神津島キャンプ
2013.8.5-11
沢尻湾参上

 今年も神津島に出かけた。私にとって、この夏の島旅第2弾である。
 昨年と違うのは、家内も参加したと言うことである。昨年は自分の子供たちの就職戦線に絡み、自粛した家内は、今年は島旅に行く気満々であった。家内は年齢を理由に民宿泊を希望したが、それだと予算の上であまり宿泊することができないので、うまく言いくるめて「神津島ならキャンプしてもいい」という言葉を出させた。
 当初は神津島で3泊、式根島でもキャンプを体験し、その後民宿に入る予定であった。結果的には、居心地がよかったので、神津島で5泊キャンプし、式根島で民宿2泊という行程になった。

プロローグ
バイク.....

 バイクについて1言・・・
 私(バボ)の青ポシェは、中古で購入したが、ついに3万kmを数えた。しかし、急激に馬力がなくなり、やや急な坂だと時速10kmぐらいにダウンしてしまうのである。平坦だとかなりスピードが出るので、買い換えを少し悩んでいた。いつも修理を依頼するバイク屋では、「あまり手を加えずに乗りつぶす気持ちでいた方がいい。」と言われた。そのつもりで、八丈島ようにHondaのグリーンチェスタを買ったが、ガタイの大きい私には、性能的には満足だが、何か少しピッタとこなかった。

 そこで、ネットで情報を入手し、別のバイク屋に出向いた。「原付で3万kmも走れば寿命ですね。」という言葉を期待していたら、部品を交換して手入れをすれば、まだまだ乗れると言うことであった。 後1万km走るなら2万5千円ほどの投資は仕方ないかなと言うことで、駆動系を修理したのである。メンテナンスという言葉の方が正しいかもしれない。
 その修理から戻ってきたばかりの青ポシェを今回は再デビューさせた。

 一方家内の「黄色チェスタ」は、あまり乗っていないためかバッテリーがだめになっていた。そこで、私が頼んでいるバイク屋により、バッテリとオイル交換をしてもらった。すると、まだ4000kmしか走っていないと言うこともあり、新車の輝きを取り戻したのである。

青梅〜竹芝桟橋

 目のよくない家内は、明るいうちに竹芝桟橋に着きたいという。バイクで竹芝桟橋に到着するのは第1の関門なので、私は午後休暇を取って余裕のある出発にした。5日(月)出発にしたのは、単に仕事の関係である。

 事前に危なくない道路を調べてあった。東福生駅と、井の頭通り分岐点で写真を撮った。

 吉祥寺駅を通過し、高井戸周辺で休憩を取った。いつものマックだ。2階のダイソーで、食器用のネットほか忘れていたものを買い足した。
 写真は、昔東京オリンピックをやったという代々木体育館だ。
  井の頭通りでガソリンを入れ損ない、ガソリンスタンド探しをしながらのツーリングになった。私の感がさえ、表参道を左折して進んだだら、青山2丁目に見つけた。地元よりも1L20円ほど高くびっくりした。これが都心なんだなと思った。

8月5日(月)

 六本木通りを通過し、東京タワーが見えてくると、やや暗くなりかけていた。しかし、ようやくほっとできるスペースに到着だ。

 東海汽船のシンボルであるマストの帆にはランプがともった。
 この時期納涼船が就航していて、浴衣姿の若い女性がたくさん集まっていた。化粧がやたらとけばくて、浴衣が今ひとつ映えなかったのは残念だった・・・

 荷物を一応移し替えて、合札(チッキ)に預けることにした。19時半からなので、やたらと時間をもてあました。

 乗船券販売開始は20時からだった。切符を買えば後は安心なので、少し待ってから株主優待券で購入した。

 夕食をとる場所を探した。一昨年家内と神津島に行ったときと同じラーメン屋に入った。暑いので、ついつけ麺などを頼んでしまった。

 辛い物が好きな私は、ついピリ辛つけ麺などを注文してしまった。ラー油1瓶分入っているのではないかと思われるくらいラー油の辛さがきいた。
 おいしいかどうかを判断する前に、辛さがすべてを奪ってしまった感がする。

