川柳、俳句でも17文字にするのはお好きですか?
冬の季語です・・・小春、小六月、小春日和、三寒四温、
寒晴、北風、オリオン、時雨、霙(ミゾレ)、
うつた姫(冬をつかさどる神だそうです)
ちなみに春は、佐保姫(サオヒメ)、夏は、つつ姫、
秋は、竜田姫だそうです。
山眠る、山火事、事始め(12月13日、正月迎えの仕事の始まる日)
蒲団、ちゃんちゃんこ、どてら、ねんねこ、毛布、角巻
ジャンパー、セーター、アノラック、マスク、ショール
熱燗(温め酒は、秋の季語です)、鰭酒、寝酒、餅、盆踊り、月見、
三平汁、闇汁、鯛焼、今川焼、
おでん、風邪、湯ざめ
平成15年
34・来し方や指差す火星秋一日
35・冬の朝背中丸めて運座かな
36・飲むまいと思えど今日の酒月夜
*お月様で6句
37・名月を酒の肴(サカナ)になみなみと(旧8月15日)
38・十六夜(イザヨイ)や厨(クリヤ)を出(イ)でて中休み(8月16日)
39・缶酎ハイ立待月を愛でながら(8月17日)
40・酒に染む暖簾(ノレン)くぐりし居待月(8月18日)
41・酔ひ醒めの胸のふくらみ寝待月(8月19日)
42・ひと寝して更待月(フケマチズキ)や恙無く(8月20日)
43・身ほとりに落葉にからむ瀬音かな
44・落ちるまい落ちるまいとて秋の蝉
45・路地巡る子供神輿の軽やかに
46・汗死んでだらだら坂の残暑なほ
47・今宵こそ虎と飲み干す寝待月
48・はすかひのをみな濡れ染む秋の雨
(10月)
49・窓を開け部屋に薫風曳き入れて(薫風(クンプウ)=夏)
50・身ほとりに寄ること覚え秋の猫
51・虫の音や引きずる足の家路まで
52・日をかへす秋の黒蝶輝けり
53・たまゆらの秋蝶仄と力染む
54・行く秋を足袋の白さが受け止めて
55・冷まじきところ受けたる盆の窪
56・穴蔵の酒場に憩ふ秋の暮
57・一人居の酒のつまみや今日の月
58・恋文のここが思案や懐手
59・寄り添へばをみな(女)かぐはしそぞろ寒
60・看板を消してほつとす十三夜
61・路地裏を抜けて高層十三夜
62・手袋に指の温もり残しけり
63・恋文の筆の重さに懐手
64・恋文の携帯メールくさめ打つ
(11月)
65.酔ひ醒めは初湯に入り迎え酒
66・ 初売りは今年占う葛篭(つづら)かな
67.猫の尾の初日に向かふきまぐれや
68.初手洗指に絡みし抜け毛かな
*立冬が過ぎそろそろ冬の句を
69・四方に開く千手観音冬に入る
70・冴ゆる手の千手観音四方に開く
*入院灰句
71・相部屋の冷たきベッド初入院
72・手術着を被りて待つや隙間風
73・いざ行かん毛布被りて手術室
74・看護婦のかすかに聞こゆ虎落笛(モガリブエ)
75・看護婦に答えし先ずは熱燗と
76・小春日のカーテン揺れて白衣過ぐ
77・乙女子のコートに抱かる見舞花
78・神無月やがて生きめく波動かな
*追句
79・点滴の一滴一秒時刻む
80・黄昏(タソガレ)に死して蟷螂(トウロウ=カマキリ)鎌残す
(12月)
81・極暑かなだらだら坂に影一つ
82・歳暮酒飲み干すほどに朝(アシタ)かな
83・プレゼント解けぬ紐の聖夜かな
84・初電車乗れば空気も付いて来る
85.・春風に誘はれ向かふ酒の駅
86・雪雑り(ユキマジリ)<霙(ミゾレ)のこと>傘に重たき職場行く
(弐月)
328・どっと来て立春大吉渋谷支部
329・重いのは夜の春雪4センチ
330・もの憂いてやがて確かに春の風
(拾弐月)
331・座しても風鳴く窓の隙間風
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
12月24日(日)、六義園、冬季俳句会開催
