今年も来たぜ、神津島
2014.8.13-21

 今年の島旅第2弾は、台風11号の影響で大幅に予定が狂った。当初は8月8日に指定席もバイクの予約も取れていたが、大型船が欠航になってしまった。早速船の予約を取り直したが、バイクを持ち込む関係で、8月13日の出発になってしまった。この日なら、バイクを積み込むコンテナに余裕があったからである。
 仕方なく休暇を取り直して、8日から13日までは仕事を入れた。

プロローグ
8月13日(水)
出発の時

 この日は午後休暇を取った。台風で延期になってから、少し仕事に精を出しすぎて、荷物のの再点検をしていなかったからだ。
 また、しばらく家内と離れるので、一緒に夕食を食べようとしたからだ、

 今回は家内と早めに夕食をとったので、途中はほとんど休まず一気に東京タワーの下まで来た。 ちょうどお盆の時なので、予想外に道路が空いていて走りやすかった。東京タワーまで来ると、荷物からカメラを取り出して写真を撮った。

 私が今回持参したデジカメの1つがCanonの「パワーショットA495」である。これは単3の乾電池が使え、比較的写りがよいので、2台購入した。1台目は、まだ写真が撮れるのだが、一度OFFにしてしまうと、また初期設定からやり直しになってしまう異変が起きている。この2台目だが、この東京タワーを写した時は調子よかったが、その後、バイクのいすの下に長時間入れておいたり、何度か落としたりしているうちに、故障してしまった。新しい電池を入れても、「バッテリーがなくなりました」という表示が現れ、電池を外して何度か入れ直すと写るようになる。当然、シャッターチャンスは期待できなくなってしまった。

東海汽船到着

 予定より早く着きすぎて、バイクの預け入れは始まっていなかった。そのため、荷物整理をゆっくり行った。いつものように、リュックにテントとシュノーケル類をしまった。
 午後7時30分、シャッターが開き、荷物の預かりが始まった。神津島まで原付バイク1台、2670円。続いて乗船券を購入しようと思ったが、午後8時からもの売り出しだという。待合所のいすに座って、少し待った。その後、船の展望ができる場所に行き、そこで夜風に当たっていた。お盆の時期と重なり、船は大混雑だった。

8月14日(土)
神津島到着

 今回の船は少しリッチに特2等を選んだ。2等席の1,5倍だ。しかも夏の時期は船代がいつもより2割高い。さらに、株主優待券の割引率も25%オフだ。リッチにと書いたが、実は台風の関係で出発を延期したら、2等は席なししかなかったのである。お盆の最盛期に指定席がないと最悪のことになる。そこで、少し高めでも、特2等のキャンセル待ちを入れておいたら、無事ゲットできたわけだ。

 先ほど私が素通りした式根島もたくさんの人が上陸したが、神津島もたくさんの人がタラップから次ぎから次へと出てきた。そしてコンテナもたくさん船から出てきた。私のバイクは出てくるまで当分時間がかかりそうだ。
 キャンプ場の場所取りを考えて、少しでも早く行きたいところだが、我慢のしどころだ。

 ようやくバイクを受け取ることができた。私が上陸してから、もう15分以上立っていた。この時間にバイクを受け取ったということは、どこのキャンプ場も真っ先に到着できるだろう。
 サルビア丸を振り返りながら、とりあえず沢尻湾に行ってみることにした。混んでいたら、長浜に行くつもりでいた。

 沢尻湾に着いた。海は、いつものように美しかった。
 キャンプサイトは中途半端に混んでいて、隙間は一見ありそうだが、実際にテントを張るとなると場所があまりなかった。
 最初、やや奥側の場所に張り始めたが、よく見るといつも私が張っている場所だけポツーンとあいていた。そこにテントを張ると、周りの人達の空間が減ってしまうのでどうしようか考えたが、私は昼間はほとんどここにいないので、思い切って中をこじ開けるように日よけ屋根の下に張ることにした。
 続いて、洗濯物をかけるロープを張ることによって、私の場所がより確定的になる。左側に外国人の方が3人いたので、彼らの空域を犯さないように、やや窮屈に変わった角度で洗濯用ロープを張った。