 建物の3階の展望デッキから夜景を見ていた。
 22時20分発のカメリア丸が先に出航した。
 我々も荷物を持って、乗り込み口に急いだ。

 いつもは船室に入ってすぐ横になるが、今回は久しぶりにデッキに出て夜景を楽しんだ。レインボーブリッジの下を通過するときは、乗客の半分がデッキに出てきたのではないかと思われるくらい大混雑だった。
 この雰囲気が船旅のいいところ何だなと思った。少し後ろに下がり、家内の後ろ姿を撮った。

神津島に到着
8月6日(火)

 船に弱い家内は、船が揺れることを心配していたが、これだけ太平洋高気圧が強いとその心配はいらなかった。各島に順調に止まり、神津島も無事神津島港(前浜港)に到着した。海が荒れているときは、多幸湾に着くことが多いからだ。

 式根島野伏港桟橋に到着間近に村営船「にしき」とすれ違った。式根島は、たくさんの民宿の車があった。夏の風物詩だ。
 ここから乗り込んでくる客も10人ほどいた。2島を楽しむ「気の利いた人たち」だ。奥山さんと目が合い、挨拶を交わした。

後方には、式根島と新島が重なって見えた。

 前方には神津島の島影が見えてきた。

 今日到着した客では、どうやら私が一番乗りだ。
 椅子と屋根がついている場所が2カ所あるのだが、奥の方は2人組の男性がテントを張っていた。手前の方は、日帰り海水浴客のようだ。昨年の失敗があるので、「今夜テントを張るのか」聞いてみた。張らないという。そこで、そこにいた家族に断ってテント設営を始めた。

 正面には沢尻湾の美しい海が広がる。ほとんど海に面したという場所だ。後ろの東側は、日光を遮るための大きめのブルーシートを貼った。このブルーシートを貼れば、仮に雨が降ってきたとしても、その下でぬらさないように洗濯物を干すことができる。
 
 家内と来たときにだけ張る、「LOGOS」の2,3人用テントだ。空いていると言うこともあり、後ろの柵までの空間を占領した。もちろん道路からの出入りに困らないような場所を考えた。

 テント設営時は日光が暑いので、家内を日陰に休ませた。その後シートの上に荷物をばらまき、整理した。この段階で、私を含めて4張りのテントしかなかった。

 一通り張り終え手荷物をしまい込んだら、一休止。朝食のおにぎりタイムになった。実は今、コンビニでおにぎり100円セールが始まっていて、竹芝で8個も買ってきてしまった。テントの前で食べ始めたが、暑いので上の東屋に避難。ここからは、三日月状に広がったテントサイトがすべて見通せる。ほかのキャンパーはタープなどを張り、優雅なキャンプ生活だ。私も今回小型のタープを買ったので、持ってくるかどうか最後まで悩んだのである。無理をすればもってこれたが、バイクがさらに5kgほどの重さに耐えられるか心配だったのでやめた。

 沢尻湾の海はきれいだった。なんと言っても沖合の青と水色がたまらない輝きを見せていた。この景色だけを見ているだけで十分だと思った。
 ここで最初の神津の海を楽しんでもよかったが、「赤崎に行きたい」という家内の希望に応えて、バイクにまたがった。昨年はバイクなしだったので、バスの時刻を気にしなければならなかったが、今年は精神的に楽だった。

赤崎海岸に行く

 赤崎に続く海岸線からの景色も最高だった。神津島に来た人だけが見られる自然のプレゼントのような気がした。途中何度もたちどまってはカメラで写し、家内から指導を受けた。(笑)海の色は、一瞬一瞬ごとに変わる。ちょっとした太陽の強さでも変化するので、この一瞬を大切にしたいと思った。

 臨海学校でも実施しているらしく、たくさんの小学生がいた。展望台の上を占領していた。
 海はといえば、すぐに飛び込んでいきたいくらい美しい海がそこにあった。
 
 30分ぐらいのシュノーケルを2セットやった。
 ここ5年間で4回目の赤崎だが、初めてクマノミを確認した。サンゴイソギンチャクの中で、一生懸命敵を威嚇していた。海の中の写真は、後でまとめてのせることにする。

