インフィニットにおける「なぜだ!?」の設定として、エリスが
必ず死亡することやゼネテスが闇の貴族になる可能性が
あること、のほかに「なぜ王女はどちらかが必ず闇落ち
するのか??」というのがあります。レムオン救済はユーザーの
要望が山のように来たけど、王女救済の要望は少なかったの
でしょうか。エルファスの他にも悪役が必要というのも
あるでしょうが、せっかくゼネテスやレムオンが救済されるの
なら、彼らが闇の王女を救うという選択肢があってもよかったの
ではないでしょうか。空中庭園イベントではゼネ&レムはシャリに
「闇の王女に刃向かう可能性のある〜」と言われているので、
どうせなら刃向かうだけじゃなくて救済する可能性も作って
ほしかった。ティアナとアトレイア二者択一なのがまた、
後味悪いのです。アトレイアのほうが闇落ちしやすいので、
なんとなくイメージ的にはアトレイアが闇の王女の印象ですが・・。
しかし二人の王女の微妙な関係、ゼネテス&レムオンの
三角関係、母エリスへの反発など、この年頃の女の子の心情が
非常にリアルかつ丁寧に描写されていると思います。いや、ほんと
なんか見ていて苦い気持ちになることもあったりして(^^;)。
ジルPS版初回特典(一体何人が持っているのやら)の冊子には
ティアナは16歳とされていたようで(ちなみにレムオンは22歳らしい)、
主人公と同い年です。ジルの世界では15歳で成人みたいなので、
ティアナも一応一人前の、社交界デビューした娘さんのようです。
がさつな婚約者に皮肉を言いつつも、彼の奔放なところに他の
貴族にはない魅力を感じてちょっと惹かれたり、冒険者の
主人公(特に男性)にも自由な雰囲気を感じて気に入ったり、
まさしくお嬢様は昔からこのタイプに弱いんだなあ〜と思います。
自分にないもの、自分には手に入れられそうにないものに無条件に
憧れる。なぜ自分はそれを持っていないのか、なぜ自分はそれを
手に入れられないのかといったことには考えが及ばず、ただうらやむ。
憧れたものが自分には決して手が届かないとわかった時、
憧れたものが自分から離れていくとわかった時、彼女は
なぜそうなったのかは考えず、ただ憎しみのみを抱いてしまう・・。
なんか抽象的な表現ですが、具体的にいってしまえば、
手に入らないもの、自分から離れていくものはゼネテスや
主人公であり、アトレイアが手に入れる「本当の王女」という
地位ですね。
母への反発は抱くけれども、なぜ母が雌狐などという不名誉な
陰口を叩かれながらも策謀をめぐらしているのか、そうせざるを
得ない理由について真剣に考えていない気がします。というか、
考えるのを避け、逃げているといったほうが正確かな。
ただ清楚に微笑んでいれば楽なはずの王妃がどうしてそこまで
するのか。それはひとえに国民、夫、そして何より愛する娘を
守りたいからに他ならないのですが、悲しいかなティアナは
そこまで考えが至らない。
それを理解した時、彼女は父母の死を乗り越え、ロストールを
まとめる女王となれるのですが・・・。これは闇落ちしなかった時の
お話。
ゲーム中見ててもわかりますが、闇に落ちるか落ちないかの
分かれ目はほんとに些細なことです。ゼネテスや主人公に
優しくしてもらえるか。アトレイアよりも自分が王女として
扱われているか。こういった日常が闇を生むきっかけになる。
それだけ、ティアナ(アトレイアも)が脆いということですが、嫉妬や
寂しさは誰でも持っているものです。
誰が王女だけを責められるのか・・?
ティアナを語るうえでは欠かせないアトレイア。まさしくこの2人は
対になる存在です。2人一緒に書くつもりでしたが、
長くなったので、アトレイアは次で語りたいと思います。