私も、前作ではレムオンは正直、どうやっても闇落ちしてしまう
こともあって、結局世間知らずの(屈折した)おぼっちゃん、という
印象が強かったんですね。すみません、私が浅はかでした。
でもインフィニットにおける彼のイベントやセリフをよくよく考えつつ
プレイしてみるとレムオンの印象がガラッと変わりました。
1・2周目ともノーブル伯になってないのであまり身近で彼を観察(笑)
することは出来ませんが、それでもレムオンがつらい立場や弱い自分の
心を必死に隠しつつ、自らのプライドにかけてリューガ家の繁栄のために
闘っている姿は、悲しいですが理解できなくもないかなあ、と。
母親が正妻でないばかりか忌み嫌われるダルケニスであること、
政敵エリスの娘ティアナへの想い、対立するファーロス家ゼネテスへの
密かなライバル心・・。語るネタが多すぎなくらいです(^^;)。
半ダルケニスということで、能力や特徴は完全なダルケニスよりは
強くないのでは?とも思うのですが、貴族にとっては異種族の血が
入っているということはそれだけで存在価値がない、許されないこと
なのでしょう。特に家柄や身分に縛られているレムオンにとっては・・。
カフィンの娘がレムオンの母親、というのは唐突すぎる気がするので
もっとゲーム中で語ってほしかったところです。世間は狭いですね〜って、
狭すぎるよ!とつっこまずにはいられない。エンサイクロペディアは色々
突っ込みどころが多い本ですね。
ティアナへの想いも、報われなさすぎであまりにも気の毒です。
あんなに対立して策謀をめぐらして火花を散らしている王妃エリスの娘、
なうえにゼネテスの婚約者(政略ですが)で、しかも肝心のティアナの
心はレムオンには向けられていない・・。
政略と思って油断していた(多分)「婚約者」ゼネテスですが、最近
ティアナは少なからず彼のことが気になっている様子。
ゼネテスは最大のライバル・ファーロス家の息子でエリスの甥、しかし
本人は貴族らしい振る舞いもせず冒険者としてブラブラ遊んでいる
(レムオンから見れば「ブラブラ」でしょう)。貴族らしい振る舞いもせず
王宮にも寄り付かないのに、庶民からの人気は抜群でしかもティアナも
気にしているとくれば嫉妬するのも仕方ないですね。
レムオンから見ればゼネテスの振る舞いや生き方は理解できないもの
でしょう。
レムオンは貴族の家に生まれなかったら、半ダルケニスとして悲惨な
人生を送ったであろうことは想像に難くない。しかし貴族制階級社会の
ロストールで貴族に生まれたことで、とりあえず表面上は権力を持ち、
特権階級として暮らしていける。リューガ家はまさしく彼の拠り所であり、
存在意義を与えてくれる最後の砦だったのでしょう。
半ダルケニスの自分でも、家の力と自らの力で権力を握り、異種族を
差別する者たちの上に立てる。レムオンが権力闘争に向かうのは
必然だったのかも。しかし自分と同じように差別される者や、弱き庶民の
立場に思いをめぐらすことはなく、自分のことしか見えていなかった。
そこがシャリに付けこまれる彼の弱さだった。愛そうとするが
愛は得られない。
そう考えると名家に生まれ、そんな屈折した思いも抱くことなく自由に
生きるゼネテスは恵まれていますね。生い立ちに悩むことなく
過ごしてきた。
俺はこんなに苦労してるのに、あいつは好き放題してしかもティアナには
気に入られて(そればっかり)・・。レムオン心の叫び。
しかしゼネテスも酒場で語っているように、自由ってのは自分で掴みとる
ものなんですね。その辺が理解できないところにレムオンの限界があった
のかもしれない。
インフィニットでは進め方・好感度・スタート地点によって、レムオン関連の
話はずいぶん変化します。主人公がノーブル伯となってレムオンを助け、
心の支えになっていくストーリーはやりがいがありますね。
前作だと、いくら彼の心を開いた!と喜んでも最後は闇落ちされてこっちも
落ち込むパターンでしたから。生まれは庶民の主人公が、その人間的魅力
でレムオンの頑なな心を溶かしていく様子は恋愛抜きでも微笑ましく、
温かい感じがしてよいです。
インフィニットでのレムオン関連イベントはいいですね。
ダブルブレードというのがまたかっこいいですね。おかげで、
インフィニットではゼネテスが地味に見えてしまう。
ゼネさん頑張れ(笑)。 はともかく。
レムオンはインフィニットで一気にキャラの魅力が爆発しました。
いい立ち位置にいますよね。好きなキャラです。