<CD - Baroque #8>
「Goldberg Variation」

バッハの作品の中でも、後期のものでクラヴィーア作品集の最後のものと言われています。後期の「クラヴィーア練習曲集」には「パルティータ」、「イタリア協奏曲」、「フランス風序曲」があり、この「ゴールドベルグ変奏曲」が第4部となっています。この作品では、一つの主題をもとに30種類の変奏が導き出されています。あらゆる変奏原理がそこでは駆使されていてとても興味深いものです。一曲単位では小品という感じですが、これを全部集めた演奏は壮観という感じがぴったりの作品で感動ものです。通常はピアノの演奏で聴くことが多いかもしれませんが、私はやっぱりチェンバロの演奏がいいですね。 最近、弦楽アンサンブルで素晴らしい演奏を見つけました。 シュトットガルド・チェンバード・オーケストラというグループですが、音場の広がり感が素晴らしく、フワッと優しく軽やかに音が広がっていくような感じで、とても聴きやすいです、それでいてゾクッとするような何かを感じさせます。 チェンバロとは一味違った感じでこれもなかなか捨てがたいものがあります。      by Masa



CD Player Comments
Keith Jarret 彼の演奏を聴いていつも感じるのは音に変な派手さがなくていいなと思います。でも何故か感動させられるものがあります。このあたりは私の好きなカール・リヒターと共通するところです。ただ弾き出される音の一音一音はしっかりしていてとても聴きやすく感じます。静かな部分は静かに、そして華麗な部分は華麗にと、とてもメリハリが感じられていい演奏だと思います。この辺の彼のシリーズはハズレがなさそうですね。これから出てくるものも注目していきたいと思います。 Jazzと違って、うなっていないのがいいかも・・。 彼はこの他にもいろいろとバッハの鍵盤楽器曲を録音しています。
Gustav
Leonhardt
1973年録音
彼は現代チェンバロの第一人者と呼ばれている名手です。かの未完の大作「フーガの技法」ではLP時代から彼の演奏で聴いています。彼の弾くチェンバロはリヒターやキースの演奏に比べるとより響きが豊かな印象を受けます。時にはそれがうるさく感じることもありますが、音楽が華やかになり独奏でもとても楽しめます。もともとチェンバロは音域も広くいろいろなパートを一つの楽器で出せるので、こんな感じが一般的でいいのかもしれません。非常に微妙な違いですからこの辺りは好みの問題かもしれません。
GustavLeonhardt
1963年録音
演奏の感じは上記73年録音のものとあまり差を感じません。 ただ、録音は今ひとつな感じがいなめません。 録音が古いのと、安い盤だからあまり期待しちゃいけないのかも知れませんが、もう少しエッジが効かないとレオンハルトの演奏という暗示がしません。 全体に眠い感じの音がします。
トレバー・ピノック
<Karl Richter>

Karl Richiter 1956年ハンブルグでのモノラル録音、この頃から他の演奏者にはない独特の解釈と、惹きつけられる何かを感じます。
Karl Richiter 円熟期での録音、全体の雰囲気は上記の物と変わりありませんが、安定感というか、安心感のようなものがあり、とてもゆったりとした気分で聴けます。
個人的なベストです。
Karl Richiter 1969年、日本での(日生劇場)でのライブ録音。絶頂期での演奏と言われているようです。
Karl Richiter 1970年の録音、これも絶頂期のアルヒーフでの録音。 安心して聴け、グラモフォン盤と双璧です。
Karl Richiter 1979年、日本でのライブ録音、最後の録音になるのでしょうか、今までの輝きはなくなっている気がするのですが・・・。 ミス・トーンもかなりあります。 
ワンダ・ランドフス
古いモノラル録音ですが、有名な演奏の一つです。 但し、チェンバロの音がもうひとつ好みではないと感じていたのですが、これは1945年のRCAでの録音で、チェンバロの音に好き嫌いがあると言われているようです。
1935年録音のEMI版が最も定評があるようです。 いつか、聴けたらと思っています。
Scott Ross 彼の演奏、悪いところとかは全くないのですが、彼のスカルラッティの曲の演奏の時のような感動というか、凄味とかが感じられません。
Scott Ross 多分、上のCDと同じ録音だと思います。
Andrea Staier 演奏はリヒターの系統ですが、楽器の響きや音はレオンハルトといった感じですが、久しぶりにいい演奏に出会えました。 これから彼の演奏に注目したいと思います。
Anthony Newman 非常に才能豊かと言われた、アメリカのチェンバロ・オルガン奏者
>Glenn Gould 
(1
981年録音)
相変わらずグールドの音は素晴らしい。なんというか、音に強靭なバネのような力強さを感じます。一音一音がしっかりとした音が出ているにもかかわらず、繊細な部分では非常に細やかな繊細さを伝えてくれます。通常クラシックの演奏、特にバロックでは聴かれないものです。どちらかというとジャズ・ピアノの演奏の雰囲気を持っています。私はこういうジャンルを超えるようなものが感じられる演奏が大好きです。尚且つ、グールドの演奏には色彩感も感じられます。バロックで色彩感が出るのを嫌がる人もいますが、私はすきですね。以前紹介したジャック・ルーシュのピアノ・トリオの演奏も好きですが、グールドの演奏ではベースやドラムスの必要性を感じません。グールドの演奏はあまり持っていませんが、実はCDが出始めた頃に最初に買ったバッハのCDはこのグールドの「平均律クラ-ヴィ−ア集」でした。その時にも同じような感想をもったので、昔からグールドの演奏が好きでした。ピアノが好きな人にはとってもお薦めですよ。是非聴いてみてください。
Glenn Gould (1
959年録音)
59年録音のライブ盤です。
Glenn Gould (1
955年録音)
彼のCDは3種類出ています。初期のモノラル録音(彼の出世作と言っていいかもしれません)、円熟味を増した晩年の録音、そしてその間に録音されたザルツブルグでのライブ録音です。
これはその中の初期の録音です。どれをとってもとても素晴らしい演奏です。
アンジェラ・ヒュー
イット
(2015年録音)
アンジェラ・ヒューイットの最新録音盤。 19999年録音盤が有名ですが、新しい録音も出来がいいそうです。
アンドラーシュ・シ

