2013八丈島
2013.7.19−28
●プロローグ

 夏休みに入るとともに我慢できず、八丈島に向けて出発した。ようやく私の季節になった。1年間、この日のために待っていたのだ。

 出発日はカレンダーと仕事の日程とをにらめっこして、7月19日に設定した。行き先も、式根島と八丈島との選択に悩んだが、開放的なキャンプ場が気に入っているとともに、この時期毎年会っているU田さんやはぎYUたちとの再会を考え、八丈島にした。

 今回、私の島旅アイテムに新しい仲間が加わった。
 約15年愛用し3万Km走った赤ポシェの代わりに、緑色のDioチェスタを2013夏の島旅にデビューさせることにした。
 中古で購入したものだが、エンジンはすこぶる調子がいい。前かごはたくさん荷物が入る。難点は、バイク自体が小さいことだ。これから、Gチェスタと呼ぶことにする。

 後ろのキャリーはやや小さめで、愛用の紺色キャリーが使えないので、ヘルメット用の小さなものを使った。これでも、15L分の容積はある。

7月19日
自宅から竹芝桟橋

 午後休暇を取り、家内とデザートを楽しんでから出発した。
 新青梅街道を走り新宿を通過した方が遙かに近いが、いつものコースを選択した。
 【吉野街道→奥多摩街道→五日市街道→井の頭通り→六本木通り】

 原付バイクをたらたら走らせていくので、少しでも交通量が少ない方が安心だし、景色も楽しい。横田基地周辺のR16が混雑していたが、後は快調に進んだ。

 休憩を兼ね、いつもの高井戸のマックでハンバーガとホットコーヒーを注文した。これで300円。
 休憩していると、ミーニーからメールが入った。彼女はこの後式根島に行くらしい。島旅が好きな「人種」は、この時期かなり活発に行動するようだ。

 30分ほどのんびりした後、近くのエネオスで給油した。ガソリンを入れてくれたお兄ちゃんもツーリングキャンプが好きなようで、少し話が弾んだ。このお兄ちゃんも、先週奥多摩の方に行ったと話してくれた。
 後はひたすら走った。GWの時は寒くて、ジャケットの上にカッパを羽織ったが、今回は最高の気候だ。7月のバイクは最奥だ。表参道を越え、六本木を通過し、東京タワーが見えてくるとようやく安心する。

 バイクの預け入れは19時から21時30分までなので、急いで荷物の移動をし、手荷物預かり所で3060円を払う。バイクだけを送るより、遙かに安価だ。続けて乗船券を購入した。株主優待券を使い、2等で8250円。この時期はかなり高い。

 上の展望台で船を見ていたら、乗船が開始していた。八丈島行きの船はカメリア丸で、22時20分発だ。

 私も慌てて乗船口に急いだ。
 夏の島旅は、人々の心を高揚させるのに最高のシチュエーションなのだろうか、どの顔もすてきに輝いていた。あちらこちらでストロボの明かりが光った。

 今回乗るカメリア丸だが、来年は新造船の橘丸に変わるそうだ。もしかしたら、今回がカメリア丸の乗り納めかもしれないと思った。

 船の中はややすいていた。ややうるさいグループがいた。気になるのは、島旅に対する私の胸の高揚があるからだろう。

八丈島到着
7月20日

 三宅島、御蔵島に着いたのはわかっていたが起きなかった。何か変に疲れていたからだ。出発を目前にした昨日までの仕事が、多少きいていたからかもしれない。

 思ったより降りた人は多くなかった。世間では、まだ夏休みに入っていないので当然だ。今年は梅雨明けが例年より2週間早かったので、真夏の太陽が歓迎してくれたが、いつもはまだ梅雨が明けていないのだ。

 バイクを引き取りに行く道すがらきょろきょろしていた。けして若い女性を探していたのではない。少しでもいい場所にテントを張りたいので、キャンプ道具を手にしたライバルを探していたのである。

 はやる気持ちはあったが、とりあえずGチェスタの八丈島上陸を記念して撮影した。
 続いてキャンプ場に突入・・・。かなり気合いが入っていたが、右側のサイトは誰もいなかった。一瞬工事中か何かで「キャンプ禁止」が出ていたのではないかと思った。炊事棟にタケさんやしょうさんの姿を見つけ、挨拶した。