 簡単に荷物を整理し、水着に着替えると、神津島港の方にバイクで行った。キャンプの申請と昼食を食べるためだ。途中、何度かバイクを停め、神津島の自然を楽しんだ。

 まず「よっちょれはうす」によった。階段の下から人々は並んでいた。こんなに混んでいるのは初めてだ。
 後でこようかと思ったが、私の希望するメニューがなくなったらいやなのでずっと待っていた。ようやく食べることができるようになった。「煮魚定食」が金目鯛だと知り、迷わずこのチケットを購入した。我ながら、本当にきれいに食べたと思った。
 この日以外金目鯛のメニューがなくなったので、食べられてよかった。

 その後、観光協会に行き、キャンプの申請を行った。

泳ぎ&買い出し

 ここ数年は、神津島に来ると初日は赤崎に行っていたが、今年はテントサイトの真ん前に広がる沢尻湾で楽しんだ。

 水温が高いためか、長い時間シュノーケルを楽しめた。いつもより潮の流れが強くなく、魚もたくさん見ることができた。
 結局、1時間以上のシュノーケルを2本やってしまった。

 夕方になり、シャワーを浴びて買い出しに。今回、八丈島に続いて神津島にも100円ショップができていて驚いた。これで、持ってくる荷物の選択肢も変わったなと思った。

 長浜、名組湾、赤崎、前浜と神津島の海水浴場をバイクでツーリングしながら回った。例年よりも人の数が多いように思ったが、お盆の時期だからかもしれない。
 買い出しに行く前、もう1度沢尻湾のテントサイトを見たら、たくさんのテントの林立に驚かされた。思わず数えたら、35張り合った。もう1日来るのが遅かったら、本当に張れないなと思った。私のテントも、道路からでは後ろに張ってあるタープの影になって見えなかった。
 今日は楽をするつもりで、弁当を買った。

 テントサイトで食べるのもいいが、せっかく海に来たので桟橋で食べることにした。釣りを見ながら、のんびりと夕食を食べた。

サンセットタイム・初日

 海によく行く私は、自分なりに夕日のきれいなところを知っているつもりだ。全て海の中に夕日が落ちていくものだ。もし3つあげろといわれたら、奄美大島の大浜、神津島、そして式根島の大浦だ。神津島だけ地名がないのは、そのポイントを1つにしぼれないからだ。
 今回も、夕日に関わる写真をいくつか載せた。

 夕日を見、さらに夕焼けを見て、すっかり暗くなってからテントに戻った。午後9時には、ほとんどみんな寝ていた。

8月15日(金)
早朝の沢尻

 昨日はつかれていたためか、珍しく夜中起きず、朝まで寝てしまった。
 6時頃、テントから出てきた。トイレに行き、戻ってくると、シルバーの方たちが海岸を清掃している光景に出会った。大きなビニール袋を片手に、打ち寄せられた海草を拾っているのである。
 まだ太陽が元気でなく、空もぼーっとした感じである。まだ誰も泳いでいない。

 私も石段に座り海を見ていたが、まだ眠たいのでテントに戻ったら、2度寝をしてしまった。再びテントから出たのは、7時半過ぎ。すっかり空が明るくなり、気温もぐーんと上昇してきた。
 話し声が聞こえるので、みんなも起き出したんだろう。

 そうこうしているうちに、隣のテントの若者達が海に飛び出していった。「元気だな」と思いつつ見ていたら、目の前をサルビア丸の白い船体が水面を滑るかのように通過していった。
 なかなか絵になる、すてきな光景だと思った。

 のんびり朝食のパンをかじっていたら、ライフセーバーが現れ、バスの到着とともにたくさんの人たちが沢尻湾にやってきた。水平線の近くを、Jet船が通過していくのが見えた。
 私も海に入りたくなり、寝るとききていたTシャツのまま、ゴーグルとシュノーケルをつけて海に向かった。ハマギクで曇り止めの処置をした後、海に入った。最初はやや冷たいかなと思ったが、すぐになれ、水温が高いことを再確認した。

