真空管


No.3 <WE 300B>

現在の真空管アンプで使用される直熱真空管ではもっとも多い部類の300Bです。 現在も色々なメーカーで作られ現役なのは珍しいといっていいでしょう。 ギター・アンプ等に使われているEL34や6L6GC等は別にしたら、過去にもありましたが、現在でもこれだけ多くのメーカーから出ているものはないでしょう。
外観的にもST19で堂々とした大きさは、見ているだけで圧倒されます。
それらの元になっているのがWesternElectricの300Bです。 1930年代から存在している球ですが早い時期のものは劇場用システムのアンプに使われて、70年代以降はNASAでの使用に作られていたと聴いています。 初期のものはレンタルのアンプ用で、なかなk外部には出てこなかったようです。 一度、製造が中止されてから、1990年頃から復刻版が作られました。 現在は2005年以降、正式には出てきていないようです日本でも戦後随分経ってから紹介されたようです。 入手できたとしても、とても高価だったでしょう。 業務用、それも劇場でのヘビー・デューティーな使用に耐えられるように設計されたので、個人での使用では一生ものでしょう。 それでも、製作時期によって音が違うようですし、いざという時のために多くの球を持っていらっしゃる方もいるようです。
私が持っているのは、1978年版が2本、と初期の復刻版が2本です。 昔、ALTECのスピーカー、620Bを使っているときに何台か製作しました。 その後も、ミニ・スピーカーを鳴らすのに、依然作った古いものを改良して使ったりしていました。 ちょっと高価な球ですが、様々な回路で結構鳴ってくれる重宝な球です。
ALTEC 602Dもテスト機で試した結果、とてもいい結果がでたので、300Bを使ったアンプを考えていましたが、出力が出すぎるので、45等で鳴らした方が多かったです。


300B用箱、
薄い色ものが1978年製の球の箱です。
年代によって色が違います。 この頃の
ものはベルの印により、ベルマークものと
呼ばれていたようです。
濃い色は復刻版のもので、マッチド・ペアを
木箱に入れたものも用意されていました。
復刻版の300Bには特性データも付いて
いました。
CETRON 300B
造りはなかなかよくできてます。 
柔らかめな音が聴けます。

STC 4300B
Western Electricと技術提携し、
ロンドンWestrexやITTに代替供給
していたようです。
300B系も複数バージョン出ています。
通常版は4300Aでしたが、一旦製造中止
の後、日本の輸入商社からの注文で
最後に製造・供給されたもの。
WE以外の製品としては、WEに近い音が。
WEに比べて、
少し奥行きが浅い感じがします。
Emission Labの300BXLS
STCの4300Bが1本不良になり、
300Bのステレオ使用を諦めていました
が、STCに近いものを見つけました。
Emission LabはUSの会社ですが、チェコの
KRに製造を依頼していたそうです。
KRでも彼らの300Bを製造していますが、
少し音の傾向が違います。 中・高域は
ほぼ同じですが、低域がこちらの方が
締まっています。 幅広いジャンルで使う
場合にはこちらの方がいいかと思い、
こちらを使っています。
音は、Western系とは違って、
現代的な音作りになっています。
サンバレーのmini91Bで使用中、jENSEN
を鳴らしています。
中国・桂光の300B
中国製としては、質の高い球です。
白セラミック・ベースの球は、プレートに
グレーのものが塗ってあります。
黒ベースは、黒プレートで、こちらの方が
素直な音がします。
アポロ電子のアンプでLS3/5Aに使用中。


復刻版を使用したテスト機
ST14の「45」との比較
「45」、「VT52]との比較




ALTEC 602Dを鳴らすのに、久しぶりにキット・アンプを入手し組んでみました。  300Bは1978年製を使用しています。
下は、以前作った時の最終版。




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