13.ノエルパーティー

ノエルパーティー
「あと、えと、その・・・」ノエル
「俺は君の側に・・いるよ」レイヴン
「あたしはあたしの人生に合格点をつけられる」カフィン
「竜王様」ナーシェス

今回はノエルパーティー4人です。このパーティーはゲーム中でも
いつもパーティーで行動してて(冒険者は街の中では単独行動が
原則じゃなかったのか?)、4人一緒のほうが語りやすいです。
ちなみに、印象に残ったキャラのセリフを一つ挙げる、という
マイルールですが、エストたちの時は忘れてました。
上の4つのセリフのうち、カフィンのセリフは前作のみ登場してます。
すごく好きな感動的なセリフだったのに、なぜかインフィニットでは
削除されてました・・。なぜ!?場面は、ラスト、エンシャントにて
ノエルパーティーと戦ってカフィンが死ぬ間際です。
このセリフ削除だけは理由がわかりません(泣)。
ナーシェスは、セリフを細かく覚えてなかったり・・。全体的に感じ
よくない発言が多いので。ただ、「竜王様」が耳についたという。
適当な扱いでごめんよナーシェス。

ノエル・・主人公と対になるもう一人の無限のソウルを
持つ者、でありながらいまいち恵まれない扱いのキャラ。
彼女を見ていると、無限のソウルを持っていれば即勇者になれると
いうわけでもないんだな〜、別に無敵ってわけじゃないんだな、と
思わされます。平凡だけど、結局は本人の努力次第、心の持ち方
次第なのかな??前作ではどうにも中途半端な扱いだったので、
リメイクにあたってはノエル関連はかなり変更されるのでは、と思って
いたのですが、そうでもなかったですね。出番は増えたけど、やはり
中途半端な印象はぬぐえず・・。今回明らかになったノエルの設定と
しては、シルヴァ村というロストール領地の小さな村の領主の娘である、
ということ。だから展開によっては、レムオンがクーデターを起こした時に、
貴族として反乱に参加しないか、と誘われたが断ったという話を
聞けます。この時、タイムアタックで助けた王女を保護してくれたりと、
今回ちょっとは頼もしくなってます(笑)。

ソウルイーター退治の助太刀をすると、ラストでノエルたちと戦うことに
なりカフィン、レイヴン、ナーシェスの死が確定するという残酷な展開に
なってしまうのがジルらしいというか。エルファスの巧みな誘導もあって、
ソウルイーターを封印していた剣を抜いてしまったノエル。
無限のソウルを持つ者にしか抜けないのだとしたら、エルファスは実に
うまいことやりましたね。いや、感心している場合じゃないですけど。
ノエルは、無限の資質はあるのだろうけど、自分の能力、可能性を
信じ切れず逆に過小評価しすぎてこういった結果になったのはないか。
いきなり現れた人間の言ったことを単純に信じて(エルファスの煽りに
乗せられる)、不用意に剣を抜き、村人のソウルを消滅させてしまった。
そもそも、ずっと抜けなかった剣を抜くという行為がどんな結果を
もたらすか、考えなかったのでしょうか。抜いていいものかどうか、
慎重に考えなかったのでしょうか。その責任を痛感はするけれど、
自分も死ぬという行為で果たそうとする。主人公なら、ソウルを元に
戻すため、辛くてもすぐに行動を起こすだろう。そこが主人公との違い
ではないかと思うのです。他人の言うことを無条件に信じるのは、
自分に自信がないからでは。その結果、ノエルはエルファス、
ナーシェス、竜王と、他者から利用され続ける。
他人につけこまれてしまうのです。
もちろん、主人公も利用されてますけどね。アトレイアに色惑の瞳を
与えたのも、展開によっては大きな不幸をもたらすし・・。
しかし自分が起こした結果に対する責任をどう取るか、で無限の
ソウルの成長も変わってくるのではないでしょうか。

厳しいことを書くのも、ノエルがかわいそうだからなんですね。
設定的にはもう一人の主人公になり得る可能性を持ちながら、
なんか余計なことばかりする人、というイメージが強くて。味方として
協力しあうわけでもなく、かといって最強のライバルとして対立し、
ストーリーのメインになるわけでもなく・・。ラストで敵として登場する
ことはあるけれど、どうもインパクトに欠けてます。
フリーシナリオの宿命か?普通は、ストーリーの最初から最後まで
ライバルとして登場しそうなものですが。主人公と対になる存在さえ、
脇役の一人としてあっさり描かれるというのはジルらしいですね。