 テントをどこにでも張っていいよ状態なので、逆に悩んだ。リベンジしてみるか?昨年チャドクガにやられた場所に行った。上の木を見てみると、チャドクガがいるような気配がなかった。5分ほど固まっていると、地元の老人がきて、「ここはいい場所だよ。」と行ってくれた。どうやら八丈島キャンプのビギナーに見られたようだ。その老人の顔は、昨年何度も見て知っているが、無効は覚えていないらしい。
 にこっと笑って、「ありがとうございます。ここに張ることにしました。」と」ブリッ古風にお礼を言った。

 バイクやリュックの中の荷物をばらまき、まず場所確保の宣言。
 なれたシングルテントなので簡単にはれた。

後は、タープ代わりのシートをどうするかだ。あまりテントを奥に張って万が一毛虫がいたらいやなので浅めに張ったら、枝をうまく利用できなかった。そこで南から吹き込む雨を想定して斜めに張ることにした。

 緑系のシートは私の主張だ。うまい具合にいす代わりの木の根っこを見つけ、利用することにした。

まずは八重根港へ

 昨夜買ったパンをほおばった。早く海に入りたい。キャンプ場に接している底土海水浴場に入るのは楽だが、まず枕にも使う2Lペットボトル入りのドリンクを購入したい。
 八丈ストアーを経由して八重根のタイドプールを目指した。

 神津島や式根島に行っていると、つい緑色の海のイメージが強いが、八丈島の海はやや群青色をしている。八丈ストアーで、物価を調査。食料品は昔に比べてずいぶん高値感がある。それでも、2Lのウーロン茶を200円以内で買えたのはラッキーだった。

 空港前に続く椰子の並木道を一気に越えて八重根港の方角に行った。海が、私を呼んでいると思った。焼けんが浜が1年ぶりに迎えてくれた。

 八重根のタイドプールにはたくさんの人が集まっていた。子供会のようで親子でバーベQをしていた。少し入りにくい雰囲気であったが、そこはバボ、がんがん進んでいった。水温は低い。水慣れに時間がかかったが、中に入った。
 昨年よりは水がきれいだった。あまりきれいでない海に生息するイソギンチャクの仲間が少なくなっていて、カラフルな魚が入っていた。

 岩にこびりついているこけの中に、光るものを見つけた。ビー玉そっくりのものだった。

 海藻なのか、動物の卵なのかわからずおそるおそる手を出してみた。思ったより固かった。3つほどとって海の中から出してみた。海藻の仲間だと確信した。しばらくするとブヨブヨしてきたので帰りは海に戻した。

ランチ&ツーリング

 久しぶりに海に入っていて寒さに震えてしまった。
 「八丈島の海=暖かい」という感覚しかなかったので、自分の体調が悪いんだと思ったが、後で17度ぐらいの冷たい海流がきていたことを知り、納得した。
 まず水着を乾かすために、バイクを乗り回した。日差しが強い八丈島では30分ほどで乾いた。

 浅沼というスーパーで昼食を購入した。夜は贅沢しようと思い、明太子の海苔巻き(210円)・千切りキャベツ・納豆3パック、総額350円ほどのという安い昼食をとった。都内では300円以内でランチを食べられるが、食品の物価が高い八丈島ではなかなか上的だった。

ホタル水路へヘゴシダと会いに行く

 海水温は低いので、午後は海以外の楽しみを求めた。昨年帰る前日に訪れたホタル水路へヘゴシダと会いに行った。奄美大島に行って以来、このヘゴシダが気に入った。そしてこの生きた化石を見ると、心の高揚を覚える。

初日恒例のツーリング

 時刻はまだ午後3時。このまま、初日恒例のツーリングをすることにした。ただ、新顔のGチェスタの力がよくわからないので、坂上方面は別の日にすることにし、三根と大賀郷周辺を走り回った。そのため、例年よりはガソリン代を節約することができた。大坂トンネルを越えて坂上の方へ行くと、すぐに燃料を使ってしまうからだ。

 大里の玉石垣の周辺まで行ったが、大坂トンネルを越えることはやめた。ガソリンをたくさん消費してしまうのと、バイクの力を試すのは明日にしてもいいかなと思ったからだ、その代わり、横間海岸に行き、そこからの景色を撮影した。

 蛍水路に行く途中、野菜の自動販売所があった。地産地消の精神で、地場野菜を売っていた。キャンプをすると野菜不足になることは目に見えているので、キュウリとプチトマトを買った。両方で250円ぐらいだっと思う。八丈島のキュウリはかなり大きかった。