天気晴朗風は穏やか肌身に少し寒し・・・
*当日の俳句
1.冬空にカラス鳴き群れ明けの光へ
2.静かなる風に吹かるる小さき草(佳)
3.砂利の上ガサガサ歩く落葉道
4.落葉舞ひ鳴くや空には寒烏
5.風に舞ふ落葉はひらり靴に降る(麗)
6.あら楽し浮世忘れて六義園
7.小春日や番ひ(ツガイ)に優し浮寝鳥
8.クリスマスイブにもめげず六義園
9.円すいに飾る雪吊松ツリー
10.足元にちぎり絵描く枯れ紅葉(芳)
11.冬空に烏鳴く鳴き六義園
12.風おして茶屋に置かるる枯葉かな
13.コート着るボタン一つの掛け違ひ
14.彩りの落葉踏みしむ風の道
15.師走空ひこうき雲の滑走路
16.陽をまとい肩を寄せ合ふ番ひ鳩
17.赤海鼠(アカナマコ)切りて冷たき海を見る
18.菰巻(コモマキ)のまだ芳しき縄の締め
以上18句。天は、10番。地は、2番。人は、5番でした。
次回の大会は、来年春の予定です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
332.木枯や窓拭く芥こちら見て
333.冬日浴び街の息継ぐ朝(アシタ)かな
(2月)
345・春立つやカーテン模様日の光
346・履き捨てて恵方を向くや春の靴
347・目刺食う銀舎利味噌汁沢庵
348・銀舎利に白子干ふわふわかけて
349・降りしのぶ今だ雪なく余寒かな
350・背伸びして懐寒く春いまだ
(3月)
351・
摺り寄せて檸檬(レモン)冷たき香を放ち
(10月)
352・己が身を木陰に隠す曼珠沙華
353・からすみを炙ってすする今日の酒
354・ストローで雲をかき混ぜすすぐ秋
355・足跡の消へて雨さす十三夜
356・雀鳴く庇は跳ねる秋の空
357点け忘る逢瀬の宿や秋の暮
358・秋の雨路面電車の轍濡れ
359・秋(安芸)の雨消えて宮島波の音
360・小春日や一キロ超えのモルモット
361・方丈の部屋に籠りて時雨聞く
362・起こすみな天に初雷地に工事
363・囀りの快きかな酔ひの酔ひ
364・日を浴びて弾く枝先剪定す
365・メール打つ花の逆光負ひながら
(4月)
366・風遊び抜けて窓から春コート
367・メール打つ花の逆光包まれて
368・春寒や三日三晩の風邪いまだ
369・腕枕もの憂く春の夢の夢
370・泡沫の夢を絞りし金魚玉
371・神木の影に追はれて春暮るる
372・レースカーテンそよぐ指先風に触れ
373・酔ひ臥して祭囃子の遠く遠く
374・山車通り足の乱れや祭人
375・麗かな美瑛の空からメール打つ
376・北国の一息ついて若葉萌え
377・狛犬の木陰に座る皐月かな
378・鳥つるむ石蹴る先のお邪魔むし
379・狛犬にさやれば動く蟻のみち
380・ついと来て路地を曲って夏つばめ
381・梅雨の日の彩りそよぐインコ買ふ
382・道半ば背中ゆるめて梅雨の蝶
383・中空に羽音残して夏の蝶
384・梅雨晴れや草の枕をくしけずる
385・いまだ今二十五年(トセ)の祝ひ酒
386・蝉鳴くや締め切る窓の隙間から
387・干からびた引きずる足の極暑かな
388・振り絞る汗の噴出すこの身かな
389・背中まで絞れば汗の身は薄く
390・影揺れて爪先上り道炎ゆる
391・靴底にだらだら坂の油照り
392・靴底に響く炎暑のむせ返り
393.妻の膝豊になりてレスカ飲む
394・蝉鳴くや駅に電飾に雑踏に
395・かはたれの夢はおぼろに夏衣
396・目覚めれば触れぬ人肌汗しとど
397・大いなる胸をもたげてスイカ食ぶ
398・風抜けてをみなを残し夜の秋
399・風残しをみなを残し夜の秋
