さて、いきなりですがアトレイアのほうが闇落ちしやすいです。
ロストールにあんまり構わないでいると、ティアナが助かり、アトレイアが
闇落ちします。末弥さんのキャラデザじゃないし、公式にはティアナが
光の王女、ヒロインの一人でしょう(でもジルはヒロインがたくさんいる
ので、王女だからといってティアナがメインヒロインではない。その辺の
ジルの間口の広さが好き)
個人的に、アトレイアも末弥さんのデザインにしてほしかったです。
アトレイアも清楚でよいんですけど。闇落ちの優先順位、キャラデザ
などを考えても、ティアナと対とはいってもアトレイアのほうが立場は
弱いです。アトレイアはハッキリ闇落ちを防ぐぞ、と意気込んで
進めないとあっさり恐ろしい王女となって登場し、へこんでしまいます。
アトレイアのほうが本当に恐いですね。ティアナはまだラストバトルを
拝見してないのですが、アトレイアは元々の性格や環境とあいまって
ただもう恨みの固まりに見えました。ティアナの場合は変な言い方
ですが、悪役として妙に愛嬌があるというか・・。
アトレイアの設定おさらいです。
ロストールの先王フェロヒア(セルモノーの兄)の遺児。
フェロヒアが死んだとき、アトレイアはまだ母の胎内にいた。
そこでセルモノーは野心を抱き自分が王として即位する。しかし
貴族テジャワがフェロヒアの妻、つまりアトレイアの母をそそのかし、
アトレイアを王位につけようと画策。その企みは失敗に終わり、
アトレイアの母はアトレイアとともに心中しようとする。母は死ぬが
アトレイアはなんとか助かる。このとき彼女を助けようとしたのが
エリスだった。エリスはその時のことがきっかけで毒にも詳しくなった
模様。アトレイアは一命は取り留めたものの、失明してしまい、
クーデター首謀者の娘という立場もあり、王女でありながらひっそりと
王宮で忘れられたように暮らすのだった・・。
と、こんなところでしょうか。エリス配下になってないと聞けない話も
あったりして自分でも混乱してしまうため、おさらいしました。
アトレイアの場合は、闇落ちする要素が最初から多いです。
目が見えないということ、クーデター首謀者の娘という辛い立場、
早くから両親がいない上そういった経緯から有力貴族の後ろ盾も
ない、従姉妹にあたるティアナは光の王女としてみんなから
愛されているが、自分は誰にも関心を持たれることなく、ひっそりと
闇の中で暮らす毎日。
彼女にとっては昨日も今日も明日も、全て同じ一日に思えたかも
しれません。よい話相手もなく、彼女はすっかり自信をなくして、
おどおどした性格になってしまっており、最初に会ったときから
不幸でかわいそうなキャラという印象ですね。
彼女に会いに行っても、ティアナと比べるような話ばかりするし、
ティアナが光の王女としてみんなに慕われていることをうらやむ。
それは当然の感情でしょうね。同じ年頃の近しい者が自分より
脚光を浴びている。それどころか、自分は様々な不幸を抱えて
いて、王女なのにとても恵まれているとはいえない。
誰も私のことなんかには関心がない。私がどうなろうと、誰も
知ったことではない・・。その嫉妬と孤独が頂点に達したとき
彼女は闇に落ちる。アトレイアの場合は、闇落ちする経緯も
語弊がありますが、わかりやすいですね。最初からティアナよりも
相当に辛い立場に置かれていますから・・。
置かれた立場がかわいそうなだけに、彼女に光をもたらすと
言われている「色惑の瞳」捜索依頼には力が入ります。それが
あのシャリの依頼であることにひっかかりを感じつつも(笑)、
彼女の目に光が戻った時の喜びは大きいです。ただ、ゲーム中
では明言はされていなかったと思うのですが、色惑の瞳も闇の神器
です。そんなものを使って目を元通りにして大丈夫なのか??
一説には、アトレイアが闇落ちしやすいのは色惑の瞳を使った
からだとも。シャリとしても、アトレイアに近づいたり、色惑の瞳を
使ったりしたことからも、元々はアトレイアを闇の王女に仕立て
上げるつもりだったようですが。容易に闇落ちすると踏んだの
でしょうね。
闇の中ひっそりと暮らす毎日に変化をもたらしたのは、自分の目を
元通りにしてくれた、冒険者の主人公だったわけです。目を治して
くれただけでなく、自分に会いに来てくれる。ティアナではなく、自分に。
これまで人に親切にされたことの少ない彼女にとって、主人公は
なにより大切な人になっていくのです。そうやって主人公がマメに
彼女のことを見守っていれば、闇落ちせず、自分の未来を切り開いて
いく勇気をえることができるのですが・・。
闇落ちしたあとの彼女は、全てを恨み、もはや自分のことすらも
憎んでいるかのようです。全部を他人のせいにしてしまう。
こんなことなら、目なんて見えなければよかった。主人公のせいで
ひっそりと、でも変化のない毎日、何も知らないけれど平穏な日々が
壊され、自分は世の中の醜いこと、知らなくてもよいことを知ってしまった。
彼女は世界を知ることで得られる喜びよりも、醜い面や哀しみばかりに
目を向けてしまうようになるのです。変化のない毎日を過ごして
退屈だ〜と文句を言いつつ暮らすのと、変化に富んだ毎日を
送りながら、その中で喜びや哀しみを経験するのとどちらが
幸せなのか??
現実にありそうなテーマですね。主人公のせいでこうなったと
責められると本当に辛いです。まさによかれと思ってやったことが
悲劇を生む。シビアな展開ですね。RPGのお約束だと、王女を
助けたら主人公も王女も幸せになるのが常道なのに・・。
いったん助けたら、責任を持って最後までその人のことを見守って
やらないといけないのか??その場の感情で助けただけ、あとは
自分で生きていくしかないと放り出すことは無責任なのか??
それなら最初から助けたりしないほうがいいのか??
簡単に答えは出ません・・。2周目でアトレイアの闇落ちを
防ぐことが出来ました。彼女はロストールの民のため、復興に
尽くすと力強く決意します。もはや闇のなかで怯えていた
アトレイアとは別人のように光り輝いています。その様子を
見ると、やっぱり助けてよかった!!と嬉しくなります。
一方で鬼の形相のティアナを見ると心が痛むし・・。
アトレイア闇落ちの場合はその逆ですし。このジレンマを
どうにかして、と毎回思います。救出条件がすごく厳しくても、
王女2人を助けられる選択肢が欲しかった。変な話、セルモノーを
闇の王にしてもよかったんじゃ(ひどい)。彼はそんな重大な役を
負わせるほどの人物じゃないですか、シャリ坊(笑)。
悪役にはインパクト不足ですか、スタッフ様(笑)。
ティアナかアトレイア、二人のうちどちらかを助けるか選べと
言われても、簡単に選べはしないんですよね・・。
せめて、闇落ちした王女も、死を迎えるにあたり、心の平安を
得て命果てることを願って。