 浮島の向こう側に浮いているブイのあたりを、左から右に向かって泳いだ。
 シマアジがたくさんいて、盛んに海底の砂を口に入れては吐き出していた。直径2mぐらいがテリトリーなんだろうか、自分のすみかの中で、敵が来るのを警戒しているそぶりを見せていた。これだけ水の透明度が高いと、釣りでシマアジをつつまえるのは難しいかなと思った。
 途中、エイが突然飛び出してきて、何度か驚かされた。
 右側の岩のあたりまで行った。岩に、巻き貝がたくさん着いていた。シッタカガイもいくつか混ざっていた。20分ほど岩の周辺の生物を観察したあと、今度は右に向かって泳いだ。1時間ぐらい水の中にいて、ようやくあがった。
 この後は例年のように、シャンプーと歯ブラシを持ってシャワー室に行き、シャツごと体を洗い、Tシャツはロープに干した。これで朝の儀式は終わりだ。

バイクで赤崎に行く

 初日には泳がなかったので、赤崎に行くことにした。途中の海岸線は、景色もよく、走っていて最高に気持ちがよい。特に神津島に来たばかりなので、目に入る景色は新鮮だ。ため息が出るくらい、海はきれいだった。

 長浜まで来た。ここはテントの数も少なく、ゆったりしている。沢尻湾が混雑するなら、ここに移ってきてもいいかなと真剣に思った。大きな玉石で囲まれた自然のタイドプールには、子供を連れた家族連れらしいほのぼのとした光景があった。

 いくつかのカーブを走り、ようやく赤崎の飛び込み台が見えてきた。

 ここ数年訪れている場所なので、バイクを駐輪場に止めると、はやる心に勝てずに、海を見通せる場所まで行った。あいかわらず海は青く、美しい。ライフセーバーの立っている位置から考えると、水が引いているようだ。遊歩道を通って、飛び込み台のある橋のところまで来た。ここはかなり混んでいた。みんな思い思いに、好きな場所から飛び込んでいた。

 ここでも、1時間入っては30分休むといったローテーションで、、3時間ほどいた。ちなみにここのシャワーは、神津島では比較的温かい。

昼食を終えて・・・

 昨日は12時頃ヨッチョれハウスに行き、かなり並んだので、今日は時間差ではないが午後1時半頃に着くようにシャワーを浴び、バイクを走らせた。20分足らずの道だが、その間水が墓なり乾いてしまう。
 待たしても混んでいた。少なくとも私の前に、20人以上の客はいた。
 今日は金目鯛はないという。焼き魚定食は、やっていなかった。それなら「づけ丼」が俺を待っている。アカイカとカンパチが入っていた。これで1000円。

 午後はそのまま前浜に行き、岩場の方で泳いだ後、昼寝をした。ここで問題が発生。水着で塩かぶれを起こして、股づれっぽくなってしまった。慌てて真水をかけに行ったが、手遅れ。その後2日ほどいたかった。

ツーリングを兼ねて多幸湾へ

 時計を見ると、もう午後4時近く。今日はもう、泳ぐのはいいかなと言うことで、ツーリングを兼ねて多幸湾の方へ行った。バイクの青ポシェが元気なら、山越えもしたいが、今回はバスト同じ道を進んだ。

 こちらに来ると、曇っていた。丸島の近くに、おもしろそうな水上滑り台が設置されていた。

 ペットボトルの中に、名水100選に入る天上山のわき水を入れた。そして、備え付けのカップでも飲んだ。冷たくて、すごくおいしかった。私が知っている飲み水で、ここが一番おいしいのではないかと思う。

 スーパーで買い物をした。ついでに明日の朝食のパンを買った。
 今日は刺身とご飯が食べたかったので、わさびとともに購入し、海を見ながらベンチで食べた。キャンプ場まで行くと、夕日が沈んでしまうので、夕日の見える高台のベンチで食べた。ここからのサンセットはすばらしかった。7カ所ほど蚊にやられてしまった。

 暗くなるまで前浜の周辺にいた。水配りの像のライトアップを楽しみ、お土産屋を覗いた。酎ハイとおつまみとアイスを買って、キャンプ場に戻った。

8月16日(土)
新しい朝がやってきた

 昨日まではすごく混んでいて、騒がしかったこの沢尻キャンプ場も、今日は少し様変わりするだろうと思った。というのは、朝目が覚めてテントから顔を出すと、周りの人々の撤収作業が始まっていたからである。すぐ隣に張っていた大学生らしき男女5人組も、今日の船で帰るようだ。久々に、キャンプ場の空間を感じられると思った。
 そういう私も、台風が来なければ今日16日の船で式根島に渡るはずだった。しかし、神津島滞在を延ばしたら、21日のバイクの予約がとれたわけである。式根島に滞在する時間は少なくなるが、GWの時も来たし、9月の3連休も来る予定なのでOKということにした。
 朝から、今日も天気だ。