400・仰向けの落ち蝉揺らす室外機
401・落ち蝉の地は冷たきや空を食み
402・布団からほふく前進梨をむく
(10月)
403・つつむ手に味噌汁ほのと朝寒く
404・鳩吹くや鳩の囮になれぬ身を
405・行く秋や街の外れにインコ鳴き
406・紅に染む林檎二つを鞄から
407・風が鳴るインコの羽音今朝の冬
409・巨いなる胸の膨らみ十三夜
410・降れや降れ銀杏時雨の照り返し
411・身ほとりの落葉に絡む瀬音かな
412・秋茄子や焼いて味噌もてもう一献
413・ミリオンの街灯燈す十三夜
414・台風や何処にも行かず煮びたし喰
415・ししおきの椎茸炙る芳しき
416・冬の朝背中丸めて運座かな
417・歩くほど人に近づくそぞろ寒
418・さりげなく人近づきぬそぞろ寒
419・うそ寒や永久磁石の冷たさよ
420・切り株の虚に籠りし落葉かな
421・小春日や湿りし衣の皺残し
422・冬晴れやだらだら坂を上りつつ
423・爪紅で摘んでキッスプチトマト
424・極月や片付け思うことにして
425・トマト食ぶ齢重ねた薄き歯で
426・あいの風透ひた衣を身に纏い
427・雨すする道芳しき落葉かな
428・箱舟に波の穂散らすあいの風
429・雲被る北国街道しまき風
430・コート着る老波増えた手をさすり
431・夕立や皆んな空見る雨宿り
432・散る花やそれぞれ向かふ風の道
433・夜桜の香り求めて風の道
434・風花を乗せて重荷の陰を曳き
435・街ビルに凭れては消へ寒の月
436・酒を酌(ク)み仄(ホノ)と紅染む雪見舞ひ
437・啓蟄や葉擦れの音は野の目覚め
438・染み一つ増えて暖簾の去年今年
439・冬笹の四方に向かいて空を指し
440・雪吊りの風のハープに流れをり
441・一息の風に召されて落葉降る
442・落葉鳴る瀬音微かに消へにけり
443・居を止めて枝垂桜の冬忍び
444・窓を打つ落葉時雨の朝(アシタ)かな
445・振り向けば山茶花散るや今日の宿
446・潜り戸を抜けて木枯し六義園
447・気を散らすチャクメロ歌う寒烏
448・菰巻のまだ芳(カンバ)しき縄筵
449・さざなみや落葉の波の風遊び
平成20年
450・初春やみくじ大吉当たるまで
451・また一つ暖簾(ノレン)の擦れや去年今年(コゾコトシ)
452・啓蟄や葉擦れさやけき野の目覚め
453・後朝(キヌギヌ)や布団くるくる夢ん中
454・春の雨空に繋いでメール打つ
455・湯上りは肌に花咲く蜜柑風呂
456・軍靴鳴る雪降る社建国紀
457・のっと出て月白々と春の山
458・現れてのそと日輪春の海
459・雁風呂へ月を残して出でにけり
460・雁風呂へ月を忍ばせ窓を背に
461・神の木に降りて淡雪虚空から
462・告白はヴァレンタインデー薔薇一輪
463・春を見に笑顔優しき人に逢ふ
464・嘘泣きは携帯電話春の雨
465・メール待つ風の悪戯春帽子
466・シャンソンを聞く雪降る街の足音
467・しばれてもしばれても郷に暮すも
468・酒(ササ)利いて仄(ホノ)と紅染む雪見舞ひ
469・コート着る釦(ボタン)一つの掛け違ひ
470・街ビルに凭(モタレ)れて消へし寒の月
471・恙無く(ツツガナク)仰ぐ日輪初三十日(ハツミソカ)
472・中天に仰ぐ寒月指に止め
473・熱燗や五臓六腑に辿り着き
474・紅唇(コウシン)を隠す白息吐息かな
475・付き合いは酒と肴(サカナ)とメル友と
476・万華鏡冬灯にかなふ星明り
477・風呂吹きや箸にほろりと崩れけり
478・紅唇や白き吐息に掻き消され
479・マフラーを指に絡めてメール打つ
480・仮宿は忍ぶ恋路の冬籠