買い物&多幸湾の水

 時刻は午後2時を回っていた。
 初日と言うこともあり、家内の疲れを配慮して早めにあがることにした。私だけなら後で沢尻湾で泳いでもいい。水着を乾かすために、神津島をツーリングした。

 帰り道買い物をすることになった。家内は、<神津島の買い物=神津ストアー>という公式が残っていたので、マルハンというスーパーに連れて行った。

 キャンプをするときの取り決めで、食事は私の担当になっている。
 生野菜特にキュウリとトマトを買いたいというのでかごに入れた。
 家内は事前に下調べをしてきたんだろうか、「麺にかけるだけでジャージャー麺になるレトルト品がある」とか、「コーンや夏カレーが入っているツナ缶がある」とか言って、それも買うことになった。翌朝用に食パンも買った。もちろんアイスは定番だ。

 「家内」という言葉を使っているが、どうもくすぐったい。いつも呼んでいるように、これから『くみたん』でいくことにする。

 続いて、くみたんのかねての希望通りに多幸湾に向かった。ここのわき水は『東京の名湧水57選』に選ばれている物で、味といい冷たさといい最高の水だ。持参したペットボトルにも入れた。ゆっくりその湧き水を口に含んだ。一瞬で暑さを忘れ、心地よさがのどに残った。
 また、この水を飲んでいるときの景色も、これまた最高だ。

夕日を見ながらの夕食

 帰りは多幸湾キャンプ場を通る道を進み、高処山の方まで寄った。アシタバがたくさん自生していた。ここから多幸湾の入り江が見えた。

 夕日を鑑賞する時間には間に合った。あかりを持って来ているが、できたら自然の光の中で作りたい。
 今夜のメニューは、中華麺ではなくきしめんを使ったジャージャー麺風サラダと、シジミの味噌汁だ。
 例年は、神津の沢尻湾では蚊に刺されたことがないが、今回は2カ所やられてしまった。海岸に降りていく段の上に腰掛けた。
 夕食を撮りながらの夕日ショーが始まった。

 すべてがあかね色に染まった。黒い島影以外、みんなオレンジ色に染まった。

沢尻湾の朝
8月7日(水)

 昨夜は、騒がしかった。キャンパーはみんなルールを守って生活しているが、沢尻湾に隣接している中政という宿に宿泊している大学生だ。学OO大のサークルだ。同じ時期にキャンプしているので、今年もかという感じだった。

 海辺の朝は気持ちよい。

 午前7時。まだだれも泳いでいない。沖には白い帆のヨットがゆっくりと進んでいた。

 朝食をとっていたら、沖合を白い船が見えた。我々が乗ってきたのと同じサルビア丸だ。なんともいえないすてきな光景だ。
 ぼんやりと眺めながら食べた。
 今日の朝食は、生野菜(トマト&キュウリ)、ツナ入りグリーンカレー、食パンとコーヒーだ。

バイクで赤崎へ

 くみたんが準備をしている間、私だけ沢尻湾に入った。シマアジやフグが目についたが、カラフルな魚は残念ながら少なかった。
 ライフセーバーも現れ、泳いでいる一の姿が多くなった。ここ沢尻湾のライフセーバー、特にぽっちゃりした女の子は元気よく挨拶をしてくれ、気持ちよい。何年か前はぶすっとした感じの人もいたが、今はここが一番いいのではないか。

 2mほどの丈夫な棒を見つけた。この瞬間、私の頭の中はブルーシートを使ったタープの姿が浮かんだ。真ん中に使えば、高さも撮れ、いいのではないかな?

