章立ての構成で、連作短編集のように短めの話をプレイしていくうちに
全体像が見えてきます。主人公はビーストハンターのアイルですが、
彼をずっと操作するわけではなく章によって操作キャラも変わり、5人の
キャラをそれぞれ操作します。時には一つの章に何人も主役キャラが
出てきて、操作を切り替えつつ複数キャラを使います。いろんなキャラを
操作するので5人それぞれに愛着がわいてきます。そのぶん、主人公の
アイルはやや影が薄く感じるかもしれません。しかしアイルよりも一応
ヒロインのレイファの影の薄さが際立ってます。レイファは中盤すぎくらい
まで登場機会が少ないんですよね・・。思わず忘れそうになるくらい。
とまあ、その辺はキャラ語りで書くとして、軍事国家のザフナム帝国
(なんかいかにも悪役っぽいネーミングだ)と主役5人が闘うのが
主なストーリーです。ただし5人が全員、最初から帝国と闘うつもり
だったわけではなく、正統派レジスタンスもいるし、最初は親しい人の
仇討ちのつもりが、黒幕が帝国だった人もいるし、そもそも帝国の
軍人だった人もいる。バラバラの目的を持った5人が集まる過程が
中盤までの内容で、ここはとても面白いし、よく出来てます。
短編小説が好きな人なんかに特におすすめ。
5人が集まって以降の話はやや性急な感じもするけれど、キャラ
同士の掛け合いが面白いし、悪に立ち向かうぞ!というのが
まあ王道といえばものすごく王道なんですが、私は好きです。
でも終盤にちょっとばかり意外などんでん返しもあるので、
ちょっとだけビックリするかもしれません。ほんと、「ちょっと」ですよ。
オーソドックスなストーリーではありますが、章立ての構成が飽き
させない作りとなっていて楽しいです。私はこの構成に惚れました、
ってくらい。一つの章が大体一時間もあればクリアできるほどの
長さ(もっと長かったり短かったり例外もありますが)なので、
まさにPSPでお手軽に遊ぶにはぴったりです。
リゼルクロスはお話面ではおおむねよい評価をもらってるみたいです。
では、戦闘とかグラフィックとか、その辺りになるとどうも雲行きが怪しく
なってくるようで・・・。それは次で語ります。