S&W M945 compact (KSC)
え?またガバかですって?  え、M945はガバじゃ全っ然ありませんからっ

M945はS&Wカスタム部門、パフォーマンスセンターで製作されたシングルアクション.45オートです。
コレはコンパクト版でこのちっさいナリから.45口径をぶっ放す強力なコンシールドキャリーガンです。
出た当初「名門S&Wもついにガバコピー作っちまったか」と散々貶されたそうですが、ただのコピーとは
ワ ケ が 違 い ま す。

個人的な感想でいえばガバのトリガー周りの美点を採用した、S&Wシングルアクションオートです。
ええ。ガバなんて全然好きじゃないですけど〜M945はガバじゃないのでいいんです。…。いいの!

えーと。まず一番ガバっぽいところといえばココですがー。
S&Wのオートの歴史は殆どがダブルアクションで、シングルアクションのトリガーメカニズムを模索したときに一番米国で慣れ親しまれ、また切れもよくシンプル構造なM1911の操作性を取り入れたのは別に
コピーやパクリじゃなくて、インスパイアでありリスペクトなんだから。
という訳で、トリガーをガバっぽくするとシアーやスプリングやセーフィティも連動する部分なのでもちろん
           ガ バ っ ぽ く な る の は 仕 方 な い ん で す よ ?
えー。なにコック&ロックだとかグリップセーフティだとか、そこまで似せる必要あったのかって?
あーあー。きこえなーい

ではホントに既存のガバとどこが違うのか。ソレを事細かに分析してゆく事にしましょう〜。
まずは上の新機構スフェリカルブッシング!
命中精度を良くする為、バレルを支えるにはスライドとのタイトなフィッティングが必要になる訳ですが
M1911系はココが難点だった訳です。M1911系ではスライドとバレルの間にブッシングという物を介している訳ですが、スライドとブッシングはきっちり固定できてもブッシング内を移動するバレルまできっちりセッティングしてしまうと作動に無駄なフリクションや、砂塵等での作動不良などを招いてしまいます。
またガバのショートリコイルはバレルが上方へ傾く都合上、縦クリアランスは大きくしないといけません。
 
 つまり。作動を考えるとバレルとスライド(ブッシング)のクリアランスは多少ないといけません。
 そしてそのクリアランスこそが遊びとなり、命中精度をバレルの固定で追求する事が難しいのです。

最近のガバで円錐形状のコーンバレルが採用されるのも、スライド閉鎖時のバレル保持をタイトにし
一旦スライドが下がるとすぐに緩くなって作動に無駄なフリクションを生まないような作りになっています。ですがコーンバレルは理にかなった形状ですが、スライドの寿命を著しく下げる仕組みです。
スライドが前方に戻るときにバレルが噛み合う衝撃をスライドで直接受けるだけに留まらず、タイトで円錐形状の物が出たり入ったりする訳です。クリアランスは次第に大きくなり、その内スライドその物を交換しなければ本来の性能が発揮できない作りです。主に限界性能を欲するレースガンに良く見られますが、
実際の現場で使われているものは寿命の長い通常のブッシングタイプが殆どです。
通常のブッシングはスライドに衝撃は加わりませんし、ブッシングが受け流すような作りになっていてそう
簡単にガタの出る形状でなく、また消耗品と割切り交換すればいつでもリフレッシュする事が可能です。

ところがこのスフェリカルブッシングは、バレルをタイトに滑らかに保持する事が可能なばかりか、
ショートリコイルでバレルが上方へ傾くと、コレを軸にピロボール(ベアリング)の様に動く事が出来ます。
たったコレ一つでスラストベアリングとボールベアリング両方の役割を持っていて、交換も可能です。