 相変わらず海岸線は気持ちよい。風は言うまでもなく、海の景色が最高だ。私がよく行く、八丈島や式根島もこの景色にはかなわないのではないかと思う。

 どんたくハウス周辺で、大型キノコ発見。
 キノコの傘の部分は、優に20cmは超えていた。経験上、このキノコは食べられると確信があったが、くみたんが尻込みするのでそのままにしておいた。

 毎日バイクで通りながら、誰かにとられることを心配していた。

 赤崎の海は、今日も美しかった。
 ここは外から見る景色だけでなく、海の中にもたくさんの魚たちがいて、目を楽しませてくれるのだ。
 今日は、ダイバーたちの姿が目についた。

 写真は後日だが、クマノミ、タテハダイ、コバルトスズメなどのカラフルな魚が出迎えてくれた。魚肉ソーセージで餌付けしている人もいて、魚が逃げないのである。

ヨッチョレハウスで昼食

 ようやく私もくみたんも念願が叶うのである。神津島に行く前から、ヨッチョレハウスでの食事を楽しみにしていた。定食1000円とけして安くはないが、魚の煮付けやアシタバの天ぷら、豆腐などの小鉢がついていて、トータルバランスがいい。

 赤崎でシュノーケルを3セットし、午後1時頃到着した。すると、階段の下まで人が並んでいてびっくりした。今まで運んでいても、せいぜい数人待ちだった。今回は20人以上の行列だった。並ぶことが大嫌いなバボだが、それでも並んで待つことにした。

 ここは自動販売機で食券を買う形式なのだが、いつものように『付け丼』というように決まらなかった。いつもはノーマークだった煮魚定食と焼き魚定食に誘惑の物があったのだ。私が煮魚で一番好きなのはキンメダイで、焼き魚だったらタカベだ。その両方も献立のメニューだった。付け丼を入れて3沢の苦悩の時間になった。付け丼はいつでもある。しかし、昨年の焼き魚はイサキで、煮魚はワラサだったので、明日はキンメダイやタカベは食えないかもしれない。そこで、くみたんと相談してタカベの焼き魚定食とキンメダイの煮魚定食をセレクトした。

 一緒に交換しながら食べたが、おいしかった。

くみたん恐怖の千両池

 神津島の夏の観光ポスターと言えば、赤崎遊歩道か前浜と決まっていた。ところが、今年はちょっと違っていた。なんと南の方にある、神秘的な千両池だった。
 おそらく例年なら連れて行かないと思うが、ポスターにも載った千両池にくみたんを案内したくなった。多少の知識があるくみたんはやや尻込みしていたが、行くことになった。
 前浜や赤崎と違い、ロープを伝って下まで降りる難易度が高い場所なのである。

 入り口がわかりにくい道を進むと、こんな狭い道になる。両端は崖なので、当然車はすれ違えない。本当にどうするんだろう。そして視界が開けたところから下を見下ろすと、こんなに高い場所に行き着いた。近くに灯台があるので、当然かもしれない。

 トイレの近くにバイクを置き出発。10mも歩かないうちに早くも嫌々し始めたくみたん。

 登山道のようなところを下っていく。左側は大きな入り江。そして右側に見える池見たいのが、目指す千両池だ。
「降りていくと言うことは、帰りは上ると言うことだよね?」

 途中からロープがなくなり、道なき道を進むことになる。まさに岩石上を下っていくのである。途中であった男性に、「ここからが大変ですよ。がんばって。」と、励ましか脅しかわからない言葉に固まりながら、進んだ。

 ようやくたどり着いた。海水温は高い。水深はというと、深すぎて見えないのである。岩の上から5mも泳ぎ出すと、緑色にややにごりかけた水が、視界を遮るのである。

 くみたんは岸の5m以内を泳がせておいて、私は先端近くまで行ってみた。途中から急激に水深が浅くなったようで視界が出てきた。何となく水底が見えるのである。

 昨年来たときは、大きなカンパチの群れに出くわしたが、今回は驚くほど大きな魚とは遭遇しなかった。珍しい貝を見つけてとってきたが、食べられるかどうかわからないので、また逃がしてしまった。たぶんホネガイの仲間だと思う。大きさの比較ができにくいが、貝の高さは10cmほどであった。

 赤いやや大きめのウミウシを見つけとってきた。えらや触角がユーモラスに動いておもしろかった。これも逃がした。

 帰り道は疲れたが、それほど大変ではなかったようだ。私は3回目なのでかって知った道だが、くみたんは「もう来たくない。」と予防線を張っていた。

8月7日の夕日

 くみたんは、また「多幸湾の湧き水」がほしいというので、ぐるっと飛行場の方を回って多幸湾まで行った。ここは、湧き水が出るところなのでシャワーの水も冷たい。さらに濡れた水着のまま夕暮れ近くの道を30分近くは知ったので、すっかり体が冷えてしまったようだ。体調を崩すといけないので、今夜は温泉に行き、夕食もそこでとることにした。