481・風ゆらぎ急ぐ女(オミナ)に雪添ひて
482・風そよぎ急ぐ乙女に雪は舞ふ
483・消しながら爪先上がり雪の宿
484・降る雪や忍ぶ恋路は仮の宿
485・化粧するかそけき街の雪模様
486・木枯しや入れて吐き出す大海鼠
487・香を放つ脱いだコートをままにして
488・風花やびんのほつれのたまかづら
489・二つ身の相合傘に雪時雨
490・一つ身に傘は重たき雪時雨
491・薄雪や月皎皎と銀の道
492・出窓から陽に誘われて雪しずれ
493・待ち人はドアに音なす雪しずれ
494・忍ぶれど音なす扉雪しずれ
495・日溜りに番ひ(ツガイ)誘はれ浮き寝鳥
496・風誘ひ集ふ日溜り浮き寝鳥
497・熱燗や寒露寒露と今日の糧
498・膝つめて羹(アツモノ)摘む雪見酒
499・風ゆらぎ傘に顔出す雪月夜
500・風花の遊ぶ虚空に留め置きて
501・風花や触れて梢の花とせり
502・風花を乗せて重荷を解(ホド)きけり
503.酔ひ醒めて見上げる先の冬の月
504.冬月夜快速電車通過駅
505.左党かな煮凝つまむ箸の先
506.咳をして仄と紅さす微熱かな
507.後朝の寝屋に忘れし冬帽子
508.温もりは吐息を包む掌
509.スコップの逆光にして今朝の春
510.冬薔薇路傍の石に崩れ落つ
511.彩りの落葉踏みしむ風の路
512.大家族籠からこぼる桜餅
513.燭の火を消して窓開く聖夜かな
514.風ゆるみ天狗目覚めて山笑ふ
515.木枯しや水面に映る月を食む
516.あえかなる蝶は三途に迷ひこみ
517.冬籠りがばりと起きて酒を酌む
518.冬籠り壁に凭れてメール打つ
519.夜もすがら烏鳴かなむ冬の月
520.風誘ひ虚空に遊ぶ細雪
521.セーターを編めば転がる毛糸球
523.セーターを大きく編んで二人入る
524・雨吸って落葉筵の芥かな
525・夕立や傘さす人に寄り添ひて
526・緑蔭やソフトホォーカス雨上がる
527・ぼけ抜けてこの世の猫は日向ぼこ
528.廃屋にざらつく風や桐一葉
529・木枯や子を持つ母の強さます
530・木枯や逃げた衣はまろまりて
531・春雨やほつれた髪の雫から
532・夕立やぼけて傘置く何処やら
533.井戸水にトマトくぐらせ波の花
534.痩せ我慢土鍋頭に土用灸
535.冷房室外機熱風にして立つ
536.緑陰に風の音きく梢から
537.足早に鞄抱えて師走かな
538.朱に染めて土用波打つ大鳥居
539.冷房のきいて囁く談話室
540.夕立やほつれし髪の濡れたまま
541.夕立や逢瀬の宿の別れ際
542.緑蔭や木漏れ日揺らす風の波
543.緑蔭や風立つ毎にざわめいて
544.緑蔭やざわつく風に揺らぎおり
545.緑蔭や揺らめく風に日を散らし
546.もぎたての塩はらはらとトマト食ぶ
547.なぞるほど暦の果ての軽さかな
548.泉湧く水分石(ミズワケイシ)に見送られ
549.岩音は水面にかえす蝉時雨
550.一人居の傘に染めたる梅雨に入る
551.洗はれて揺らす草葉や夏の雨
552.一と日ごと名残の花を愛でにけり
553・筆を執り一つ咳する恋のぶれ
554・手袋をぬいで恋文メール打つ
555・部屋に入り気早かにぬぐ手袋
556・語らひは熱燗囲み夜もすがら
557・夜もすがら雪見る窓に顔映し
558・夜もすがら加減乗除や受験前
559・焼き網に炙る棒鱈火に染まり
560・棒鱈を酒に浸して食む齢
561・炙る烏賊呷る熱燗恋もんもん
562・片膝を立てて足袋先素足延ぶ
563.置き去りの携帯電話鳥雲に
(4月)
564・葉はままに剥がしてままに桜餅
565・残寒を宿す鉄路に杭を打つ
