<CD - Baroque
「Bach on Jazz」

ジャズ・プレーヤーが一番手に付け易いクラシックはバッハの音楽のようです。もともとバロックの時代には即興演奏も多く、主題を与えられそれにいろいろな変化をつけて演奏することを要求されたようです。 バッハの「音楽の捧げもの」などもそんな中から生まれた作品のひとつです。こんなところはジャズのインプロヴィゼーションと共通するところですよね。 ジャズの場合は要求されるというより、演奏者がインプロヴァイズを積極的にしていることが違いかもしれません。でも、バッハが残した多くの作品では練習曲も含め、一つの主題をいろいろなヴァリエーションを試みて書かれたものが沢山あります。もしかして、私がバッハに惹かれるのはそんなところに原因があるのかもしれません。ジャズの原点をそこに見ているのかも・・。
このジャズで味付けしたバッハの曲って個人的にはとっても好きです。客観的にみても、とっても聴きやすいんじゃないかと思いますよ。今更バッハなんてなかなか聴く気にならないって人にも、お薦めできます。クラシックとして演奏されると長ーく感じる曲があっという間に過ぎ去ってしまいます。もともとジャズっぽいフレーズにちょっとスイングすればそれだけでとってもジャジィーな雰囲気が醸し出されてしまうようです。




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「Plays Bach」 by
Jacque Loussier 」
1993年5月・1994年9
月録音
曲目: 「Fugue No.5 in D Major」, 「Italian Concerto Allegro」, 「Pastorale in CMinor」, 「Air on a G String」, 「Toccata & Fugue in D Minor」, 「Gavotte in D Major from Orchestral Suites No.3」, 「Concerto in D Minor」
演奏者: Jacque Loussier(p), Vincent Chatbonnier(b), Andre Arpino(dr)
Comment:: 「G線上のアリア」は前に聴いたゴールドベルグに通じるようなバッハ本来の曲想を生かしたものですが、その他の曲ではベース・ライン等かなりジャズ風味がしっかり効いています。でも、いつ聴いても彼らの音楽はちっともバッハの良さを消していないし、いやそれ以上により多くの音楽ファンのためにバッハをより聴きやすくしてくれているように思えてなりません。「トッカータとフーガ」等もインプロヴィゼーションの豊かさが感じられて、ジャズという演奏形式の素晴らしさを充分に伝えてくれるものです。音楽は好きだけど、ジャズはちょっと入りにくいとかバロック/バッハはちょと馴染みがないからという人は是非これ聞いてみてください。音楽に対する新しい可能性というか、感性が開けてくると思いますよ。とにかく楽しんで聴けます。
「J.S.Bach Preludes and
Fuges from The Well-
Tempered Clavier
Book1 by John Lewis」
バッハ狂いで有名なジョン・ルイス、「平均律クラヴィーア集」をジャズにしてしまった。これは4部作になっていて、そのうちの第一作目のCDです。全部ちゃんと出てますよ。ピアノを習っている人にはとっても馴染み深くて、取っ付き易いものかもね。でも、この曲あまり普通では音楽として聴かれないものですよね。でも、20年位前にかのグレン・グールドもこれでCD出してましたけどね。そういえば、昔グールドの「平均律クラヴィーア集」を聞いた時になんとなくジャズの香りがしたのも今考えればうなづけるな。でも、ピアノも習ってないのによくこんなもの聴いてるなとピアノの先生してる人から言われたことあるけど、私からみればそんなこと言うほうが、修行が足りないんじゃないのって言いたい。バッハの曲ってどんなものも音楽として聴き応えありますよ。でもここでのジョン・ルイス、ちょっとまじめに演奏しすぎて、クラシック寄りになり過ぎって感じがしないでもない。もっとスイングすればいいのに。第一作だから、肩に力入り過ぎたかな。もともとMJQを離れた彼の演奏ってこんな感じだけどね。
「Jacques Loussier TrioBach's GoldbergVariation」 「ゴールドベルグ変奏曲」ってもともとバッハ的インプロヴィゼーションの塊みたいなものだから、確かにジャズになりやすいというか、普通の演奏聴いていてもジャズの雰囲気が漂ってくる気がするんですけどね。でも、この演奏とっても素晴らしい、とっても楽しくて気持ちいい気分になります。録音もかなりいい部類ですね、キラキラとしたスタンウェイのグランド・ピアノの響きがよく伝わってきます。ちゃんと三弦響かせてるぞって。一聴の価値、充分ありです。今年買ったCDの中でも超お薦め盤のひとつです。ジャズだけを目的とするならばちょっと物足りないかもしれませんけどね。
Swingle Singers
Jazz Sebastian Bach
Swingle Singersは最初にバッハの曲をジャズ風にスキャットで表現したコーラス・グループ。 ここに入っている曲は色々な映画でも使われたりしています。 この後も色々なクラシック曲も録音しています。