ピーコ箱





テーマ 「○○山のミヤマさん」

箱    藤本製作所 艶消しドイツ箱  針は志賀有頭1
特徴   虫に直接針を刺さないで複数の針で箱に固定。
      カメラ・レンズ用の強力防カビ・防湿剤を使用。    

これが我が家にある唯一の虫が入った箱である(先日ドラゴン氏より頂いた箱を除く)。中身は昨年、同一地域で採集したミヤマクワガタの一部。特に左側6列は、半径100m程度のポイントで採集した個体である。圧倒的にフジ型が多い中、基本型やエゾ型までも採集することができた。灯火採集でもないのに同一箇所で3タイプの歯型を採集できたのにはちっと驚いた。この画像からではわからないが、色彩のバリエーションも豊富だ。まだ展足していなかったり、あるいは出来ない状態となってしまった干物が結構あったりする。いかんなぁ、、、

標本は始めたばっかしで手探り状態。「標本まではやらない」と言っていた筈がいつの間にやら、、、

標本を始めるきっかけとなった理由は色々あるが、ドイツ箱購入に至った理由のひとつには俗に「ヒョウホンムシ」と呼ばれているカツオブシムシ、シバンムシ、ヒョウホンムシなどといった標本を食すとんでもないやつらから、せっかく展足した虫を守るといったことがあげられる(完全ではないけど)。ヒョウホンムシの乾いた動物質を食すという性質を利用して、小型の哺乳動物、鳥、魚などの骨格標本を作るのに役立てていると聞くが、昆虫の標本をやっている人からすれば恐怖の虫と言えるであろう。いつもながら本題とは外れるが、参考までに我が家での被害の例を紹介しよう。
 

 



左上の画像は、ミヤマクワガタの上翅に穴を開けられてしまったもので、穴の直径は約1mmである。右上の画像はアトラスオオカブトムシの腹部に穴を開けられてしまったもので、穴の大きさは約2×1mmである。早いうちに気付いて良かった。

そして左下の画像の虫が、その上の画像のミヤマクワガタを酢酸エチルの充満したタッパに入れておいてみたところ、上翅の穴から出てきたと思われるヒョウホンムシである。密閉された容器であるため外部からの侵入は考えられず、間違いないだろう。長期間、酢酸エチル漬けになってしまっていたため、変色してしまったことであろうしバラバラになってしまったが、体長2mm強で全体にしま模様があり、毛が生えている。

右下の画像の虫は、数日前に部屋の中をゆっくりと飛んでいたところを「バシッ!」としとめたものである。っちゅーこって、やっぱしバラバラになってしまったが、こやつの体長も2mm程度で上翅にはスジがある。おそらくこれもヒョウホンムシなのであろう。こやつらの標本だけでドイツ箱を埋めるのがあっしの夢である。嘘、困ったもんだ、、、
 

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