夕食は千畳敷で

 先ほど張ったテントが心配で一度キャンプ場に戻った。私のテントを張ったサイトには、誰もいない。テントは私だけだ。寂しいとは思わなかった。よほどひどい風雨がなければ安眠は保証されたと言ってもいい。
 昨年に習い、スーパーで弁当を買い、夕日を見ながら食べようと思った。虫除けスプレーと電灯だけはバイクに入れた。

 スーパーで買い出しを済ませ、千畳敷に着く頃は空はいい状態になっていた。落日には間に合わなかったようだが、その後の夕焼けはすてきな輝きを見せていた。千畳敷のサイトはキャンプを許可されていないはずだが、地元の小学生のテントらしきものが3張り合った。邪魔をしないように、億法へ進んだ。

 八丈島での最初の夕食と言うこともあり、今回はやや贅沢をした。なんと「尾長鯛」の島寿司だ。青唐辛子のきいたたれに少し漬けてあり、わさびの代わりに西洋がらしが付いている。わずか8貫だけで、まともに買ったら1260円だ。寿司屋に入ったら、軽く2000円は超える。メダイやカンパチに比べて高めだが、私はこの尾長鯛の島寿司が一番好きなのかもしれない。早く食べてしまうのが惜しく、いつもよりは長くかんでいた。口の中に、さわやかは油が広がり、「おいしい」という言葉以外見つからなかった。
 空はいつの間にか水色よりもあかね色の方が多くなっていた。海も、いつの間にかピンク色に輝いていた。

 八丈小島の上の雲はいらなかったが、後は完璧な色彩空間が描かれていた。蚊に何カ所も刺されてしまったが、それほど真剣にこの夕暮れの世界に浸っていた。

光るキノコの観察会

 この後、続いて植物園の方に行った。まだ確認していないが、昨年のように「光るキノコの観察会」があるだろうという確信があった。学生時代生物科だった私は、今もなお「生物の研究会」なるものに人一倍興味関心がある。脳が、そのような生物の研究を欲しているのだ。
 あいにく満月に近い月のため、夜光タケの観察には適していなかったが、指導員との交流がまた楽しかった。

7月20日(土)
共同棟が進化していた

 昨日はつり客がたくさんいたので、遠慮して近寄らなかったため気付かなかったが、かまどや水道の数が増え、きれいになっていた。そういえば、私が張ったあたりはかまどが1基あったはずだが、きれいに取り払われていた。

 今日の朝食は、昨日スーパーで買ったおにぎりと、生野菜(キュウリ&トマト)とツナ缶の予定だった。そこへ地元の釣り師が来て、つれたばかりのムロアジを調理してくれた。肉がこりこりして朝からごちそうになった。この地元の釣り師とはその後仲良くなり、「まこさん」と呼ばせてもらった。お礼に、トマトをあげた。

 キャンプをしていて困るのは、携帯電話の充電だ。携帯電話が普及する前が懐かしい。誰かと連絡すると言うよりは、「明日の天気」が最も重要なので、乾電池が使用できる小型ラジオを持って行った物である。

 今回、毎晩家との連絡を取るように命じられていたので、予想外に充電量が減っていた。いつもは携帯電話もほとんど使わないので、どれくらい減るかは想像できない。
 八丈島の充電事情なら、東海汽船の待合場に「FOMA専用の充電器が設置してある。私はここで、2回ほど充電した。

充電事情
海水浴

 30分ほど充電したら、今すぐにでも海に入りたくなった。暑いので当たり前だ。空港前を通って、また八重根のタイドプールに出かけた。昨日寒いと思ったのは体調が優れなかったからかと思ったら、水温が17℃ぐらいしかないと言うことを聞き納得した。ちょうど八丈島周辺に寒い水の固まりがあると言うことだ。
 今日も無理をせずに、30分弱のショートシュノーケルを3本やった。海水と体温が少しずつすり寄っていくようで、調子があがってきた。

 バフンウニの殻を見つけた。割れなければ家に持って帰りたい。
 スーパーで買い物をし、キャンプ場に戻ってきた。そして、ハイビスカスの見えるシャワーを使い塩を落とした。続いて昼食作りだ。地元の武さんが、ムロアジのミリン干しをくれた。早速焼いた。非常食でなければ、刺身の方が数倍うまい。
 続いて、メインはうどんだ。薩摩揚げのだしを使い、薄味に仕上げ、さらに得意の納豆汁風にする。これがうまい。なかなか理解されないが、うどんと納豆は最高の相性だ。

