ただ、ナッジは優等生なので、イベントも地味目。一緒にいて起こる
イベントは、ガルドランがらみばっかり。ガルドランはジルの世界には
欠かせない(ほんとか)、愛すべきキャラですが、ガルドランがらみ
だけじゃ華がないかな〜〜。他のスタートではアイリーンと主人公の
微妙な関係を応援(?)したり、王妃エリスの配下になってロストールの
王城に出入りして華やかな世界を垣間見たり・・とかの楽しみが
あるんですけど、テラネスタートはそういう盛り上がりが少ないかな。
逆に言うと、より自由に行動出来るとも言えますが。まさしく縛られる
ものがない、気楽な身分です(笑)。
つまり、地味目な展開に持っていったのは私のゲームの進め方にも
よるわけなんですけど・・。それでも、前作をやったときに最初に
やったのがこのテラネスタートだったので、やっぱり愛着が
あるんですね。だから今回も記念すべき第一回のプレイは
テラネスタートにしました。以前書きましたが、孤児でよそ者扱い、
同じ境遇の仲間がいる、というのは一番リアルな感じで好きですね。
あちこちで目にした意見なんですが、人気キャラは仲間になるのが
遅いですよね。今回仲間に出来るキャラが増えてあの人も
この人まで??って感じで嬉しかったんですが、加入するのが
終盤で・・というパターンが多いです。それに意外と戦士タイプの
キャラの加入も遅い!序盤から仲間に出来る戦士キャラって
デルガドくらいしか見当たりません。だから早くから戦士が一人は
欲しい私はデルガドをずっとパーティに入れるわけです。
でも時には違うメンバーでパーティを組みたい。だけど序盤は
なかなか戦士さんが仲間にならないのでいつも同じメンバー
になる。後半仲間になるキャラが増えたが最初から加入してる
キャラは愛着があって外せない。
そしていつも似たような編成に・・の繰り返しです。次回は
違う編成にしてみます。セラは割と早いうちに仲間になるので
入れたりもするんですが、武器が固定なのがちょっとネックですね。
禁断の聖杯イベントを進めるなら入れないとイベントが切れてしまうし。
今回は入れなかったので、禁断の聖杯関係イベントは途中で
消失しました。長すぎるんですよね・・。最初に依頼されるのに、
解決は終盤もいいところ。引っ張りすぎかなあ。
また、今回は後半の展開がかなり変更されて新イベントが
たくさんでした。全体的に終末感が強くなり、滅びに向かう世界の
重々しい雰囲気が漂っていました。攻略本を見ても、重要キャラの
ほとんどにイベント死があるので少々驚きました。ヴァンにまで
イベント死があるよ・・。しかもナッジを死なせた主人公に対して
復讐の刃を向けるという暗い展開・・。
もはや違う人格に思えてきます。ナッジの反乱参加も、それまで
あまり種族の悩みを描いたイベントがなかったので(ガルドランイベント
ばっかり・笑)、唐突にも思えたし。
ゼネテスの死(しかも死にやすい・・)、闇落ちなど「あのキャラの
人格にはそぐわないんじゃないか」と思うようなセリフ・行動が多くて
違和感を感じたり後味の悪い思いをしたり。キャラが次々に死んで
いった日には悲しくなったものですが・・。各キャラの救出が結構難しい
ですね。何も情報がなくてプレイしたら、どんどんキャラが死んでしまう
でしょうね。
救出のフラグ立てが厳しいので、ゲームの大筋の話を普通に
進めていると、キャラがいつのまにか死んでしまっていた、という
パターンにはまってしまいます。ゲームのスムーズな進行と、キャラの
救出を両立させるのが難しいのです、これが。一人のキャラに
かかりきりだと、他のキャラがおろそかになるし・・攻略本やサイトの
情報を照合しながらチャートでも作って進めないと、全員仲間の
EDなんて見るのは無理そう・・。
キャラを救おうとするとオルファウスさんの言う「自由な旅を!!」を
実践するのは難しいです。攻略本(下)をざっと読んだんですが、
一人一人のフラグ立ての細かさ&厳しさにめまいが(笑)。
何度も楽しめそうです。
といった感じで、フラグ立てが厳しいのはちょっとな〜と思ったし、
人が死に過ぎなんじゃないのとも感じたんですが、ふと思ったことが。
インフィニットは、確実に滅びに向かっている世界なんですね。
バイアシオン大陸に住む人々はこの時点で全員ほぼ死の運命を
持っているわけですが(実際ソウルリープで主人公達以外の
人々のソウルは吸い取られていた。主人公達が闇を退け
なかったら、人々はそのままソウルを奪われ消滅=死のままだった)、