 今日は土曜日とあって、やけに子供連れが多い。地元の子供たちかもしれない。そのため、ライフセーバーのお兄さんは、サーフボードで、沖合いにずっと滞在していた。そのとき、東京へ行くサルビア丸が通過した。
 朝食は、焼きトーストとコーヒーだった。誰にも邪魔されず、のんびり海を見ながらの食事なんて、最高に贅沢だと思った。

 いつものように、1時間ほどの朝の海中散歩をし、シャワーを浴び水着を洗って干した。少し風があるのか、水着は風に揺れていた。
 大型船で帰った人や午前中のJet船で帰る人がキャンプ場から去り、35張りのテントが8張りに減った。空間が増え、広々としていいなあと思った。

今日も赤崎へ

 友人によく言われるが、何か気に入ったことがあるとずっと固執する傾向がある。どうしても午前中の赤崎の海に入りたいのだ。こちらも、沢尻同様に混んでいた。上の展望台は、テントやシートが貼ってあり中に入れる状態ではなかった。仕方ないので、通路に荷物を置きそこをベースにした。相変わらず海は温かかった。気になったのは、海の水が濁っていることである。

 今日は水中でもとれるカメラを持ってきたので、魚を追いかけることにした。ただ、昨年クマノミが見られた場所にクマノミはいなかった。どうしたんだろう?誰かにとられてしまったのだろうか。
 それでも、あおうスズメダイやツノダシ、ニザダイの子供とたくさんの魚は見られた。昨年より、魚影は濃いかもしれない。

ヨッチョレハウスで刺身定食

 今日も午後1時半頃ヨッチョレハウスに着くように計算し、海からあがりシャワーを浴びた。強めにTシャツを絞ってから、バイクで乾かしながら昼食に向かった。
 金目鯛の煮付けはなかった。焼き魚もなく、仕方ないので刺身定食を注文した。というのも、金目鯛が3切れ付いていたからだ。

 食後は、バイクで神津島の上側を走る道路を走った。上からの景色を楽しみ高かったからだ。神津島は、海で泳ぐだけでなく、バイクでの楽しみも味わえる島なので気に入っている。

 山の中腹から見た神津島の海もすてきだった。日陰を走っているときは心地よいが、日向に出ると、とたんに暑さが忍び寄ってきた。またしても海に入りたくなった。
 今回は、最近泳いでいない長浜に入ることにした。
 ここは、バスも停まる交通の便がいいのにかなりすいている海水浴場だ。家族連れが1組、そして学生が2人泳いでいた。バイクを駐車場に止め、そこからシュノーケルのセットをもって海に入った。
 
 玉石がごろごろしているが、遠浅の海岸だった。海の中には、大きなコンクリートのがれきもあった。やや沖合いを泳いでいたら、右の方に流されていたらしく、ライフセーバーから注意を受けてしまった。

 ミャンマーカら来た外国籍の人がいて、少し片言の日本語と英語で話をした。川崎の東芝で働いていて、頑張ったので旅行に来させてくれたと言っていた。友人は、天上山に登っているという。30分ほど会話を楽しみ、一緒に流し場の清掃をした。

 気になる小石があったが、ここの石は神様のもので持って帰ってはいけないという表示板があったので、写真だけ撮った。

 日が傾き始めた、午後5時過ぎ。赤崎に来てみたら、ほとんど人影はなかった。赤崎の海は、すでに営業終了の状態だった。海に反射する太陽の光が、やたらとまぶしかった。

夕日の時刻

 沢尻湾のキャンプ場に戻ってきた。ここでは、まだ海の中で泳いでいる姿も見られた。テントの数は、かなり減っていて、ほっとした。

 逆光だったが、海に向かってテントを写した。日よけの間から太陽を写してみた。シルエットになった洗濯物といい、なかなかいい感じだ。

 炊事場では、忙しそうに夕食の準備が始まっていた。私はシャワー室でシャンプーをし、水着を着替えた。軽く石けんで洗った後、ロープに干した。朝干したものは完全に乾いていたので、それと着替えた。足ひれやゴーグルもロープにかけた。
 虫除けスプレーをした後、買い出しに出かけた。