午後は底土港へ行く

 午後はキャンプ場に隣接している底土港に行った。歩いて2分もかからない。走れば1分だ。

 トコブシの口上げのようで、漁師さんがものすごく浅いところで何かをとっていた。邪魔にならないように、海水浴場の方へ行った。海の色は美しかった。ここはまり水温が低いという感じはしなかった。30分泳いで30分休むというようなサイクルで、2時間ほどいた。うまい具合に日陰の場所ができ、そこで横になっていた。

 シャワーを浴び、キャンプ場に戻った。行きは東屋のところから降りたが、帰りは私のテントのところまで続く道をつかった。

 相変わらず、今日も誰も来なかった。静かな夜が保証された感じだ。

坂上までバイクで行く

 バイクの力を試す意味でも、大坂トンネルを越え、坂上地域に行った。「おおさか」は、地名の大阪ではなく、大きな坂という意味の「大坂」である。

 樫立という集落を越え、中ノ郷に入ってから海に向かって下っていく。大きなヘゴシダがあるところが「裏見が滝」で、温泉や滝がある。バイクと比べてみても、かなり大きなシダの木がおい茂っているのがわかる。
 温泉に入るつもりだったが、靴箱にはたくさんの草履やサンダルがあったので、藍ヶ江の方まで行った。ここならいつでもこれるし、帰り空いていたらはいるつもりでいた。しかし、今回の島旅では一度も入れなかった。

 裏見ヶ滝周辺には、珍しい植物があったので撮影した。単子葉のユリ科に属すのではないかと思われる白い6倍体の花、そして「子持ちシダ」。学生時代、ある研究室の教授が、趣味でこの子持ちシダを一生懸命飼育していた。当時は、何が楽しいのかわからなかったが、同じ年齢になってみて、その趣がわかるようになった。
 家に持ち帰りたいと思ったが、結局持ち帰らなかった。忘れたのと面倒くさいという感情が、錯綜していたからである。

 山くずれがあったのだろうか、地層がむき出しになっているところがあった。足湯に少し浸かった後、崖の上から藍ヶ江の海を見下ろしたら、若者が数人泳いでいた。近くまで行って話しかけたら、水温は低いといっていた。

 帰り道。大坂トンネルの近くの展望台で、海を眺めた。落日は期待できそうになかった。下り坂を、バイクでゆっくり下りていった。スーパーに行って、今日もお寿司を購入したい。

赤い世界の中で夕食

 最高の夕焼けを見た。空がここまで赤くなると思わなかった。
 今日も蚊に刺されたのを忘れていた。ゆっくりゆっくり、箸と口を動かした。

 今日はキンメダイの寿司だ。キンメダイが好きな私は、島寿司ではない、普通の寿司を選んだ。ほかに、ゴーヤチャンプルとスイカを買った。果物でスイカが一番好きな私は、あれば必ずスイカを買うようにしている。八丈産のスイカは、甘みは今ひとつだが、満足感はあった。

 夕食後はいつものコース。植物園に寄り、光るキノコである「夜光茸」を観察した。この自然科学にあふれる空間が、最高に居心地よかった。(真っ黒な写真になってしまったので、デジタル加工した)
 ゆっくりバイクを走らせ、夜の海風に十分当たってから帰った。

7月22日(月)
八丈島3日目の朝

 いつものように穏やかな朝がやってきた。昨年に比べて涼しいと思った。例年は、7時半になると暑くて寝ていられないが、今年はいつまでも寝ていられるような気がした。それでも眠たい目をこすってテントを出た。朝食は、昨日買ったおにぎり弁当。
 さっさと食事を済ませ、バイクに荷物を載せ出発。

 空港前の椰子の並木道をバイクで走る。景色といい、風といい、もう最高だ。気付いたら、またしても八重根のタイドプールを目指していた。昨年は、遊泳禁止の日々が続き、泳げなかったのでその反動だ。

 最初焼けんヶ浜をのぞいたら、今まで見たことがないくらい潮が引いていた。ずっと奥の方まで歩いて行けるのだ。そこで、予定を変更して、まずここで水を浴びることにした。しかし、逆に岩や玉石が体にこすられて泳ぎにくかった。
 足ひれをはいて、つきん棒を持って泳ぐのにはいいが、シュノーケルを楽しむには適していない。
 とっととあがり、隣接している八重根のタイドプールに行くことにした。