無限のソウルを持つ者だけは、その運命を打破する力を持っている。
無限のソウルを持つ者=プレイヤーの頑張り次第で、死ぬはず
だった人の運命を変えられる。ヴァンもゼネテスもレムオンもナッジも、
巫女たちも・・愛するキャラたちは、悲しいけれど元々死ぬ運命だった。
尋常でない努力をすれば、無限のソウルを持つ者が愛する者を
助けられるのだと。そういう点で、まさしく世界を、人々を救う
ゲームなんだな、と強く思いました。RPGは大抵、「世界を救う」
「人々を救う」という話なんですが、インフィニットはそれをリアルに
感じさせてくれるゲームでした。自分が何もしなければ人は簡単に
死んでしまう。シビアですがだからこそ、キャラを救えたことがすごく
嬉しいんですね。しかし今回は救えないキャラが多すぎたので、
今度は頑張るぞ。
などなど、インフィニットの初回プレイで感じたことでした。一般的な
レビュー(ロードが遅いんじゃないか、など)については下記をどうぞ。
ではインフィニットの印象やレビューを。自分のプレイとは離れて、
より客観的(になるかどうか)な感想を書いてみようと思います。
まず、グラフィック。これはさすがにPS版の前作からは相当〜〜に
質が向上してます。前作も背景はきれいだったんですが、なにぶん
人物グラフィックがちょっと・・でしたので今回は人物グラもきれいに
なってます。とはいえ、最近のPS2のゲームをやりこんでいる人から
見れば、グラフィックや魔法効果などのエフェクトはかなり見劣りが
するのは否めないかも、やっぱり。私は本来CGの質はあまり気に
しないのですが。
ただ、魔法のエフェクトはもう少し華やかにしてもよかったのでは。
高度な魔法でもエフェクトが地味なので、なんとなくカタルシスに
欠けます。戦闘時にエフェクトをキャンセルできるのはジルのよい
機能の一つです。キャンセルできないゲームの場合、派手な
画面効果は最初こそ「すごい、かっこいい」と思わせますが、
そのうち飽きて魔法を使うたびに「早く終われ〜長いよ」と
思ってしまうのが人情です。我ながら勝手と思うんですが。
せっかくエフェクトキャンセルできるんだから、エフェクトを
思いっきり派手にして、飽きたらキャンセルしてもらえば
最初の感動もいい思い出のまま(笑)にできたはず。
実にもったいないです。ちなみに私は戦闘の95%は
エフェクトキャンセルしてます・・・。せっかちですみません。
音楽ですが、インフィニットをプレイし始めたころは前作の
サウンドのほうがいい〜〜なぜ変えたんだ〜〜と心で
叫んでいました。前作と比べてばかりもどうかと思いつつ
プレイしていたらプレイ中盤くらいからは慣れてきて、前作の
旋律ではなく、インフィニットの旋律が頭を支配するように。
身も蓋もないかもしれませんが、BGMって多分に慣れ
なんですよね。いつまでも前作の音楽のほうが・・と思いつつ
プレイするのも何だし。とはいえ、前作をやると断然好きなのは
こっちだな、と思ってしまう。テラネ、アキュリュース、ガルドランとの
戦闘の時によくかかる曲など、好きな曲がいっぱい。
曲名を調べろよという感じですね。シンプルな曲名なので、
頭の中にあまり残ってないんです・・。あと、オープニングは音楽も
演出も断然!!前作が好きです。OPだけでも見よう・聞こうと
思って前作を起動させることもありますし。
あの切ないサビが好きなんですよね〜。末弥さんのイラストが
出てくる2D方式なのもよかったのに。確かに時代の流れとしては、
いまどきOPでCGムービーが流れないなんて古すぎ・・というのが
あるんでしょうけどね。でもCGムービーになると、どれも似たような
絵柄(?)になってせっかくの個性的なキャラデザの魅力が埋もれて
しまうように思えます。それを言うならゲーム中のキャラのモデリングも
そうかな。2Dの絵を3Dにする時点で仕方のないことだと分かっては
いるけれど。
と、音楽に関する上記の意見は前作をやってるのを前提にして
いたので、インフィニット単体でみると全体に地味目な音楽かなと。
超大作RPGみたいに有名な作曲家が手がけているわけではないし、
オーソドックスなオーケストラ系BGMですかね。ゲームの邪魔に
ならない、まさしくBGMといった趣でこれはこれでよいと思いますが、
4,5曲くらいはもっとはじけた曲があってもよかったかなあと思います。
キャラデザですが、今回全身画が新たに起こされたキャラはほぼ
全て末弥純さん以外の人の手によるものです。プレミアムボックス