566・初虹や谷内六郎連れて来し
567・濡文をしたため仰ぐ春の月
568・水温む月を揺らして行潦(ニハタヅミ)
行潦・雨が降って地上にたまり流れる水、水溜り
569・花散るやそれぞれ向かふ風の道
570・風神の一つ咳する花吹雪
571・夜桜に曳かれて香る道標
572・白波の寄せ来るごとく花の塵
573・雨に染むはだれ桜の紅仄(ベニホノ)と
574・花の屑地に誘はれて雨に伏す
575・疼く歯に先ずは温まる海雲汁(モズクジル)
576・一と日毎はだれて残花葉を前に
577・砂山にそぼ降る雨の春の宵
578・行く春や夜会の調べ窓辺から
579・砂山に消えてトレモロ春の雨
580・日に染めて布団を被る今朝の夏
581・闊歩する渋谷の乙女夏来たる
582・脱がされてサマーコートの渦の中
583・茜さす頭もったり風邪ん中
584・洗はれて草葉を揺らす夏の雨
585・一人居の傘は冷たき梅雨に入る
586・夏蝶は風に押された道標
587・招かれて紫陽花通り菓子横丁
588・よそゆきの花を鏡に夏の蝶
589・はふはふと山椒降らして鰻食ぶ
590・羽ばたけば風に震える極暑かな
591・片陰に背黄青鸚哥(セキセイインコ)呑まれけり
592・青空を掴み掛けたる蝉の殻
593・空蝉や陰を残して明日を待つ
594・三脚を片すのもさま剪定師・剪定は春の季語ですが
595・夕立を過ぎて都電の鉄路踏む
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8月10日
1・秋立ちて30度届かぬ空やっと (真)
2・アルデヒド汗と噴出す熱帯夜 (真)
3・東京の空を荒して雷雨かな (中シー)
4・盛夏の日出待ちの蕾待ちぼうけ (貴)
5・汗かいて栓抜く音の涼しさや (真)
6・献花する黄菊白菊原爆忌 (中パパ)
7・一泡や喉で忘れる痛風か (真)
8・泉湧く水分石(ミズワケイシ)の音なして (マスター)
9・蜻蛉や不可視の道を飛び行けり (中シー)
10・蝉の声かけ声のよう生まれし日 (貴)
11・岩音は水面にかえす蝉時雨 (マスター)
12・雲動く残暑厳しき昨日今日 (中パパ)
13・秋立ちてなお気炎吐く百日紅 (真)
14・夜もすがら呷るビールの恋忘れ (マスター)
15・散歩して汗ばむ肌に蚊の羽音 (貴)
16・缶ビール覗けば揺れる金の闇 (中シー)
17・もろもろの亡き者の声法師蝉 (中パパ)
18・くぐり門抜けてしとどに蝉時雨 (マスター)
19・秋蝉よ忘れていずや羽化の夜 (真)
20・野に帰る母の顔に化粧して (中パパ)
21・忙しさに心待ちする帰省かな (中シー)
22・魚群れの水のさざめき一時の涼 (貴)
23・片蔭に消えて一人の影法師 (マスター)
24・お茶っ挽き色香お手上げ五輪の夜 (真)
25・落ちるまい落ちるまいとて秋の蝉 (マスター)
26・六義園最多住民油蝉 (中シー)
27・水面(スイメン)に輝く陽射し鯉の水面(ミナモ) (貴)
28・飛び石を伝って響く蝉の声 (真)
29・うなぎの碑大潮の海見下ろして (中パパ)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
596・片蔭に押されて消える影法師
597・背なに負ふ葉擦れ伝ひし盆の風
598・盆の風木立吹き抜け火山灰(ヨナ)の村(火山灰・よなと読むそうです)
599・酔ひ醒めて取り残されし盆の汽車
600・故郷は浅間の峰や盆の道
601・沈酔や彼岸此岸も秋の夢
602・一粒の零れしままに葡萄食ぶ
603・木枯や酒酌む宵の仮の宿
604・風祭り揺れて木枯し縄のれん