 今日の夕日は一段と美しい。前浜にはたくさんの人々がカメラを持って集まっていた。港に沈む夕日は、一段と美しいと思った。

 温泉で夕食を撮ろうと思ったのは、過去に海鮮丼を注文したことがあったからだ。その時は800円ぐらいだったような気がする。

 ところが、今回は1200円だった。どういう刺身が入っているのかわからないのに、1200円は払いたくなかった。そこで、今回は、おすすめメニューの中から、
くみたんは鰯の蒲焼き丼750円と
私はネギ豚880円  を注文した。予想外の出費だった。

 夕食の時間帯で高かったのかもしれないが、この値段なら、違うところで食べてもいいかなと思った。

8月8日(木)
キャンプ3日目

 キャンプしている人たち静かなのだが、民宿の騒音が深夜まで続いて大変だった。くみたんはやや寝不足だったようだ。
 朝食は、昨日買った菓子パン。そろそろ疲れが出てくる頃なので甘い物を買った。メンチカツパンは、逆に食欲を減退させた。

 9時にはライフセーバーが着任していた。若い女の子は、今日も元気よく挨拶し、愛想を振りまいていた。ご苦労さん。我々以外に2台のバイクがあった。

 長浜にはタイドプールができていて、たくさんのちびっ子達がお母さんに連れられて水遊びをしていた。静かにキャンプしたいならここなので、くみたんを誘ったが、今の沢尻の方がいいと言っていた。

 赤崎に着いた。真っ先に行くところは、今年見つけたクマノミの巣だ。まだ子供はいないようだが、親が1匹、一生懸命警戒している様がおもしろかった。

 くみたんは、少し体調が悪いと言うことなので、しばらく外で眺めるだけだった。それでも、1回は海に入れたかったので、エスコートしながらシュノーケルを楽しんだ。
 しかし、15分ほどで早めにあがった。

昼食はヨチャレハウス

 昼食の時間になった。
 通り道だったので、キャンプ場により、様子を見た。変化はない。そのまま、またしてもヨッチョレハウスに行った。完全にパターン化した感がある。しかし内容と値頃感からここ以外の昼食は考えにくかった。
 昨日温泉で海鮮丼を食べ損なったので、私はそれを、くみたんはタカベ定食を頼んだ。

 海鮮丼だが、昨日は私が好きなカンパチが入っていたのに、今日はワラサだった。昨日食べればよかったなあと思った。ほかに、メバチマグロと赤いかが入っていた。くみたんが頼んだタカベも、今日はやや小ぶりだった。

 食後は、アイスを買って食べた。すっかり定着した昼食のスタイルだ。
 観光協会の入っているマッチョレハウスの中で食べた。午後のことを話し合った。まだ体調が不十分だと言うことで、温泉に行くという。私は、また赤崎に戻って。海を楽しもうと思った。
 前浜を見ながら、キャンプ場に戻った。夏のシーズンなのに、浜辺の半分が工事をしていた。まっもなく理由がわかった。今度の国体が東京を会場に行われ、神津島はビーチバレーの会場だと言うことだ。最近は神津島の人気をすっかり赤崎に奪われ、前浜はあまり人がやってこないのでできるのだろう。

 タープ部分を少し補習した。せっかくブルーシートが余分にあるので、2枚重ねた。真ん中の支えの棒といい、なかなか傑作な物ができた。出入り口の高さも確保できたし、頑丈な作りになった。

午後は別行動

 神津島に来て、初めての別行動になった。家内と温泉の前で別れ、私はそのまま赤崎に向かった。17時に、私がまたここに来て合流することになった。
 赤崎では、水中用のデジカメを使い、たくさんの水中写真を撮った。あまり高価ではないデジカメなので、5mの水深と1時間というタイム制限を守る必要がある。今回使用したのは、リコーの物だ。