(2012年録音)
グールドとはまた違ったピアノでの演奏。 名手との評判です。
アンドラーシュ・シ

(1982年録音)
シフの初期の録音。
Piamo by Yuji
Takahashi

Piano by Daniel
Barenboim




<KeyBoard以外での演奏>

ニュー・ヨーロピア
ン・
ストリン
グス
(ドミトリ・シトコヴ
ェッ
キー編
曲)
この弦楽合奏、実に美しい演奏です。ここまで美しくできるのかと思ってしまいます。そんな感じがちょっとクラシックというよりはポップスのオーケストラ演奏を聴いているような錯覚を覚えてしまいます。心地よい眠りを誘ってくれますね。これもまた、名演奏のひとつのパターンと勝手に思い込んでおります。美しく聴かせるものは、刺激的なところが少ないので、ついつい気持ちよくなって眠気を誘うようなものでなくてはいけない。 でももうちょっと、ゾクッとさせられるものがあってもいいかな…。そうすれば、眠気がおきないかも。
コンサート・マスターはシトコヴェッキーです。
Stuttgart
Chamber
Orchestra
ニュー・ヨーロピアン・ストリングスを聴いて美しい演奏だと思っていたんですが、こちらはその上に凄みを感じさせる演奏です。 初めて聴いた時カール・リヒターの演奏を聴いた時のような感動を受けました。
こちらはポップスな感じはなく純然たるクラシックの演奏ですが、ジャンルを超えた音楽の実態感を持っています。 上の演奏で足りなかったものがこの演奏にはあります。
演奏形態を超えてお勧めの一つです。
Stuttgart
Chamber
Orchestra
上記Stutgart Chamber Orchestraの2枚組Special版も見つけました。  こちらには、Jazz VariationというVersionでのピアノ演奏がが入っています。 しかし、このJAZZ演奏は今ひとつ楽しさがなく、躍動感もありません。
Amati String Trio 最近の訪問時にソウルで見つけました。 7000ウォン(800円ちょっとという感じですか)という安さにも惹かれたんですが、アマティー・トリオの演奏も聴きたかったので即入手しました。 なかなかの演奏が聴けて大満足です。 NESのようなとろっとした甘さが持ち味ですかね。 聴いていて気持ちはいいです。
Julian Rachlin、 
NobukoImai、 
Mischa
Maisky
上記4枚と同様、シトコヴェッキ―編曲の3楽器での演奏、それぞれの楽器の一流プレーヤーの演奏。
とてもいい音を出しておりますが、個人的には彼らのテンポが好みに合いません。 ゆったり過ぎるテンポにより、躍動感が阻害されている感じがします。 これが生きていて感動するというかたも多いので、評価は難しいです。
Dmitry
Sitkovetsky
Mischa Maisky
Gerald Causse
こちらは、マイスキーの一度目の録音。 ヴァイオリンは編曲をしたシトコヴェッキー本人が演奏しています。
倍音がでにくいALTEC+45で聴いているので、難しいですが、Amati Trioよりも甘さはなく芯のあるパワー感はあります。 スピードはちょっと遅めだけど、ミーシャの2回目の録音より少しテンポは速い感じがします。 倍音の出やすい装置だったら、かなり響きを聴かせてくれるでしょう。   
ちなみに、755E+CV851ではチェロの倍音が効いて、もっとふくよかな感じがあります。 多分、F121WではAmati Trioの演奏を聴いた時の様な心地よい響きが聴けるかも。
清水靖晃 & サキ
ソフォネッツ
SACDですが、サキソフォン5本とコントラバス4本での演奏です。
なかなか面白いです。
Jacques
Loussier Trio
このCD、クラシックの売り場のバッハのコーナーで見つけたんだけど、CD見たらちゃんとJAZZのマークが入ってるし、中身は純然たるジャズ。誰だクラシックのコーナーなんかに置いたのは? ま、ジャズのコーナーに置いといたら誰も買わないというか、気付かないようなものだから、クラシックコーナーで正解なのかもしれない。私自身もジャズ・コーナーでこの演奏者の名前見つけても手にとっては」見なかったでしょうし、たまたまある演奏家のこの曲を探している時にそのコーナーのCDの中に混じっていたので見つけたという次第です。演奏はあまり期待していなかったのですが、ちょっと変わった演奏が聴きたいと思ったので買ってみました。「ゴールドベルグ変奏曲」ってもともとバッハ的インプロヴィゼーションの塊みたいなものだから、確かにジャズになりやすいというか、普通の演奏聴いていてもジャズの雰囲気が漂ってくる気がするんですけどね。でも、この演奏とっても素晴らしい、とっても楽しくて気持ちいい気分になります。録音もかなりいい部類ですね、キラキラとしたスタンウェイのグランド・ピアノの響きがよく伝わってきます。ちゃんと三弦響かせてるぞって。一聴の価値、充分ありです。今年買ったCDの中でも超お薦め盤のひとつです。ジャズだけを目的とするならばちょっと物足りないかもしれませんけどね。