 少しゆっくりしすぎたので、すでに夕日は始まっていた。買い物を後回しにし、前浜の海岸で夕日ショーを楽しんだ。この時期は、たいてい雲に隠れて海に沈む様子は見られないが、今回はしっかり見られた。

 いつもなら余韻を楽しむのだが、今回はまだ買い出しをしていないので慌ててスーパーに駆け込んだ。そしてあまり悩むことなく、わかめご飯と刺身の切り落としを買った。キャンプ場まで行くと暗くなってしまうかもしれないので、やはり前浜で海を見ながら食べることにした。お昼といい、今日は刺身ディーだなと思った。

 がんもどきもおいしそうだったので、買ってしまった。3個入りだったので、3つとも食べたら、おなかいっぱいになってしまった。
 今回は、あまり自炊していないなと、思わず苦笑いした。

 今日は全部で5時間ほど泳いだため、疲れすぎて、午後8時には寝てしまった。

8月17日(日)
入れ替えが激しい朝

 昨夜は神津島のキャンプでは、比較的静かな夜だった。トイレにも行かず、朝6時まで熟睡だった。
 テントから出ると、なにやら動きが慌ただしかった。昨日の夕方来たグループが、1泊だけでもう帰りの支度をしているのだった。この沢尻湾には、わずか12時間ほどしかいなかった計算だ。

 おそろいのTシャツを着た大学生だと思うが、不思議なグループだった。私の隣に大きなテントを張っていたが、その中で寝たのは男性5人。女子が15人ほどいたが、全員テントの中でなくコンクリートの上に敷かれたブルーシートの上で、何もかけずに芋虫のように寄り添って寝ていた。しかも、トイレに行きながら見たら、男連中がその女の子達を、まさに「たたき起こしていた。」
 民宿かどこかに移るのかと思い話しかけてみたら、このまま船で帰るんだという。
 私は昨夜早く寝てしまったのでくわしいことはわからないが、飲み会をした様子でもない。まさに、???

 今日も天気が良さそうだったので、タープをおろした。
 海で、1時間ほど泳いで帰ると、入口近くに、昨年もいた大集団の姿が見えた。それほど騒ぐグループではないが、炊事場の入口を占領して、迷惑だった。「校長先生」と呼ばれた年配の男性が、若手にいろいろ仕事をさせていた。教師の集団のように見えた。

赤崎海岸へ

 すぐに着いてしまってはもったいないので、途中の景色を楽しみながら進んだ。途中、Jet船「愛」が見えた。この船は、近いうちに故障がちなので廃船になるという噂を聞いたが、実際のところどうなんだろう?

 天気がいいので、海の色は最高だ。途中、見慣れた景色なのに何度もバイクを停めては写真をとっていた。

 今日も体験ダイビングの人がたくさん集まっていた。

 えさをまいている人がいて、その周りをたくさんの魚が集まっていた。何かものすごく神秘的な世界を垣間見たような気持ちになった。

昼食&ツーリング

 今日は海の中で、1時間ずつ2回写真を撮った。潜ったまま、魚がやってくるのをじっと待っているので、かなり重労働だ。2時を過ぎに海からあがった。さすが疲れて、今日はもう海は終わりにしようと思った。
 毎日お昼は定食を食べていが、ややお金がかさむので、今日はお弁当にした。
 鮭が好きな私は、週に2回は食べるが、今回神津島に来て食べていないので、迷わず鮭弁を買った。さすが、地元に比べて島価格なので高めだが、仕方がない。少しでも島にお金を落とさなければ・・・そして、またしても刺身を買ってしまった。
 テントに戻り、そこで食べた。

 お腹がふくらむと、バイクでツーリングした。ガソリンが少なくなっていたので、満タンにした。1L205円、高かった。神津島には1Lあたり35円の助成金が出ているはずだが、今回入れたエネオスでは実費を取られた。普段は文句を入れるが、まあ島にお金を落としているんだという寛大な心で対処した。
 ガソリンスタンドから坂を降りきったところからの前浜の景色、すごかった。言葉にならなかった。上の写真がそれである。

日が暮れかけていく

 バイクで海風を体に受けながら、たくさん走った。今までガソリンをセーブしてきたが、島の道を走ることが好きな私は我慢できなかった。
 そうこうしているうちに、日は傾き、夕方になってきた。

