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  地図   北緯33度52分12.49秒 東経132度48分分09.85秒

  自転車は少し困難。 下伊台町は、標高が160メートル位ある。道後から県道20号線は、歩道も整備されて、道は良い。麓から白水峠まで約4キロ程の殆どは軽い登り坂。

5−10 客王神社  松山市下伊台町

 
神名石 客王神社 1897年 8月 明治30 77才
注連石 天地・一指  同上  同上  同上

 このお宮のある伊台という町は、道後から約6キロ北の白水峠の近くにあります。この峠は、堀江、五明河中(奥道後から今治)、吉藤の街道と交わる交通の要衝です。現在は平地に自動車道路が出来て、ここは静かな山村住宅街です。

 注連石の「天地・一指」の出典は荘子の斉物論にありました。「天地一指也、万物一馬也」。少し高台になった神社の境内から、平和な伊台の里を見下ろしての心境ではなかったでしょうか。

 実は荘子が斉物論の中で述べている「天地一指」は、少し意味が違うようですが、米山は天地賛歌のような意味で使ったのではないかと忖度します。そうだとすると、三島神社(重信)の注連石が荘子の「天地一指」の後に、孔子の「至誠無息」と続くのもなんとなく納得出来ます。一般論的に言えば荘子は儒家の強烈な批判者で、二人の観点は水と油ですから、四字成語も組み合わせが作り難いと思います。

 近くに、薄墨桜で有名な西法寺というお寺があります。そこに米山の書「薄墨桜」があります。本堂の額に飾られているのですが、訪ねて拝見をお願いしたところ快くお許し頂き、写真も撮らせて頂きました。

 

 薄墨の 論旨かしこし 桜かな  虚子

 薄墨や 羊羹もよし 花もよし  けん

 

 

神名石 「客王神社」

注連石 右 「天地」

注連石 左 「一指」

地図
 西法寺の薄墨桜

明治25年、米山72才のときの書「薄墨桜」