 いつも以上に人影が濃かった。よく見ると、ダイビングスクールやシュノーケル教室が開催されていた。仲のいい家族が、おじいさんやおばあさんまで入った一家総出で、インストラクターから泳ぎの指導を受けていた。
 私は邪魔にならないように、そっと海の中にはお行った。ようやく海水温が高くなってきたような気がする。暖かい潮の流れが入ってきているのかもしれない。2日前よりも、8℃くらい高いような気がした。
 周りの岩に沿って、しっかり海の中を泳いだ。

お千代ヶ浜初登場

 正直のところ、少し八重根のタイドプールは飽きてきた。簡単にお昼を済ませ、坂上の樫立地区にあるお千代が浜に行きたくなった。スーパーで食パンとマヨネーズとメンチカツを買い、前に設置してあるベンチで野菜ジュースとともに胃の中に流し込んだ。ガソリンの量を確認し、一気に坂を上っていった。

 天気がいいので、途中展望台からは地上小島を望んだ。海は最高の微笑みを与えてくれた。
 何度も行った道なので、迷うことなくお千代が浜に着くはずだったが、曲がるのが少し早く行き止まりにぶち当たってしまった。

 お子様用にタイドプールは水が浅すぎて、泳げない状態だ。しかし右側の入り江は、楽しそうだ。例年よりの潮の引きが弱いようでシュノーケルが楽しめそうだ。
 勢いよくしたにおりていったが、予想外に駐車場が混んでいた。旅行客のレンタカーと言うより、地元の若いお母さん達が子供を連れてきていた。

 狭いスペースにバイクを停め、海の方へ向かうと、黒いウェットスーツを着けた漁師風の人がタケかごに何か獲物を入れてあがってきた。音からしてイセエビのようだ。
 八丈島の南側に面し、直接波がやってくるこの浜は、やはり潮の引きが強い。少し沖合まで泳ごうかと思ったが、流され気味だったので浅瀬まで戻ってきた。海の中は、岩にこびりついたテーブルサンゴがいくつか見られ,、チョウチョウウオが何匹も見られた。今年は、まだデジカメを使っていない。

続いて藍ヶ江港にも行く

 ここは子供がかなり多かった。というのも、プールを開放していたからだ。
 続いて、バイクで隣の集落にある藍ヶ江港に行った。20年ほど前、家族旅行できたとき、ここの海の豊かさに驚いたが、今は大型の魚が見られるが「涸れた海」の感じがしてならない。水面にゴミが無数にあって、もうここで泳がなくてもいいかなと思えるようになった。

洞輪沢温泉は休みだった

 早々に藍ヶ江を退散し、せっかくなので末吉まで行くことにした。灯台を見た後、洞輪沢(ぼらわさわ)温泉に行くつもりだった。
 ところがなんと、温泉は1週間に1度の休日に当たってしまった。

 今日は「登龍峠」を通るのはやめた。昨年、バイクにかなりの負担をかけその後不調になったので、冒険をしないことにした。

 同じ道をちんたら戻り、スーパーでアイスと野菜チップを購入した。近くに「中田屋のアイス」の店があったが、どうも私はおいしいとは思わない。

思いがけないヘゴシダの森
南原千畳敷で夕食

 今日もスーパーで食材を買い、海を見ながら食事をした。いつものように南原千畳敷に行こうとしたが、かなり雲が出てきたのでやめた。案の定、夕焼けはそれほどではなかった。今夜の夕食は、カツカレーだった。スーパーに行ったが、食べたい寿司はなかった。そこで気分転換を兼ねて洋食にしたのだ。

 続いておきまりのコース、植物園に行き、「光るキノコの観察会」。

 説明をしてくれた静岡大の学生が、なかなかおもしろかった。生命工学を専攻していて、生物の発色に興味を持っているという。 キノコが光る要因は諸説あるが、彼は「動物の誘因説」を信じていて、ナメクジなどに食べさせるために光を放つが、代わりに胞子などを運んでもらうと言っていた。
 大学こそ違うが生物を専攻した私は、自分の後輩のように思えた。そういえば、安田大サーカスのクロちゃんに似ているなあと思った。
 

7月23日(火)
ついに隣にテントが張られた

 昨夜帰ってきたときから気付いたが、私のテントの隣についに別のテントが張られていた。大きい。さらに高級な有名ブランドだ。うるさい家族連れだといやだなと思っていたら、後で話してわかったことだが、地元の人で夏休み楽しむために毎年張っている方だとわかった。何となく記憶があったので、昨年とテントが変わったことを指摘すると驚いていた。