 魚を中心に、撮影した。今年は体調がよく、5m付近まで平気で潜れるようになった。昔の私に、戻りつつあった。
 ところが、これが災いした。後でカメラをのぞいてみると、レンズの中にくすみが見えるのである。
「またしても、やってしもうたかなあ・・・?」


 何度か魚をおいかけながら、水底まで行ってしまったので、必要以上の水圧がかかったかもしれない。この後、このカメラは式根島に渡ってからの使用不能だった。そして夏の終わりの島旅でも、数枚撮ると白っぽい画像になってしまい撮影も同じだった。

 くみたんと合流してから、多幸湾の方へ足を伸ばした。美しい風景と出会いたいが、それ以上に湧き水を飲みに行くことが目的だった。この水を飲むと、本当に生き返るような心地がする。体内の年齢も、本当に若くなっているのではないだろうか。

くみたんと合流して

 仕事が終わったライフセーバー達は、多幸湾に集結し、トレーニングをしていた。ボードを操ったり、泳いだりとかなり厳しい練習風景だった。
 その後、多幸湾キャンプ場の中の道を通り、「山の神・冷風穴」という涼しい穴を見学した。
 買い物をしようと言うことで、スーパーにも寄った。

 沢尻湾に戻ってくると、夕日に映える姿がドラマチックに見えた。逆光が彼らの姿を、すてきな雰囲気に包んでくれていた。

 夕食は、野菜たっぷりの煮込みラーメンを作った。体を温めるために辛いラーメンを選択したのが失敗で、かなりの食欲はあまりよくなかった。その分、先ほど買ったパンを食べさせた。

8月9日(金)
式根島行き延期

 予定では、式根島に移動する日だった。キャンプ場を移動するとなると、撤収と設置で半日はつぶれる。しかも、今回は空いているし、気に入ったテントサイトになったので、家内に提案し、延期することになった。そうすれば、八丈島では空振りに終わったU田さんとも会える。
 問題は東海汽船だが、あっさり変更OKになった。そのため、神津島を出発するのは8月11日の大型船になる。

 朝食は例によって東屋の中で食べた。
 写真に写った物以外パンも食べた。

 うるさかったG大学の学生も帰り、昨日から別の大学生が民宿に来た。こちらの学生達は、見た目は派手だが、なかなかマナーがいい。おかげで、静かな夜を過ごすことができた。

 自分たちのテントを見ながら食事をするのはなかなかいい。海の方に視線を動かしたら、サルビア丸が見えた。我々が乗ってきたのと同じ物だ。この時刻にここを通過したのだろう。

とりあえず赤崎へ出発

 バイクで海岸通りを通過する。神津島の道路は、予想以上に悪い。特に大きなコンクリートとコンクリートのつなぎ目が出っ張っていて、通たびに大きな振動が来る。せっかく26000円もはたいて修理したバイクなので、大切にしたかった。
 海に浮かぶ岩は、専門用語で「褶曲(しゅうきょく)」というタマネギ状の丸い模様があり、火山噴火の歴史を垣間見る頃ができる。

 温泉前の細い道路を通過し、道路がやや広くなったところが「めいし公園」だ。今回、初めて足を踏み入れたが、たいしたことがなくがっかりした。しかし、かまどや水道、そして少し歩くがトイレがあってキャンプはできそうだった。くみたんに言ったら、ここは却下だという。

 赤崎では、30分の遊泳を3セットやった。午後1時頃にヨッチョレハウスにつくように時刻を計算し、シャワーを浴びバイクで引き返した。1時前なら、並ばないで席を確保できるのである。

 メニューを見ると、海鮮丼や刺身定食は「シイラ」が入っていた。シイラが苦手な私は、またしても定番になりつつある「キンメダイの煮付け」そしてくみたんは「タカベの塩焼き」をセレクトした。
 今日のキンメダイはいつもより大きいなとにこにこしていたら、家内のタカベはややこぶりでがっかりしていた。日によって大きさが変わるなんて、まさに「日替わり定食」だなと思った。
 猫が困るくらい、キンメダイを丁寧に食べ尽くした。骨とひれ以外すべて食べたのだ。

