<CD - Classic #S02>
「ボレロ・亡き王女のためのパバーヌ」

私の中でラベルの曲と言って最初に出てくるのが今回ご紹介する「ボレロ」です。 もちろん以前から知っていたし聴いたこともある曲でしたが、20年ほど前に見た映画、「愛と哀しみのボレロ」が大きな影響を与えているかもしれません。この映画を見てからは好きな曲の一部になった感じがします。その後に演奏を選んだり評価する基準として、この映画のラスト・シーンをオーバーラップさせ、より色濃く頭に浮かんでくること、その雰囲気により合うことをしばらくの間重要な要素になっていました。単純なメロディーとリズムの繰り返しなのですが、何故かあのゆったりしたリズムに気分が穏やかになり、そして徐々に盛り上がっていき最高潮に達したところで終わるのがいいですね。でも、演奏する方には結構大変なのかもしれません。最初のほうでの木管楽器のパートなどは選ぶほうのこちらとしてもその音の質感は重要な判断基準となるので、かなりシビアに聴いてしまいます。      by Masa



CD Player Comments
The Philadelphia
Orchestra +
Eugine Ormandy
1972年2月録音
こちらはちょっとリズムが早い感じで最初から少し緊張感を持たされる感じがします。しかし非常にオーソドックスな感じでとってもスケールが大きくてやっぱり大きなホールでの演奏を聞かされている感じがします。これもとってもいいですね、音の柔らかさもあるし。各パート感のバランスはとてもいいですね。一つのリファレンス的演奏だと思います。それぞれのパート毎の演奏はどれ一つとってもきっちっとしていて、何処にも破綻をきたさないような安心感を持って聴ける演奏だと思います。

亡き王女のためのパバーヌでは非常にオーソドックスな演奏です。とってもスケールが大きくて大きなホールでの演奏を聞かされている感じがします。これもとってもいいですね、音の柔らかさもあるし。ちょっと古い演奏ですが、とってもいい音が出ている感じがするし、バランスもとてもいいですね。一つのリファレンス的演奏だと思います。この辺はワルター+コロンビア響の演奏と通じるものがありますね。古い演奏が常にいいとは言えないけど、何故かほっとします。
好みの問題なんですが、気分によって両方とも欲しい気がします。
London
Symphony
Orchestra +
Andre Previn
リズムのゆったり感はこれが最高と言う感じがします。くつろいだ気分で聴ける感じがします。やっぱり前曲と同様に、何か魅力を感じて演奏に引き込まれて聴き入ってしまいます。他とは違う世界が目の前に広がる感じがします。但し、盛り上がってきた時のバランスはもう一息といった感じがします。それがちょっと不安定さを出し独特の雰囲気を生んでます。この癖というか雰囲気はよくイギリスのオーケストラで感じるものなんですが・・。個人的には好きなんですが、万人向けとは言えないかもしれません。好きな人にはとっても魅力的なんですけどね。とっても家庭的というか小世界での魅力があって引き込まれて、プライベート・ルームで目の前で演奏されている気分はこちらのほうがいいですね。
亡き王女のためのパバーヌでは、プレヴィンの新めの曲の演奏は相変わらず、何か魅力を感じて演奏に引き込まれて聴き入ってしまいます。他とは違う世界が目の前に広がる感じがします。個人的にはとっても好きなんですが、万人向けとは言えないかもしれません。好きな人にはとっても魅力的なんですけどね。もう一枚のオーマンディーの演奏を聴いちゃうと、スケールが小さい感じがします。この感覚はモーツァルトのアイネ・クライネの時のベーム+ウィンフィルと同じような感じですかね、とっても家庭的というか小世界での魅力があって引き込まれるんですが、スケールの大きな演奏を聴くと、そちらのほうが普通のオーケストラの演奏じゃないかと感じてしまう。でも、プライベート・ルームで目の前で演奏されている気分はこちらのほうがいいですね。
Swiss RomandOrchestra +
ErnestAnsermet
今までの経験からして、いい演奏と思われるのは、アンセルメ+スイス・ロマンドの演奏でしょう。但しこのオーケストラのCDは録音がデッカ・ロンドンとの相性もあってか、いつも音が硬めに聴こえてしまいます。非常にリズム感のよい演奏を聞かせてくれるのですが、鋭い音の出方のするところがあり、それが硬めの録音との相乗効果で硬い再生音になるようです。LPではデッカのカートリッジやEMIのスピーカーを組み合わせると柔らかさも出ながら鋭さを残すと言ったようにうまく再生されるのですが、CDでは真空管式のバッファー・アンプを使ってどこまで本来のDECCA録音の実力が出せるか・・。 EMIは使ってみたいですね。
小沢征爾指揮 ・
ボストン交響楽団

Charrles Munch+
Orchestra deParis
作曲者と同じ、フランス人指揮者とフランスのオーケストラでの演奏。
DanielBalemboim +
Orchestra deParis
作曲者と同じ、フランス人指揮者とフランスのオーケストラでの演奏、現代版。
Lorin Mazel +
VienaPhilharmonicOrchestra

カラヤン指揮 +ベルリン・フィル
ラベル・ドビュッシー

アンサンブル・ウィーン=ベルリン
亡き王女のためのパヴァーヌ・ビリティスの歌等
ビリティスの歌では女優のカトリーヌ・ドヌーブが朗読をしています。
SamsonFrancois  (Piano) マニアックという人もいますが、フランソワのピアノは相変わらずいつ聴いても素晴らしい。このCDでは特に私の好きな曲が並んでいるので、全体的にも満足です。「逝ける王女のパバーヌ」、これも好きな曲の一つです。後年、ラベルはこの曲の管弦楽用に編曲したものを発表しています。管弦楽のものも好きですが、このフランソワの演奏では、ピアノ一台で弾いているにもかかわらず、管弦楽の必要性を感じさせないところが凄い。この曲のよさを本当に引き出している感じがします。