 そういえば、ここ4年ほど毎年顔を合わせている「ハギYOU」はどうしたんだろう。 U田さんは仕事の関係で今年こられなくなったというメールをくれた。H川さんも、昨年あれほど再会を約束したのに顔を見せていない。 式根島に行く仲間の誘いを断ってまできたのになあ・・・。 昨年一緒にミニコンサートをして盛り上がった「たまり場」の連中もいない。

 正直言って、予定のほぼ半分の日数が過ぎようとしているので、少し焦った。

 今日の朝食は、やや貧弱だ。キュウリ2本をマヨネーズで食べ、チーズパンとコーヒーだ。本当はのり弁も買ったが、テントの中の暑さにやられて、食べようとしたらにおったのでやめた。ここで食中毒を起こしたら、せっかくの島旅が台無しになる。

 その分お昼はリッチに行こうかと自分を慰めていた。

底土港でゆっくり過ごそう

 キャンプ場にいり人間からすれば、底土海水浴場は天国のようだ。近い。自転車の必要もない。まるで自宅の庭に出るような感覚で、坂を下っていけばよい。

 私のシュノーケルだが、昨日水洗いしてついた水を飛ばしていたら、シュノーケルを支えているゴムが突然切れて、プラスチック部分がかけてしまった。そのため、ゴーグルにシュノーケルを固定できなくなってしまった。普段はすぐになくしてしまって、何度か買い直しをしなければならなかったが、今回は珍しくゴムが劣化するまで使い続けていた。そろそろ替え時かなと思いつつ、今回の八丈島まではこれを使うことにした。何となくぼろっちい感じのシュノーケルセットだ。

 海の中では、昨年以上のサンゴを見ることができた。水温もすっかり高めで安定し、長い間泳いでいても全然寒くならない。むしろ温かい。1時間ぐらい泳ぎ続け、30分ほど休むと行ったプログラムを組んだ。
 今日は、ややゆるめの日だ。

 総菜を買い、食パンに挟んで食べた。スープがほしくなり、カップ麺も購入した。八丈島では、大半のスーパーでお湯をもらえるので楽だ。デザートもほしくなり、かき氷のアイスと、「ピーマン」と表示されているバナナを買って食べた。バナナは、カリウムを摂取するのに必要不可欠な物だ。

八丈富士側をツーリングした

 午前中泳ぎすぎて疲れたので、午後は八丈富士の麓の道路を1周回った。式根島のような小さな島では、どこに行くにも歩いて行けて便利だが、私のようにバイクを持ち込む物には、物足りなくなるときがある。その点、8の字型に道路がある八丈島はどこにも行けて便利だ。

 ほとんど車に出会わない道を、ゆっくり進む。場所場所で草いきれのにおいがしてくる。時速35kmの風になると、周りの景色もおもしろいように飛び込んでくる。開けた場所で海を見たり、展望台に上ったりした。

 今回の主人公は八丈小島だなと思った。
 バイクを走らせるたびに、いろいろな表情の小島が見えてきた。

お祭り初日

 八丈島には、新町役場が完成した。それを記念して、今年は3日間ここでお祭りがあるという。
 祭り好きの私は、早速繰り出すことにした。
 祭り会場で焼きそばでも食べようかと思ったが、スーパーをのぞいてホットドッグを購入した。大きなソーセージが入っているのに、割引価格になっていて1本100円だった。さらに、ショウガ焼き弁当を買った。
 これらを持って、バイクで会場に向かった。祭り初日とあって、子供たちの好きなアトラクションも用意されていて大変な混雑だった。歩いて3,4分かかる空き地に案内された。
 

 会場内外にはたくさんの露店が並んでいた。おそらく50以上は並んでいただろう。会場内は、八丈島の商工会の人々がアルコールやおつまみを販売していた。また抽選会もあった。私も抽選会に参加できるだけのお金は使ったが、観光客だと思われたのか、抽選券をもらい損ねたため1回もできなかった。

7月24日(水)
底土港にホラ貝があった

 朝、ガソリンを入れに行った。1L=176円。八丈島では島の助成があるため、他の島よりもガソリンの値段は安い。ちなみに神津島は1L=200円、式根島は1L=199円。しかもTカードが使えた。
 わざわざ坂上に行かなくても、底土港で十分楽しめるのがわかったので、今日は1日底土港で泳ぐことにした。