上の金色い輪っかが、スフェリカルブッシングです。
輪っかの内側でバレルを保持し、バレルは滑らかに左右に動く事が可能です。
指輪と並べて撮ってみましたw スフェリカルブッシングの真ん中に一筋の線が見えるでしょうか?
その筋の部分こそがスライドとの摺動面であり、その薄い面接触によりバレルを支えています。
外観で目を引くのはこのうろこ状のセレーション。
なんだか見た目に「雅」ですがコレも通常のセレーションより、より指に食い込んでちょっと痛い位です。
それだけスライドを引くときに滑らないって事だと思います。機能が形を決める。カッコいいでありんす。

スライドそのものはS&Wのサードジェネレーションシリーズを加工して使っているようで、後部にはデコッキングセイフティ用の加工痕らしきものが見え、スライド反対側に外部式のエキストラクターがあります。

またグリップパネルが通常のガバの半分の厚みしかない、薄い物が最初から奢られています。
実は薄いグリップは装着にフレーム側加工が必要で殆どの場合採用されませんが、M945は標準です!
更に更に〜。握ったときにハイグリップで握れるようにトリガーガードの根元がえぐられています。
マガジンキャッチの穴ギリギリまで、ここまでえぐるなんてM945くらいな物です。スゴイ!
ロングリコイルスプリングガイド仕様でリコイルスプリングプラグはオミットされています。スマートです〜。
スライド前面は面取りされており、ココも衣類への無駄な引っ掛かりを低減する工夫かと思います。
上記のようにホールドオープンしている状態でも、バレルはしっかり固定されておりガタはありません。

ココまで色々とM945コンパクトの特徴を書いてきましたが。。。
             実はまだKSCのトイガンに特化した事は書いてないのです。
    つまり、KSCは見事に実銃のM945をトイガンとして表現していると思います。
さて! トイガンの話にうつりますー。
KSCのM945の外せない大きな美点として、トリガーフィーリングがあります。
ウチで所有しているガスブローバックの中でそのトリガーフィーリングは最高峰です。間違いなく!
コレより軽いトリガーのモデルもありますが、キレや軽さ、上下ガタの無さ、トリガーの硬質さ。バランス。
ノーマルとしてこれ以上のものはありません。
シアとハンマーは焼結金属が採用されており、トリガーはステンレス、ヘタな社外品以上です。

亜鉛部品は見た目どんなにキレイに磨いてあっても、どうしてもザラツキや鈍さを指に感じるのですが、
ステンレストリガーの指先に伝わるエッジの硬質さとソリッドさ。焼結金属ハンマーの切り立ったエッジ。
滑らかで剛性があるためコントロールしやすい切れの良いシアー。既にカスタムパーツてんこ盛り状態w

更に上の写真にあるように各種刻印はレーザー刻印で、業界一細かく美麗な刻印が施されています。
更にマガジンも見てくりゃれ!!
たしかに今時のマガジンと違いシングルカラムで装弾数も少なく、亜鉛一体型でないので冷えに多少弱いかとは思うのですが、このステンレス外装を身に纏ったマガジンにコレでもかって位細かいS&W刻印

色んな所にKSCの意地が垣間見えるような気がしませんか?フラグシップと言っていい位の出来です。
それでは〜。実際の性能の程はといいますと…。
ココまで手が込んでるのにも拘らず、KSC独特なHOPのせいで命中精度はホドホドデス…。
さらにさらに。
ブローバック性能はがっかりです。ぅぅぅ。KSCはいつもこれだからさぁ…。
作動しない訳ではないですし、ガス消費も少なく燃費もいいのですが22口径かってくらい迫力ないデス。
これはKSCの設計思想によるものなんだと思います。わざと部品形状でガス消費を少なく設定してます。

これが他のメーカーさん並みにガシ!ガシ!動いてくれれば、とっても楽しい一品なんですが…。
実際の動きはカシャン!カシャン!暖めても迫力ある動きにはなりません。最大の萎えポイントです。

この萎えポイントを克服するパーツを作りましたが、色々試行錯誤しました('A`)
それだけM945が好きなんだとおもいんす。
いかがでござんしょ?M945はガバとは違うでござんしょ?ステキでござんしょ?
えー。なになに。やっぱし改良したガバじゃん?って。
だからガバじゃないって言って(略