605・凩や暖簾絡めて風祭
606・葉をままに剥がしてままに桜餅
607.大き葉を剥がし見とれる桜餅
608・落ちるまい落ちるまいかと秋の蝉
609・片蔭に消えて一人の影法師
610・くぐり戸を抜けて噴き出す蝉時雨
611・夜もすがら呷るビールの恋忘れ
612・落葉して隣の窓を盗み読み
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・12月23日開催
の句を載せます・・・一人六句づつ
1・主居ぬ牛舎の梁に鳩眠る
2・野良猫とうつらうつらと日向ぼこ
3・日向ぼこ猫と陣取り猫の勝ち
4・目を開けて移動してまた日向ホぼこ
5・熱燗をゆるゆるなめる二日酔ひ
6・我輩は猫に生まれて日向ぼこ
7・短日(ミジカビ)が落ちて大河は光りけり
8・燗酒や最後の一滴温かし
9・石の上一つ年取る亀うつら
10・チン鳴れば銚子持てぬが燗温し
11・ぐつぐつとぐつぐつの間に燗酒
12・老警備夜鍋うどんをすすりけり
13・日向ぼこ湯飲みの中は燗酒なり
14・カサカサと冬草たちの小声聴き
15・年の暮れ日向ベンチも超満員
16・夜更けても浮かぶ白雲照らす寒月
17・うなじから仄(ホノ)と紅染む雪見酒
18・熱燗で心身ともに暖を取る
19・萩にきて萩の落花や風寒し
20・冬の陽に眩しく揺れる冬紅葉
21・熱燗の湯気越しに見る君の顔
22・小春日に時忘るるや六儀園
23・飛雪の見上げる先に日の明り
24・参道は落葉時雨の風の道
25・しぐるるや届く身の丈指の先
26・老犬よ耳先ピクリ日向ぼこ
27・鳥、さかな、人、緑、空、日向ぼこ
28・戯れ言を呷る燗酒三合目
29・カラス蹴り静かに波立つ冬の水
30・いささかの体力尽きて初彼岸
31・「緑川」を燗する間葱刻む
32・北風や今年も腹巻松の幹
33・早朝のパソコンたちの日向ぼこ
34・待ち詫びて熱燗すする仮の宿
35・冬瓜の転がりをりぬ過疎の村
36・熱燗をまづはの一杯に置き換える
以上36句
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・*平成21年新しく初めますか?今年は、613番からです。
613・時雨聞く一箱毎の街の部屋
614.街の灯や濡れて蔭さす夕時雨
615・街の灯に濡れて影さす冬の雨
616.コート着る取れた釦も気にもせず
617・凛として触れて胎動冬木立
618・風惑ひ舞ひ来る雪の定めなき
619.だらだらとおでんとお酒うだうだと
620.夜もすがら呷るビールに恋忘れ
621・余るほど肩にくるまる春ショール
622・初春や一献語る酔ひ日和
623・乳飲み子の初日を浴びて抱かれし
624・手をかざす消える炭火の温もりに
625・追ふ影は己が片割れ春の月
626・迷ひ雲隠れ壊れし月朧
627・うづ高く花の屑おく風土産
628・風上の花より衣移ろひて
629・痩せ衣振り切る花の梢から
630・風を連れ飛花はあまねく空に触れ
631・一片の花の土産は窓辺から
632・一片の花を窓から招き入れ
633・袖に降る花の遊戯(イタズラ)蝶に化し
634・語る身や五十猶予の昭和の日
635・浮かれ身に打たれくすぐる春の雨
636・片付けた顔にゆるりと南吹く
637・頬杖を着けば机上に一滴の汗
638・どっと汗透けて溺れる溢るむね
639・傷跡も涼しくなりし隙間風
640・夜明け前酔ひ取り戻すビールかな
641・朝ぼらけ別れ間際に汗しとど
642・氷溶けアイスコーヒー忍び部屋
642.引力はアダムとイブの落し文
643・雀の子いづこに隠る水車小屋
644・一人居のアイスコーヒー氷消え