 サンゴの上を泳いでいたら、やたらと大きな貝があった。サザエやアワビといった有名な物ではなく、細長い巻き貝だ。それを手にとって、監視場にいる警察官や地元漁師の方に聞いたら、「ホラ貝」だと教えてくれた。「食ったらうまい」と言われたが、貝の中からは、黄色地に茶色の斑点マークが無数にあって気持ち悪い色をしていた。まるで漫画のピカチューのような色彩感覚だ。
 すると、私が持っていたのを見た別の方が、「おれもとったぞ。」ともっと大きな物を見せてくれた。私がとったのは20cmほどの長さだったが、その方が見せてくれたのは30cmはある。なぜか今日はやたらとホラ貝が出現する日なのかもしれない。

 得意の納豆入りうどんを多べた後、午後も底土港に行った。
 この日は雲がたくさんあり、海水浴には向かない日なのかもしれない。雨は降っていないのに、観客は圧倒的に少なかった。

 どこかの学校が臨海学校に来ていた。聞いてみると、長野県の学校だという。

 この日は残念なことがあった。
 泳いでいて、シュノーケルをなくしてしまったのだ。正確に言うと、浅いところまで戻ってきて、そこでゴーグルとシュノーケルを外したことまで覚えていたが、シュノーケルだけがなかった。

 探したがなかった。

 島でシュノーケルを購入すると高いので大きな出費だが、ないとつまらないので1050円を出して購入した。

予定外の出費と言えば、後2つある。
 1つは唇が荒れて「ヘルペス用の軟膏980円」、もう1つは予想外の寒さに「長袖のシャツを780円」で購入したことだ。

コンサートを楽しむ

 八丈島夏祭り・第2弾は「コンサート」だ。昨日と同じ会場だ。同じコンサートを見るなら、最前列の席を確保したい。早めに海からあがり、シャワーを浴びてから着替えて出かけた。
 昨日に続いて、スーパーで弁当を買う。コンサートが始まる前に、食事を済ませなければ・・・。またしてもホットドッグ2本とアイスコーヒーというやや物寂しい食事になった。足りなければ、後で何かを作って食べてもいい。


 今回コンサートで出演するアーティストは全部で3組。出演者のことはよくわからない。地元の有志かもしれない。

 久々のコンサートに参加して、心地よい気持ちになった。体の中から、何かがあふれてくるのを感じた。みんなで歌う合唱コンクールなどは嫌いだが、こうしたギターの音が奏でる世界はすてきだと思う。学生時代、寮の仲間と組んだバンドのことを思い出した。私は、ギターが担当だった。キーボードを担当した友人がまもなく大学を去ることになり、自然消滅してしまったが、急に懐かしく思い出した。自分たちで奏でる音楽に乗って、みんなで思い思いに歌うすばらしさを再び思い出した。、

7月25日(木)
サンゴの写真を撮った

 相変わらず知った顔と言えば、キャンプ場にやってくる地元の武さん、まこさん、しょうさん。キャンプ場で再会を約束した連中の顔はない。今年はどうしたんだろうという気持ちになっていた。
 朝食はカップ麺と食パン&コーヒーだった。

 支度をして、また底土港に向かった。今日は、デジカメで海中写真を撮ることにした。カメラはSONYのTX5。表面の塗装がはがれてしまうと行った評判の悪い機種だ。しかし天下のソニー、撮影に関しては大丈夫だ。今まで水中撮影を封印してきたのは、毎年1,2個デジカメを水没させてだめにしているので消極的になっていたからだ。水中撮影できるデジカメは、他の物に対して高価だ。それなのに、毎年死んで使えなくなってしまった。今日泳ぐところは水深5m以内なので深さに関しては大丈夫だが、60分という時間を忘れないようにしなければ・・・。

 海の中にいる60分なんてあっという間の物だ。時計を気にしながら泳いでいるが、あっという間に50分が過ぎていた。
 テーブルサンゴを中心にいろいろなサンゴを潜っては撮影しまたもぐると行ったことをしていると、時間は瞬く間に過ぎていく。

 昨日は曇りがちの1日だったが、今日は朝から快晴だ。太陽がぎらぎら夏の海に向かって挨拶していた。海の色は申し分ないくらい青く透き通っている。
 少しでも長くこの場にいたくて、昼食は海の家で済ますことにした。よく火が入っている物の方がいいだろうと言うことで、「ショウガ焼き丼」を注文した。600円だという。値段的には申し訳ないが、私と同じものを食べている人がいなくて少し不安になった。当然水は出てくるだろうと思ったが出てこない。セルフサービスにしてはコップが見あたらない。聞いてみると、ドリンクは買って飲んでくれと言う。水筒を持ち歩いているので、それを飲むことにした。味や内容については、ここで語らないことにする。とりあえずおなかがふくれてきた。