午後はツーリング

 今日は晴れていて、海は最高にきれいに輝いている。午後はツーリング中心の予定を立てた。気にいったところがあれば、そこで泳げばいい。

 久々に、美しい多幸湾・丸島の姿を見た。

 途中、多幸湾と前浜の岩場で泳いだ。相変わらず多幸湾のシャワーは冷たい。

 夕食の後、2人で前は間の前にある土産物屋を冷やかしに行った。神津島のTシャツを土産にリクエストされていたので、何軒か周り服の素材や値段と比較した。

8月10日(土)
神津島5日目

 明日は午前9時にバイクを預け、船に乗ることになっているので、実質神津島最後の日といってもよい。
 珍しく5時頃目が覚めたら、老人達がすでに浜辺に集合していて、まもなく浜辺の海藻掃除が始まった。ご苦労様です。

 8月も中旬を迎え、キャンプ場のメンバーが替わってきた。当然いつまでもいるわけにはいかないが、それでも知っている顔やテントが消えていくのは寂しい。
 同時に、懐かしい顔の人もやってくる。神津島は、毎年同じ時期に同じ人がやってくるのだ。顔に記憶のある外国人もやってきた。

 今回仲良くなったのは、このカップル。バイクのことで質問を受け、その後会話をするようになった。女性の名前は聞かなかったが、男性のイタリア人は「チッキー」という。バイクを持ち込むときの名前と同じでおかしかった。

 「大丈夫。」そんな楽天的な思考のチッキーがとても気に入った。バーベQのできる簡易コンロを炭をつけて譲ってあげた。

まずは赤崎詣で

 海岸線の道を、くみたんとバイクを連ねて走る。最高に気持ちよい。左側に海岸線を見ながら走れるので、真っ先に今日も赤崎を目指してしまった。
 毎度のことなのであまり写真は撮らなくなったが、全部で2時間以上、この海の中を散策していた。

 そして午後1時に間に合うようにシャワーを浴び、体を乾かしながらヨッチョレハウスに向かう。今日は、メニューを見ないで注文した。昨日と同じ、キンメダイの煮魚定食とタカベの塩焼き定食。

 今日も完食。
 ゆっくり1時間近くをかけ、キンメダイを平らげた。おいしい。
 しかし、これでしばらくキンメダイを食べられない日が続くなと思った。

 くみたんが選んだタカベだって、神津島は1匹400円前後で購入できるが、都心に帰ってくれば2倍以上だ。隣の島でも、都心に近い金額だ。魚を食べるには、神津島は最高の島なのかもしれない。

神津島の夕日

 午後は、再び赤崎に行き、最後の神津島の海を堪能した。

 私の心が通じたのだろうか、神津島で最高の夕日をみることができた。海がオレンジ色に染まった。その海に、ゆっくり夕日が落ちていった。

温泉に行く

 明日神津島を出るので、最後の夜だ。温泉に行った。 露天でゆっくりし、今までたまった垢を洗い落とした。

 早めに夕食を食べ、まだ夕焼けが残っているうちに温泉に入った。普通に買えば800円の券だが、事前に観光協会で購入したので600円だった。水着に着替え、下にある大型の露天風呂に入った。ここはぬるい温泉で、枕木に頭を乗せることができる。
 空が赤く染まり始めたので、階段を上り上にある露天風呂に入った。水温はしたより高い。水着、しかもビキニの女性が5人いて、男性は1人だけだった。狭いので、やや目のやり場に困った。話に熱中する人もいたが、夕焼けを見つめている人もいた。

 温泉の閉館は午後9時だった。早めにあがり私は無料のマッサージ器に横たわっていた。家内が9時近くにやってきて、閉館の時刻まで2人でマッサージ器に横たわっていた。

キャンプ場に戻る

 濡れた水着はロープにかけた。明日までには、ほぼ乾くだろう。
 本調子ではないくみたんは先にテントに入って休むことになった。私はテントの外の石段に座り、キャンプファイヤーをやっている学生達を見ていた。暗闇の中にともる花火が、きれいだと思った。