645・東雲の汗の別れの一雫
646・落ちるまい落ちるまいとて秋の蝉
647・足取りは南風に押され家の路
648・昇降機抜けて押し出す五月闇
649・大いなるトトロ飲み干す冷し酒
650・風死してだらだら坂に影落し
651・風揺らぎ薄めて汗を手水鉢
652・家宅から月下美人を携へて
653・大いなるあくび優しき月下香
654・膨らみはをみな一人の月下香
655・留め置きし月下美人を写メールに
656・月下香刻む一夜の逢瀬かな
657・開き染む月下美人を風に止め
658・人揺らぎしおれて一夜月下香
659・風触れて月下美人の揺らぎかな
660・受け止めし身を知る雨を月下香
661・身体ごと南風に押され辿り道
662・夏蝶の風なすままに風に消え
663・夏蝶の風になづさふひとところ
664・袖ふるる化粧こぼれし夏の蝶
665・軽き身をなほ日にかざす夏の蝶
666・数へつつ残る暑さを背なに負ひ
667・身を置けぬ夏蝶ほろと日に零れ
668・風揺れてすすぎし汗を手水鉢
669・咲き初むる月下美人を風に止め
670・刻む音に燃ゆる白蝋女王花
671・大皿に紫紺盛られて秋の茄子
672・落花生一ツ時炊いて味ほろろ
673・大皿に紫紺残して秋の茄子
674・手のひらの生命線に枯葉落つ
675・ビル間からいざよう月のかげろひて
676・月揺れて透ひた衣に顔映し
677・かざすてはまぶしき良夜消すしぐさ
678・月ゆれて透ひた衣に影うつし
679・ビル間からかげろう月のかげろひて
680・誘はれて立待月を目に追ひし
681・待人は茶房にかかる居待月
682・一夜かる宿は逢瀬の寝待月
683・いくたびも追へば此岸の無月かな
684・独り言たれに言いやる雨月かな
685・巣籠りや雨はどっさり台風来
686・独り言たれに言ひやる十三夜
687・触れまいぞ寄らば刺すとて栗のいが
688・御福分け炊いて栗飯夕餉かな
689・柿剥いて艶良き皮をまろめたる
690・天高く弾む影踏み野面(ノモセ)かな
691・空高く染まる青さは梢まで
692・朝寒し好いた咲酒(エグシ)の醒めるころ
693・肌寒く吐息求めて街中に
694・押し当てて来たる明日聞く冬木立
695・ため息は雨にまつはる秋の暮
696・跳ね兎毛玉残して軽く逝き
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
12月23日
1・クリスマス二人連れなる人を見る(酔仙)
2・五重塔もみじ見下ろす京の暮(中)
3・白い指蜜柑の皮をはいでゆく(*)
4・すれ違う肩の先から蜜柑香(十四代)
5・公園を走る犬の息も白い(十四代)
6・青空を凍る富士山冬岬(司牡丹)
7・凛として触れて体動冬木立(酔楽)
8・ウトウトとおこたに蜜柑時過ぐる((司牡丹)
9・路地中ばおじぞう様は風の中(中)
10・寝そべって流れる星を数える夜(司牡丹)
11・酔ひさましふと気が付けば年も暮(*)
12・三日目は新巻焼いて白い飯(酔仙)
13・コート着る取れた釦をにぎりしめ(酔楽)
14・恋しくて勤め帰りのおでんかな(司牡丹)
15・冬木立切り絵みたいな夕焼け一つ(十四代)
16・仏陀道雪に閉ざされ合掌す(中)(地)
17・しばれると娘帰らぬ北の正月(酔仙)
18・振り向くと冬木立には細い月(十四代)
19・風惑ひ舞ひくる雪の定めなき(酔楽)
20・ふーふーとアツアツおでん心溶け(司牡丹)
21・押し黙る窓の向かふの冬木立(*)
22・はだか木に見え隠れする京の寺(中)
23・リフトなら影あざやかな冬木立(酔仙)
24・躓ひて暦の果を押しとどめ(酔楽)
