短報・ビプラギアトゥスノコギリ大歯型♂
林 原@函館・北海道

ビプラギアトゥスノコギリクワガタ Prosopcoilus biplagiatus (Westwood,1855)
は、野外採集個体♂の殆どが左写真のような小歯型であり、大歯型の報告は非常に希である旨が知られている。 累代飼育下での大歯型♂は野外採集に比べると発現比率が若干高いようであるが、やはり極めて希である。
 筆者は、飼育下で大歯型を見出したので報告する。

 このビプラギアトゥスノコギリクワガタ大歯型♂は香港産の累代個体で、今年の5月(2001.5)に羽化した4♂5♀の中の 2頭で体長はそれぞれ38mmと40mmである。
大歯型38mm♂(左)と小歯(標準)型♂(右)
 
大歯型38mm♂の大顎形状
 
大歯型38mm♂(上)と大歯型40mm♂(下)
 
大歯型40mm♂
 

 羽化した♂4頭のうち半分の2頭が大歯型ということで、大歯発現のヒントが飼育条件に隠されているかもしれないので、以下に 「幼虫の餌」と「飼育温度」のみ挙げておく。但し、大歯を出そうとして出たわけではないので、その他詳細のデータは記録していない。

 幼虫の餌   菌糸カップ1個のみ 
 飼育温度   15〜21℃(推定) 

 飼育温度について付け加えると、昨年10月から温室内で飼育していたものの、ヒータから最も遠い場所に置いていたため、15℃前後の低温下 にあったと推定される。また更にサーモの故障によって2月か3月頃からヒーターが利かない状態で過ごしていたと思われ、北海道ゆえ最低温度は 10℃前後まで下がることがあったかもしれない。


もうちっとビプラギ
くわ馬鹿もくじへ