<CD - Classic #S01>
「SCHEHERAZADE」
カラーリング(色彩豊かな)のあるオーケストレーションで目の前に映像を浮かび出させてくれるような曲が好きですね。 この曲もその代表的なもののひとつです。有名なアラビア文学「千夜一夜物語」を題材に、ロシア国民学派・5人組の一人リムスキー・コルサコフによって作られた曲です。彼の作曲した中でも代表的な曲でしょう。 あくまでも威圧的な「王の主題」と対照的な優しさに満ち溢れた「シェラザ−ドの主題」が絡み合って物語をすすめて行く。ラストに近づくにつれその二つが融合しあい、威圧的なものから優しさを含んだ力強さに変わって行くという、スト−リ−を感じさせる流れのある曲です。東洋的な色彩を盛り込んだ美しい旋律が多く含まれています。特に、第三楽章では冒頭の弦による旋律に管楽器が絡んできて、甘美なまでの美しさを表現しています。全体を通して一番美しい部分と言われています。このあたりが好きな人は心の中でロマンチックなものを求めている部分があるのかも・・。私もこういうのは結構好きですけどね。この曲、昔から好きなので、いろんな演奏を持ってます。CDだけじゃなくて、LPも含めて紹介しますね、比べてもおもしろいかな・・・。 お勧めは上から3枚+次の2枚がいいですね。 by Masa |
CD | Player | Comments |
Viena Philharmonic Orchestra + Andre Previn 1981年録音 |
LP時代にLSOの演奏で好印象のあったプレヴィンが、音の柔らかさととってもバランスのいいVPOとの共演でLSOでは出せないスケール感がでるかもしれないと選んでみました。確か「ボレロ」のCDの帯に、色彩の魔術師とプレヴィンを評していましたが、その彼に最高の楽器、VPOを託した結果は、素晴らしい出来です。思ったとおり弱音部から強音部どこをとっても非常にバランスがいい、それでいて硬さや嫌味のある音がひとつも感じられない。VPOのよさが余すことなく出ている感じです。ヴァイオリンの音も細やかさや艶がでていてとても魅力的です。そして、VPOの特徴のひとつである木管の美しさも秀でていますね。これを鳴らしきってるプレヴィンも円熟味を増して彼の腕に磨きがかかった感じがしました。CDプレーヤーのヘッドフォン端子からちょっと音の硬めのMDR−Z300で直接音を出してこれだけの音がするのですから、スピーカーと柔らかめのアンプで聴いたら、素晴らしい光景を目の前に広げてくれることでしょう。これのカップリングはムソルグスキー作曲・ラベル編曲の「展覧会の絵」です。こちらも聴かせてくれますよ。 最近、SHMCD版を追加入手しました。 原則的には録音も同じですし、音質的にも変わりません。 |
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The Philadelphia Orchestra + Eugine Ormandy 1962年2月録音 |
フィラデルフィア管の4回の録音のうちの3回目(1962年)のもので、最近にCDになったのはかなり遅くなってから。 1972年の4回目の録音で不満のあったヴァイオリンのソロが素晴らしい。 アナログ時代のこの曲の名演のひとつと言われています。 プレヴィンやアンセルメの演奏にひけをとらない素晴らしさです。 コンサート・マスターがヴァイオリンソロを担当していますが、使っているヴァイオリンがグァルネリの音色のせいか優しさが良く出ている。 | |
Swiss Romand Orchestra + Ernest Ansermet 1954年録音? |
下記のアンセル目+スイス・ロマンドのCDで不満を感じていたものが、このCDでは全く感じません。 ごく初期のステレオ録音ですが、その当時のデッカの録音技術の素晴らしさはよく聴いてもいたし、他の録音で知っていましたが、再認識させられる素晴らしいできです。 上記2つの演奏に引けをとらない演奏なのを実感しました。 お勧め版です。 | |
The Philadelphia Orchestra + Eugine Ormandy 1972年2月録音 |
1972年の4回目の録音で,、全体的な雰囲気としてはラベルと同じで、スケールの大きな演奏です。それが、US系オケの特徴かもしれませんが、テュッテイの部分ではとってもそれが生きてますね。ただ、個人的な好みで言えば、シェ−ラザードのテーマの時のような楽器が少ない時の音がしっかりしすぎているような気がするんですが、全体のバランスからすれば、このぐらいしっかりした音がでないとスケールの大きな音と合わないでしょうから、このほうがいいかもしれません。自分の好みではこのテーマは柔らかな音と少し震えるような弱々しさが感じられるようなものが好きなんですが、贅沢な望みなんですかね。これ、カップリングもいいですね。この曲との組み合わせでは定番のボロディンの「ダッタン人の踊り」に加えて、同じくボロディンの弦楽四重奏曲第2番からアンダンテ、俗称「ノクターン」も入ってます。これもなかなかいい演奏です。 | |
