<CD - Baroque>
「トッカータとフーガ ニ短調」

今回はオルガン曲の登場です、相変わらずバッハですけどね。バッハのオルガン曲で最も有名な曲の一つがこの「トッカータとフーガ ニ短調」です。でも自筆や弟子の手による譜がないことと、バッハ得意の対位法の表現が他のバッハ作品に比べ劣ることから、偽作とかいろいろと言われているのでも有名なようですけどね。この曲、バロック・オルガンの代表作として、とても演奏・再生される機会がとても多いので、何度か耳にしていることでしょう。オルガンの響きはやはり教会とか、コンサート・ホールとかの大きな器があって初めて美しさが表現されると信じてやまない悪しき性格が災いして、我が家では、ほとんど再生されることがないものですが、その音がたまに聴きたくなって、「アルビノーニのアダージョ」とかを、数年に一回位かけることはあったのですが、久ぶりにバッハのオルガンが聴きたくなりCDを入手しました。懲りずにまたコレクター根性を出して複数入手してしまいました。それも、同一演奏者(これまた相変わらずのリヒター)のものです、違いは録音年代とレコード会社、それと録音場所つまりオルガンです。年代が違うと、かなり演奏が違う場合があるのですが、若い頃から才能を認められ発揮したグールドやリヒターといった人のものでは、大きな違いは見つけにくいものですけどね。オルガンの音もなかなか入手しにくくなったリヒターの演奏を見つけてしまうと、つい手が伸びるのはファンとしてはしょうがない行動ですかね。        by Masa




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Karl Richter ARCHI
V録音 1964年録音
新しい録音の「アルヒーフ」盤はやはり全体に音がい
いし、もともとここの録音では、余計な音の響きがな
く、とても耳に心地よいのが特徴ですから、バロックで
はこの感じがとてもいいですね。でも「デッカ」盤も初
期のステレオ録音なのに至極音がいい。この頃のデ
ッカの録音技術は群を抜いていたことの証明です
ね。昔のLPでもとってもいい音がしていました。ただ、
前にクラシックのコーナーで書いたように、デジタルに
なってから、どうも硬さが耳障りな感じがしていたので
すが、最近スピーカーの置く位置を変更し、試聴環境
が変わったことでかなり聴きやすくなってきました。演
奏自体はどちらもかなりハイ・レベルの素晴らしい演
奏です。アルヒーフは静かで、余分な音は一切しない
という感じですかね。
Karl Richter DECC
A録音 1954年録音
2枚ともバッハの代表的なオルガン曲を集めた録音
です。収録曲もほとんど同じようなものが入っていま
す。音色としては、デッカは明るさが出ています。
デッカ盤は「Best100」シリーズの一つとして出てま
すので、1000円という値段からすると、お買い得で
しょうね。
Ton Koopman トン・クープマンのオルガン演奏