北の方でも梅雨入りの知らせが届く水無月を迎えました。この時期は食中毒に注意をしなければなりません。焼肉屋へ出かけても安易にユッケなどへは手を出さず、焼き加減もカリカリ・ウエルダンくらいが妥当のようです。「そんなんちっとも美味しくないやないの!」という御仁をお止することはできません。しかし誘惑に負けそうになったときには、「土俵の鬼」と呼ばれたかつての名横綱の言葉を思い出してみてはいかがでしょう。当の相撲界では、一足先に実践しているのかもしれませんが。
ところで、与謝野経済財政大臣から5月の月例経済報告が提出されました。基調判断は2カ月連続の「景気は弱い動きとなっている」でありました。個別項目においては設備投資、住宅建設、企業収益の3つが下方修正されたようです。全ては東日本大震災が原因とされています。詰まるところは、生産の回復が遅れていることや電力供給の問題が大きいのですね。政府は復旧を早めるために、企業などの二重ローン対策として一次補正予算を打ち出してはいますが、政局で混乱している状況に鑑みれば、効果のほどはいかがなものでしょう。
また、G8に出席したわが国の首相は、2020年の段階で自然エネルギーの割合を20%にするという国際公約(?)を表明しました。原発事故で責められている最中、「出来もしないことを、またまた苦し紛れに思いつきで言っている!」という声が聞こえてきそうです。しかし、「日本のエネルギーは原発なくして成り立たない」などの本音がまかり通らないことを忖度し、ここは素直に受け止めるべきかもしれません。「太陽電池の製造費を1/3にする」などの仰せに注目すれば、かなりの財政出動が期待できるかもしれませんから。これはこれで問題ですが。
一方で、ある被災地では『キャッシュ・フォー・ワーク』の考え方を採用し、被災された方々が自ら、とりあえずの復旧に率先して取り組んでおられることをお聞きします。これなら励みも一層増すのだろうなと思えます。とにもかくにも後手後手に回っている永田町と霞が関の面々には、被災地の方々の要求をマル飲みするくらいの気概を見せてほしいものです。今、まさに困っておられる方々のために法律に血を通わせ、国民の公僕としての真価を発揮してもらいたいと思います。「これもダメ、それも無理」では、失望と怒りしか残りません。
さて、一日も早い復興を願って止まないのですが、そのカーブはV字なのかU字を描くのかで大きく異なってきます。サプライチェーンの復活をはじめ円高や原材料費の高騰など、多くの問題も山積しています。また、EUにおける財政危機状況にある国々の動向によっては、世界中を揺るがす大惨事が起こる可能性も否定はできません。一つ間違えば、一気に超インフレへと突き進んでしまうリスクが拡大しているように思えます。実際、弊社の受注においても大きな陰りが出始めています。
しかしながら、こんな状況であればこそ、工夫と精勤を尽くした本来の「ものづくり」に徹したいと思います。そうすることで、一日も早い復興にも寄与できるのではないかと考えています。まさに「人間辛抱だ!」です。
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