London Symphony Orchestra + Andre Previn |
これもLPでよかったので選んだ一枚です。印象はやっぱりLPの時と同じですね。弱音部ではとてもいい雰囲気を出しています。ただ、強音部では英系のオーケストラの特徴である重さが出ていてバランスがちょっと悪い感じがします。曲によってはこの特徴がとっても生きてくるんですけどね。相変わらずシェ−ラザードのテーマはこれが有力な一枚かな。でもVPOも今回は甲乙つけがたい出来になってますね。 | |
Swiss Romand Orchestra + Ernest Ansermet 1961年録音 |
LPでもお薦めの演奏のひとつでしたので、是非CDでも聴いてみたいと選んでみました。これ前回の「ボレロ」の時にも書いたんですが、やっぱり音の硬さが気になりますね。出力の大きな柔らか目の音の真空管アンプと質のいいスピーカーで聞けばかなりよくなると思うんですが、今の私の装置では好きな音にはなりきれませんでした。でも、演奏自体はバランスがよくスケールの大きないい演奏だと思います。 | |
小沢征爾 + VPO | これも名盤といわれるものの一つです。 さすがのVPOの滑らかな演奏、演奏会での録音は珍しいかも・・。 | |
アムステルダム・コンセルトへヴォ −・オーケストラ / キリン・コンドラシン指揮 |
CDで最初に入手したのがこの演奏です。 初期のCDにより、ちょっと音が物足りない感じはしますが、演奏自体は素晴らしいできです。 最近再販されたものが出ていますが、聴いていないので分かりませんが、もっとよくなっている可能性はあります。 | |
ゲルギエフ指揮 / キーロフ歌劇場管弦楽団 |
色々と意見のある演奏です。 | |
Royal Pilharmony Orchestra + Sir Thomas Beecham 1958年録音 |
イギリス人とイギリスのオケとの組み合わせ、とってもこの特徴がでた演奏なんですが、これもアンセルメのものと一緒で録音時の音作りかCDへのRemastering時の音作りの影響だと思うんですが、とっても硬い音がします。いろいろな組み合わせで試してみたんですが、録音が古いからしかたないかもしれませんが・・。 | |
Berlin Philharmonic Orchestra with Herbert Von Karajan |
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LSO Markevitch |
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シャルル・デュトワ指揮 モントリオール交響楽団 |
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【演奏】 ヴァルター・シュナイダーハン(ソロ・ ヴァイオリン)(1) ウィーン交響楽団 (1)、 ロイヤル・コ ンセルトヘボウ管弦楽団 (2,3) ジャン・フルネ(指揮) |
【曲目】 1. ニコライ・リムスキー=コルサコフ:交響組曲《シェエラザ-ド》 作品35 2. モデスト・ムソルグスキー:交響詩《はげ山の一夜》 3. アレクサンドル・ボロディン:交響詩《中央アジアの草原にて》 【録音】 1958年7月 ウィーン (1)、1959年6月 アムステルダム (2,3) |
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【演奏】 エーリヒ・グリューエンバーグ(ヴァイ オリン)(1) ロンドン交響楽団(1) ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 (2) レオポルド・ストコフスキー(指揮) |
【曲目】 リムスキー=コルサコフ: 1. 交響組曲《シェーエラザード》作品35 2. スペイン奇想曲 作品34 【録音】 1)1964年9月 2)1973年1月 |
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山下和仁 & 山下尚子 |
ギター・デュオによる演奏。 バッハの曲でもそうですが、意欲的な取り組みが凄いですね。 この他、「展覧会の絵」や「火の鳥」も演奏しています。 |