パッケージのエステルとレムオンの正面図だけは末弥さんの描き下ろし
です。あくまで末弥さんは「メイン」キャラクターデザインなので、残念
ですが他の人のキャラデザも、末弥さんのタッチを壊さず、いい感じに
仕上がっているのでよかったなあ〜と。主要キャラほとんどに全身画が
設定されて、プレミアムボックスの特典の設定資料集を見ると壮観です。
今回一般流通用としての設定資料集とかは出るのでしょうか。
インフィニットの売れ行き次第かな。売れ行きと言えば、ファミ通の
ランキングを見たところ、インフィニットは6/20〜6/26が
42,374本で2位、6/27〜7/3が13,828で16位、
7/4〜7/10が8,390で16位でした。次の週はまだ集計が出て
いないのかもしれませんがそう多い売り上げではないでしょうね。
3週の累計で64,592本です。これを多いと取るか少ないと取るかは
人によって違うでしょうが、私個人としては正直、えっ、こんなに少ないの?と
いう印象ですね。今のゲーム市場でどのくらい売れればヒットなのか、
基準がいまいちわからないのですが、10万本くらい売れてもいいんじゃあ・・・
って高望みなんですかね。
今回思ったより追加イベントが少なかったかなあ。それともう少し
前半に追加イベントがあればよかった。ネメア即位くらいまで、
ほとんど追加イベントがなかったので、後半の怒涛の新展開との
ギャップが激しかったです。せめてキャラの何人かでも早めに
仲間に出来るようにしてくれたら嬉しかったです。重要キャラを
早くから仲間にしたらシナリオ進行が難しくなるからでしょうか。
あとはイベントが増えたせいでフラグ立てに追われるようになって、
意外と自由な旅が出来ないってのが・・。確かに最低限の
イベントだけこなしていてもクリアは出来ますが、そうなるとキャラが
どんどん死亡したり仲間にならなかったりで後味の悪い思いを
するし・・。この辺はジレンマだなあと思いましたね。
フリーシナリオRPGだからといって、自由に行動すると後で
寂しい思いをする。あと、ギルドの仕事がやはり単調だ、とか。
前作から言われていたのでインフィニットではギルドの仕事も
多彩になる、という情報を発売前にゲーム誌で見かけましたが
結局あまり変わり映えしなかったですね。イベントを増やしたので、
ギルドの仕事は完全なるルーティンワークと割り切ったのかな。
今回は前作以上にギルドの仕事をしなかった(笑)。
特に後半はイベントに追われていたらそれなりにレベルが
上がっていったので。
ダンジョンも、今のRPGと比べたら相当に単純なつくりで
物足りない!!っていう意見も多いんじゃないかなあ。
ちょっと張り合いがないかも。前作をプレイした時はビックリ
しました(笑)。RPGのダンジョンといえばパズル要素が
あってややこしい・・というイメージだったので。
あと、圧倒的に多いであろう、戦闘が単調だ!!と
いうのも挙げられますね。
確かに戦略性とかはほとんど期待できないです。
非常にオーソドックスなターン制コマンド入力だし。
なにより主人公たちがあっという間に強くなるので、敵を
倒すのにてこずるということはほとんどないです。前作はこの辺の
ゲームバランスがもっと崩れていて、ラスボスも瞬殺でした。
それを受けて、インフィニットはある程度はバランスが調整されて
いるようですが、それでも主人公たちの成長の早いこと早いこと(笑)。
これも全てストーリー、イベントを楽しんでもらうため、と思えば納得
できないこともない・・と言い切るのは勇気が必要かも。
社会人&昔ほど気力のない私のような気楽ゲーム好きなら
そう気にならないかもしれませんが、バリバリのやり込み派には
物足りないでしょうね。ストーリーや世界観を気に入って
もらえればいけるとは思いますが・・。
そういう意味では実に人を選ぶゲームですね。
いろいろ書きましたが、私は長所短所を含めてインフィニットは
すごく楽しめました。まだ一回やっただけですが、今度は××を
救うぞ〜とか、このイベントを見てやる!とか○○をエンディングを
迎えたいとか、何度もやりたい気にさせてくれます。
プレイするたびに違う展開になる、そこがジルの一番の魅力ですよね。
複雑なフラグ立ても、キャラを好きになればなるほど頑張ろう〜と
思うし。細かい設定も好きですねえ。なにより、個性的かつ
独創的なRPGです。変則的すぎるのも抵抗があるけど
もう少しはやりものとは違うRPGをしてみたい人におすすめ。