 花火が終わると、学生達は宿に帰っていった。急激に静けさが戻ってきた。
 トイレに行きながら炊事場をのぞくと、4組ぐらいの人たちが遅い夕食を作ったり食べたりしていた。昨日から知り合いになったチッキーさん達もいた。私のあげた鉄板と炭で野菜やイカを焼いていた。話しかけると、何か食べろと進めてくれた。遠慮したが、さらに進めてくれたのでイカ焼きをいただいた。見た目以上においしく、2個目ももらってしまった。

 もう1組外人男性と日本人女性のカップルがいた。彼らとも会話をした。カリフォルニアから来たという。ほとんど食材がなく、小麦粉でパンケーキを作っていた。あまりにもかわいそうになり、余ったお米とカップ麺を1つあげた。感激して、カリフォルニア君は握手してきた。何でもカリフォルニアにいるおばあさんは、鍋でお米を炊いたことがあり、やり方を知っているという。

夜の散歩ツーリング

 そのまま寝ようと思ったが、明日神津島を出ると言うことが私を少しナーバスにしていた。島の夜は、風が心地よい前は間のお土産屋は家内と何回か行ったが、赤崎や多幸湾の方はどうなっているか知りたくなったそこで、そっとバイクを走らせ、夜の島を散策しようと思った三宅島の夜は怖いという思い出があるが、ここ神津島も怖かったらすぐ戻ればいいやと思った。

 沢尻から温泉を越えると、真っ暗な世界になった。外灯が全然ないところがあり、久々に闇の世界を体験した。やや明るかったのは、長浜のキャンプ場だった。ところが、どんたくハウス周辺にいくと何台か車が止まっていて、都心の居酒屋のような賑やかさがあった。「何だ・・・」と思いつつ、さらに進むと、再び暗くなった。赤崎のトイレに来て、ようやく周りが見えた。その先のトンネルを越えていく勇気はなかった。

 今度は来た道を戻りながら、前浜まで行った。水配りの像がカラフルに明かりにともされていた。写真を撮ったら、逆に怖くなった。昨年多幸湾で流れ星を見たことがあるので、キャンプ場周辺はわかるが、途中の道は怖さと危険を考えてやめた。夜の世界が少しわかった。

8月11日(日)
テント撤収作業

 船に乗り遅れてはいけないという不安からか、5時に目が覚めてしまった。家内は心地よい寝息を立てている。そのままテントの中で、体だけ休めていた。
 午前6時。テント撤収作業を始めても、文句を言われない時刻ななった。まだ寝ているくみたんを起こさないようにそっとテント抜け、杭を抜き始めた。続けてブルーシートのタープとロープを外し始めた。フライを捕ったら、さすがのくみたんも気付いて起き出した。
 そうなると早い。何の遠慮もなく、一気に片付け始めた。

 いつの間にか私たちのテントの周りには、いくつも新しいテントが張られていた。
 慣れたもので、午前7時には一通り片付け終わった。
  

 ガスコンロもしまってしまったので、朝食は昨日買ったパンだ。それをお茶で流し込んだ。不要なものは人にあげたり、ゴミ箱に捨てた。
 
 チッキーさん達やカリフォルニア君達も起きてきた。挨拶をし、一緒に記念撮影をした。

 来年の再開を約束して分かれた。家内はこうした外国人達との交流を楽しんでいたように思えた。

船は多幸湾から出発

 沢尻湾沖がやや白波が出ていたので予想していたが、今日の船は前浜からではなく、多幸湾になった。バイクなので移動は楽だが、たくさんの荷物を持って山越えをした港湾の方へ行った。
 今回は行き違いばかりであまり会えなかったU田さんに会ってお別れの挨拶をした。我々の出発はもう少し先だと思っていたようで驚いていたが、お見送りに来てくれた

 乗船券とバイク代のお金を払った。船代は650円で、バイクの方は1900円だった。
 バイクをコンテナに預け、待合室でU田さんと話をしていた。

 
 そこで、サプライズが起きた。同じ職場のMくんが奥さんと来ていたのだ。お互い島旅の邪魔になると行けないので、職場で話をしようと言うことで、U田さんとの会話を続けていた。

 船に乗り込んだ。U田さんはずっと手を振ってくれた。

 これで旅が終わりではなく、次の島に行くかと思うと、心はハッピーだった。