25・落葉路この世の温み踏むごとし(中)(天)
26・おでん吹く口許見やり目を伏せる(酔仙)
27・だらだらとおでん酒酌むうだうだと(酔楽)
28・手を広げ抱えきれない冬銀河(司牡丹)(人)
29・かき集め枯葉ベッドにダイブする(十四代)(人)
30・はげ頭ふとんに隠す冬の朝(*)
31・露天の湯蜜柑浮べて月揺れて(酔仙)(天)
32・おでん煮て後は酒の来るを待つ(*)
33・六義園外は賑やか冬木立(中)
34・冬椿暖かき空に青に紅(司牡丹)
35・徹夜明けコンビニおでんと月見上げ(十四代)
36・筆を持てにはか俳人蜜柑食ぶ(酔楽)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
*今年は、697番からです。
697・大いなる寅の尾を食む嫁が君
698・片蔭に消えて一人の影法師
699・襟立てて一縷の風を押し止め
700・かじかんで結ぶみくじもままならず
701・霜焼けや徒党を組んで鳩の足
702・枯枝も折れぬ軽さや家兎
703・枯枝も折れて脳刺す酔死かな
704・とろとろと美酒におぼれし春の夢
705・総員帽振れ花より先に逝く
706・初桜迎へる先の吐息かな
707・名残雨濡れてあやなす花の塵
708・香りたつ素足のをみな闊歩して
709・箸を持て千手観音冷奴
710・片蔭に溶けて切り絵の
711・うつらつら桃源郷は冷酒池
712・素足たつ風透き抜けて波髪かな
713・ああ暑い仏の顔も三日まで
714・凌ぎぬく蝉の初声聞きながら
715・蚯蚓這う地上の楽園探しつつ
716・頑張れば足がつる体育の日
717.虫の音も二つに別る鉄路かな
718.たそがれて兎の耳は日向ぼこ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
12月23日
1.障子貼る父の背中の丸きかな
2.叱られて隅を破った障子かな
3.なぞるほど暦の果ての軽さかな
4.病みし子とながめる障子あたたかし
5.昼過ぎの目覚めまぶしき白障子
6.手袋の代りにキミのあたたかさ
7.深酒と雑煮の果ての肥満かな
8.汲汲の心を溶かす柚子湯かな
9.君の右私の左は手袋いらず
10.温き夜とラジオは告げる初春や(天)
11.冬薔薇路傍の石に崩れ落つ
12.左右手袋かえるうれしさよ
13.障子越し古池に散らす枯葉かな
14.初春を迎へるまでのせわしなさ
15.障子越し酒盛りの音遠くなり
16.小春日にさぼりに出向く喫茶店
17.雑煮食べ今年も長いお付合い
18.久々の街に飛び交う雑煮自慢
19.温もりは吐息を包む掌
20.雑煮食う男独りも佳き夜かな
21.珍しいマフラーのキミ可愛くて
22.初夢は富士の噴火で茄子を焼く
23.手袋を借りる君のぬくもりごと(人)
24.6度C手袋ごしに伝へ合ひ
25.スコップの逆光にして今朝の春
26.夜明けより輝く銀杏の落葉かな
27.初春や今年こそはとみくじ引く
28.障子開く上は椿と下落葉
29.他人様の拍子ただ聞き酉の市
30.香るほど一縷の風や障子開く
31.ベリベリと破りし障子母想う
32.初春やなつかしき顔あたらしき顔
33.揃ふ朝家族の温もり雑煮から
34.白障子心の中も白障子
35.アパートの鉄扉も磁石で注連飾(地)
36.伸びおれば縮みもありし雑煮かな
37.雪もまた良いはと手袋渡す君
38.編み掛けの手袋古着と年を越し
39.酒飲みの父の雑煮はしょっからい
以上39句でした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・