レイヴン・・今回、ノエルが剣を抜くのを止めよう、告死天使を
足止めしようとシルヴァ村に向かうレイヴンの姿がかっこよかったです。
ノエルに影のようにつき従う・・。それは自分が告死天使として心をなくし、
利用され、人の命を奪ってきたことから来る同情と、次第に芽生えてきた
ノエルに対する思慕からか・・。しかしそんな過酷な体験をしているの
だったら、ノエルに盲目的に従うのではなく、ノエルの無限のソウルを
伸ばすよう、導いてほしかった。これはカフィンもそう。
もちろん、この二人はノエルのために充分尽くし、助けてあげたと
思いますけどね。パーティの中にナーシェスという、ノエルを利用しようと
画策する人物がいたのが不幸だった・・。
ナーシェスの企みどおりに動かされる3人。
実はナーシェスさえも、竜王の操り人形にしか過ぎなかったのですが。
竜王の企みに気付くなんてあまりにも困難なことです。
レイヴンもカフィンも、展開によっては死を避けられるので、ぜひ幸せに
なってほしいキャラです。レイヴンは主人公にはよき先輩冒険者として、
気さくに話してくれるのが意外ですが、ニヒルでかっこいいですね。

カフィン・・「大胆な格好(レイヴンいわく)」のダルケニスの
冒険者。プレミアムボックス特典の設定集を見ると、確かにとても
大胆で目のやり場に困る衣装です(笑)。カルラ、ケリュネイアと並んで
大胆な衣装ベスト3。ダルケニスというのは、前作でもサラリと触れられて
いましたが、インフィニットになって、カフィンの娘はレムオンの母親(つまり
カフィンはレムオンの祖母)、などという驚くべき設定がこれまたサラリと
披露されました(笑)。レムオンがパーティにいる状態でラストバトルに
突入すると(ソウルイーター退治を助太刀したとき発生する対決)、
この血縁関係が明かされるようです・・。私は未見です。
しかしこれは個人的には後付け設定に思えるんですが・・。
果たしてどうなんでしょうか。そうなると、カフィンは一体いくつ??
ダルケニスの平均寿命は280歳ということです。レムオンの祖母として、
人間なら58〜60歳くらい??(注:ジルの世界では人間なら15歳で
成人、という設定なので、カフィン、カミラ(レム母)とも18歳で出産したと
しての計算。レムオンは前作特典では22歳との設定より)
・・・女性の年齢を勘繰るのはこの辺でやめておきます。

ナーシェス・・竜王を崇める竜教の神官エルフ。
エルフで竜教神官というのは珍しいようです。確かにエルフは信教には
あまり関心がなさそうですね。自分たちも神に近い種族と思っている
フシがありますし。そう考えるとナーシェスはエルフの中でも変わり者
でしょうね。フェティと対決させてみたい(笑)。「誰かのために行動する
なんてくだらないわ!!」とか言いそうです。なぜ彼が竜王を崇めるのか、
その辺の背景を知りたかったですね。
森で閉鎖的な生活を送る同胞を歯がゆく思い、優れた種族である
エルフが世界の均衡を保ち平穏な世を作ることが使命だ、とでも
考えたのか。世界の均衡を保とうとする点では変化を嫌う一般の
エルフと思想の根本は一緒なのが面白い。
ただ、自らは何もせず黙って世界の行く末を見るのか、行動に
出るのか。方法が違うだけで。ナーシェスの場合、目的のための行動が
強引だったり、謀略が過ぎていたりして、それで結果的に失敗を招きます。
ですが、ナーシェスの口調や性格がイヤミだからって、単純に批判できる
のか(私はイヤミな態度が気に入らず批判してました・・・。今思い直して
みてます)。世界の均衡を保つというのは単純によい悪いと言えるわけ
ではない。世界を破滅させないという意味では価値があるし、人間
その他の種族の発展を妨げているという意味では非難されるべきこと
ですし。善悪の判断のつきにくい、複雑な状況の中で信念を持って行動
していたという点ではナーシェスもまた、評価されるべき人物なのかも
しれません。態度や手段はやはり、許容しがたいですが。