 テントの前に置いたいすに座り、じっと天体ショーを見ていた。すごかった。特に夕日が完全に沈んでから、赤と青の光の錯綜が印象的だった。体が動かなくなった。それほど感動的だった。今日は、感動的なシーンをたくさん見られた日だった。

 夕闇が迫る中、神津温泉に行った。露天風呂(大浴場)が壊れている関係で半額だった。

 満天の星を見ながら、屋上の露天温泉に入った。少し蚊にやられたが、ゆったりとした生活感を味わった。
 閉店の午後9時までいた。

 その後、キャンプサイトに戻り、ゆっくり食事を始めた。今回は炭をおこして、豚肉とエリンギとナスを焼いた。

 みんなでわいわいしながら食べる夕食も大好きだが、たまにはこうして一人で「焼いて食べる」のもなかなかいいなと思った。
 以前コマーシャルでこんな場面を見たことがあった。
 この火のぬくもりが、何ともいえない感じがした。夏なのに、暑さではなく、心地よさだけが感じられた。小型のランタンは付けたが、辺り一面は真っ暗なので、肉や野菜はライトを照らさなければ焼けたかどうかわからなかった。それでも、時間に左右されない贅沢な食事だった。食事が終わり、ペットボトルの水をかけ火の始末をしたときは、もう午後11時を回っていた。星がめちゃくちゃきれいだったので、あまり眠たいという気持ちはなかった。

8月18日(月)
朝のお目覚め

 朝起きた時、仕事のことを考えないことはすてきなことだ。ただ右手の方に首を向けたら海が見える。海に降りて行く階段状の防砂堤があるが、ここに座って、たいてい15分ぐらいボーッとしている。その防砂堤の穴が開いているところに植物や、小石がぎっしり詰まっているところがあって、なかなか見ていて楽しい。2泊3日の旅行なら、少しでも長く海で泳いでいたいが、今は海に住んでいる感覚なので。ぼんやりすることの大切さを身にしみている

 ラーメンの朝食を食べた後、海に繰り出していった。もう、浮島を中心に何人もの若者が、海に入っていた。
 足ひれをつけ、ゴーグルとシュノーケルをして、ゆっくり体を海に慣らしていった。何年か前、水温が低い夏があったが、黒潮の影響で今年も温かい。
 右手の岩場からゆっくり沖合を泳いでいくわけである。岩場には、たくさんの小さな動物たちがいるので、そんな動物たちと戯れながら泳いでいった。
 今日は大きな岩の上に立って、帰りのサルビア丸に手を振った。経験的に、この大きな岩の上に立つと船の上から確認できるのである。ほぼ1時間で海からあがった。ライフセーバーと会話をし、その後はシャワー室へ。眠たいのだが、しっかり泳げることに驚いている。

まずは赤崎から

 一度キャンプ場を出発すると、夕方まで帰らないことが多いので、着替えを含めて荷物をバイクに積む。もし忘れ物があっても、それほど大きくない島なので楽だ。
 お盆が終わったこの時期になると、あまり人が来ないので、私としてはうんと住みやすい。

 人の数が減ったので、泳ぎやすかった。また、警戒心が薄れたくさんの魚たちが戻ってきていた。
 そこの方を泳いでいると、ツノダシやヒメアカダイ?がいて、思わず水中で追いかけ回した。近付くとすぐ逃げてしまうので、撮影のポイントまでなかなか行けず、仕方なく遠くから写すしかなかった。

キャンプ場に戻ると・・・

 昼食を購入するために、バイクで海沿いの道を走った。キャンプ場の近くまで来た時、ついでにテントによった。すると、写真のような美しいブルーの海が広がっていることに気付いた。沢尻湾は、いつも朝か夕方にしか泳がないが、昼間もこんなに美しい世界だと言うことを知り、偉く感動した。バイクを停めたまま、テントの前に置いた椅子に座りながら景色を堪能した。スポーツドリンクを飲み、水分補給もした。

 今日も船で新しいキャンパーがやってきていた。何気なく目を向けると、見たことがある人だった。話しをすると、2年前来たことがあり、娘さんもその間かなり身長も伸びたようだ。式根島もそうだが、この神津島もリピーターが多い。それだけの魅力を持っている島だと思った。

