技 術 集 団 伴 化 成 本文へジャンプ
粘 技奉 Up !

伴化成では、プラスチック精密射出成形での「ものづくり」には、頑固なまでのこだわりを持って取り組んでいます。
成形機が7台しかないのに、フッ素やスーパーエンプラの取り扱い原料が40数種類に上っています。

困難には粘り強く向き合い、弛まぬ技術の向上に精進し、お客様のご要望には奉仕の精神を持ってお応えすること

“ Never give up ! ” に倣い
このように決意しています。
<<前のページ | 次のページ>>
2009年6月1日(月)

「シリーズ 苦労しまんな〜!」の開設にあたり

政府、日銀ともに、景況判断を上方修正しました。自動車などの在庫調整がひと段落したことや、中国での経済対策を睨んでのことのようです。業態によって事情は異なるのでしょうが、弊社においては「ホンマカイナ」と半信半疑なのです。皆様にはいかがでしょうか。

 外需頼りになり過ぎているわが国の産業構造が、そんなに簡単に変更されるとは思えませんし、昨年のノーベル経済学賞を授与されたクルーグマン博士に揶揄された定額給付金をはじめとする政府の景気対策も、単なる一時しのぎのバラマキに終わって景気回復までには至らないように思えます。

 そして極めつけは、将来受け取る年金が、誰かさんが約束をした「現役時の50%」に満たないという厚生労働省の試算発表です。行く行くの収入が減るのに散財をする国民がいるでしょうか。定額給付金は借金の返済や貯蓄へと回されるでしょうし、減税対象のハイブリット車やポイント電化製品も劇的な消費拡大には結びつかなくなるような気がします。一体全体どうすれば良いのでしょうか。

 落ち込んでいても仕方がありません。弊社では、皆様に喜ばれる「ものづくり」に邁進するのみです。そのためには、もっともっとご理解をしていただかなければなりません。それでというのも何ですが、今までの経験を生かして「シリーズ 苦労しまんな〜!」を始めることにしました。

 射出成形にもNGは付きものですが、それを克服してきた方法や手段、考え方などを発信し、「伴さんとこで、これはできるか?」というポジティブな興味を喚起していただこうかなと考えました。「そんなことは判ってる!」と思われることも多々ございましょうが、ご感想やご意見を頂戴できましたら、具体的な製品での詳細説明をさせていただき、より一層のご理解を賜りたいと存じます。ご多忙のところ恐縮ですが、「お問い合わせ」タグをクリックしていただき、アクセスのほどをお願い申し上げます。

 弊社は「ものづくり」を追求します。「 粘・技奉・Up NEVER GIVE UP !」です。

2009年6月1日(月)

シリーズ 苦労しまんな〜! 

第1回 ボイド

ボイドが発生するのは、射出成形時における製品表面と内部の樹脂温度差によることがほとんどだと考えています。具体的には、このような経緯になるのではないでしょうか。

まず、射出された樹脂は金型の製品表面部に保持圧で押し付けられて硬化が始まります。次に内部の樹脂が硬化を始めるのですが、肉厚の大きな製品はなかなか硬化が完了しません。その状態のままで取り出された製品は、未だに硬化しきれていない内部の樹脂が製品表面側に引っ張られることになり、空間が発生してボイドとなります。

対策としては、製品設計段階において、肉厚の大きい部分を出来得る限り無くすことが肝要です。射出成形における成形条件で回避する場合は、残念ながら完全な方法は無いように思われます。無理に直そうとすると、製品には違った形での不具合が必ず発生します。以下の方法はバリやソリの原因となりやすいので、くれぐれもご注意ください。

冒頭で述べましたように、ボイドは内部の樹脂が外側へ引っ張られることで発生します。そこで逆の発想をして、出来るだけ金型温度を上げて、外側の樹脂を内側に引っ張らせるようにします。そうすることで、とりあえずはボイドを回避することはできます。しかし、成形技術者ならご存知とは思いますが、必ずヒケが起きます。少しぐらいのヒケで問題にならなければ良いのですが、ほとんどの場合はお客様からNGをいただきます。従って、ヒケ解消のために強い射出圧力をかけ続けることになります。ボイドやヒケからは解放されるかもしれませんが、今度はバリの心配をしなくてはなりません。あちらを立てればこちらが立たず。要は、如何にそれぞれのバランスに配慮をするかということになり、技術者の腕の見せ所となります。ただし金型の負担が大きいので、無理は禁物であることは言うまでもありません。

ご参照いただけましたか。日々精進。「 粘・技奉・Up NEVER GIVE UP !」です。

次回は、樹脂収縮以外のボイドについて述べてみたいと思います。


このコラムについてのご意見やご要望、加えて弊社へのご依頼事項や製品見積り案件などがございましたら、「お問い合わせ」をクリックしてメールをご送付ください。直ちに対応させていただきます。

 



 

Copyright(c)2007.Bankasei