金支払いのシステムを理解するのにちょっとかかりました。各乗り物の乗り場のところに、2とか3の数字が書いてあります。これはチケットの枚数を表しています。パスポートのようなものを持っていない人は、園内各所にあるチケットの自動販売機で1枚2クローナ(だったかな)のチケットを必要枚数買います。これを乗り場で係りの人に渡すというわけです。富士急ハイランドがこんな方式だったかな。
絶対に綿菓子を食べるんだと心に決めていた息子。どこで売っているのかを見つけないことには買えません。なかなか見つからず、もう食べている人に聞こうか、と思った頃、やっと行き当たりました。綿菓子はCandy
floss ということを知りました。青い色を付けてもらって、自分の頭より大きい綿菓子を持って幸せそう。
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巨大な綿菓子
芯は紙の筒でした |
綿菓子を食べ、手も口もべたべた、夕食はソーセージとパンを立ち食いし、
まだまだ目はぱっちりとさめています。8時になってもまだ夕暮れとも言えないような明るさでしたが、さすがにこれ以上遊んでいると後々に差し支えそうだったので帰ることにしました。部屋に着いてみると恐れていたとおり、窓を閉めても通りの車の音がかなり聞こえます。疲れているから寝られるのでは、という期待はしっかり裏切られ、飛行機で配っていた耳栓をどうしてもらってこなかったんだー、と悔やまれることしきり。しかも、夫と息子は騒音をものともせずぐっすりお休みなのがよけいしゃくに障る。3時頃まで悶々として明け方ほんのちょっと眠ったかな、というありさまでした。明日以降のホテルに期待するしかありません。
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