 4人家族がいた。目の前を通過するJET船を見ていた。彼らは、海の中でいろいろな生物を獲ったようだ。その入れ物の中を見せてもらった。ウノアシガイやシッタカといったありきたりの物ばかりだが、その子供は自慢げに見せてくれた。
 奥さんに「食べれるのですか?」と聞かれたので、「生はやめた方がいいですよ。」と答えた。

お昼は贅沢に・・・

 時間になるとおなかが空く。それだけ健康な生活をしているという証拠だろう。
 バイクで村の中のスーパーに買い物に行った。今日は無性に蕎麦が食べたくなった。冷たい天ぷら蕎麦をすすりたくなった。天ぷらと生の蕎麦をかごに入れたところで、やたら時になる物があった。それは八丈島ではしばしば食べた「島寿司」だ。メダイだった。5分ほど悩んで、これも購入することにした。かなり贅沢な昼食になった。

食事の後は島の散策に

 おなかがふくれたところで、バイク島の散策に出かけた。まずは高いところに行き、そこから海を眺めた。式根島は小さな島なのであまりバイクで散策する場所は多くない。一方八丈島は大きすぎて、バイクでの移動時間が長すぎる。そういう意味において、神津島は手頃な島だ。改めて、私はバイク旅が好きなんだなと思う。

 景色を見た後、今まで走ったことがない道を見つけてバイクで進んでみた。
「行き止まりだったらどうしよう。」
「バイクが走れる道何だろうか。」
「もしもの時、携帯電話が通じなかったらどうしよう。」
そんなこと危惧しながら進んだら、「水生生物等保護域」という看板があり、薄暗い池らしき物が現れた。その先は、さらに薄暗くなって、進むのに勇気が必要だった。

 細い大きなカーブの道があり、走っていくうちの方角がわからなくなった。しかし突然視界が開け、左手に海が見えた。ここでようやく安心した。
 さらに下り坂を道なりに進むと、なにやら見たことがある景色の場所に出た。
「あれっ?? ここは沢尻の近くではないか?」
 進行方向とは逆の場所に誘導され、頭の中は大いに混乱した。しかし、いざ大きな津波等が来た時は、ここに逃げればいいと言うことも知った。

 さらに気を取り直して、先ほど通った道をもう一度進む。前浜を通り過ぎ、坂道を上る。前は間が見通せる場所に出た。さらに坂道を上っていくと、眼下に神津島の村落が見えた。

 さらに上っていく。寿命が近付いている私の青ポシェは悲鳴を上げていたが、さらにがんばってもらった。時速10km以下になった。ヘリポートも初めて見た。おもしろいことに、ここにテングサが干してあった。ジュリアの十字架も。青空にそびえていた。遠くを見ると、入道雲がわき出していて、灯台が小さく見えた。おもしろい、バイクの島巡りであった。

落日を見ながらの夕食

 帰り道、夕飯の買い物をした。またしてもお刺身。神津島の魚はうまいからなあ。ご飯は、レトルトの物を買い、それを温めていただいた。すごく幸せな1日の終わりのような気がする。

 水配りの像を見た。利島の神様が寝ている姿。
 すると前は間に家族連れが現れ、思い思いに花火を始めていた。ここは木でできた階段状の観覧席があり、そこに座って、打ち上げ花火を見ていた。

 そのまますぐにはキャンプ場には行かず、神津島港の桟橋に行った。そこで釣りを見ていた。

 夏、こうして桟橋で夜風に当たるのがものすごく好きだ。

8月19日(火)
神津島の生活実質あと2日

 こうして何日も神津島にいると、日にちがわからなくなる。日記代わりに記している手帳を見ると、神津島で生活できるのは実質あと2日だと言うことを知り愕然とする。 もうそんなに時間がたったのだろうか?台風で出発が数日遅れたことが悔やまれる。
 朝食の食パンを食べながら今日の予定を立ててみる。予定と行っても、午前中はどこで泳ぐか、そして午後はどこで泳ぐかという単純明快なものだ。

 朝沢尻湾でいつものように準備体操代わりに泳いだら、早めの昼食を獲って千両池に行くことにした。

 昨日買ったトマトソースとパスタで夕食をとったのは午前11頃だった。早めの食事だったので、早くおなかが空くことを考えてパンとドリンクを余分に買った。千両池は、かなりの急坂を下っていくので、一度行くと簡単には引き返せない。