午後も底土港で遊ぶ

 デジカメの方は休ませるために、午後は水中撮影をなしにした。
 泳ぐとともに、少し海岸で横になった。ふと気付くと、若い女性のグループがボートを仮で生みに乗り出していた。こぐのは下手なのか、それとも波が強いのかわからないが、何度も砂浜に打ち寄せては、誰かが降りて海の中へ押し込んでいた。

 ここ2日ほど、すぐ近くで甲羅干しをしている女性がいた。誰か連れがいるのかわからないが、少し泳いではずっとサングラスをして眠っていた。少し気になったが、消極的で奥手なバボは、ついに声をかけずじまいだった。

夜は樫立温泉へ行く

 今日も祭りの関係で「光るキノコの観察会」は休みだ。
 地元の武さんに「今夜飲もう」と誘われたが、そんな気にはなれなかった。
 今日は、行きたいところがあった。ずばり、温泉だ。シャワーだけであまりもお風呂に入っていなかったので、浸かっているだけの無料の温泉よりも、どこかで髪の毛を洗いひげを落としたかった。温泉は坂上に行かなければないので、一番近い樫立てを選んだ。ここは、しょうさんの推薦もあるが、300円という値段も手頃だ。
 いつものように、千畳敷で夕焼けを見ながら食事をし、その足で温泉に向かった。お祭りは、今日は行かないつもりだった。

 予想通り、島の方はみんなお祭りに行っていて、空いていた。貸し切り状態だった。
 ただ当てが外れたのは、以前昼間行ったときよりもお湯の温度が高く、ゆったりできないことだった。誰もいないことをいいことに、露天風呂の方を水で薄め、そこで横たわっていた。
 10時近くまでいた。無料のマッサージ器で少し体をいたわった。

 帰り道、まだお祭りから帰る人々がたくさんいた。すでに、交通規制は解除されていたが、どんどん人は流れていった。そんな浴衣姿の人々を羨ましく見つめながら、炭酸ジュースを飲んだ。

7月26日(金)
おぎYOUファミリーとの再会

 朝食の準備をしにかまどの方へ行った。そこに知っている顔があり、ほっとした。ようやく再会を果たすことができた。4年ほど毎年のようにあっている、はぎYOUファミリーだ。子供たちの成長は早く、上の子はもう中2だという。下の子も小6だ。小学校時代の姿を知っているので、ものすごく大きくなったような気がした。
 何でも、妹の移動教室があり、例年よりも来るのが遅かったようだ。地元の武さんも、昔からかわいがっているので、うれしそうだった。
 早速朝、釣りに行ったと言う。釣った魚をさばいていた。。

バボの丘から

 八丈島7日目の朝を迎えた。バボの丘に登って、海の様子を眺めた。昨年命名した懐かしい響きだ。そこから、共同棟の方を眺めた。今年は、テントが少ないなと改めて思った。武さんに言わせると、GWのときは、75針のテントが並び、大混雑だったという。

海に出かけた

 予想外に黒い雲が出てきた。雨が降りそうな気配がした。八丈島での生活は残り少ない。多少の雨でも海で大いに盛り上がろうと思った。   海を見ている女性がいて、なかなか絵になるなと思った。

 泳いでいたら、突然稲光が光った。雨は落ちてきていない。
 慌てて岸の方に向かい始めたら、監視塔から放送が入った。「雷が鳴っているので、安全確保のために全員海からお上がりください。」有無をいわせない強い口調だった。さらに、警察官が桟橋や浜辺に近づいてきた。こんなところで捕まるのはいやなので、私もとっととあがった。
 まだ11時台だったが、早めに昼食をとってしまおうと思った。買い出しにでかけた。シュウマイと納豆とキノコの入った、特製うどんを食べた。だしはチャンポン風の変わったものを使った。おいしくないはずはない。
 そのとき、私のすぐ近くに黄色いテントが張られているのに気付いた。これだけ広い空間があるので、こんな近くに張らなくてもと、少し腹が立ったが、私でもここに張るだろうなと思ういい場所だったので我慢した。

午後も底土で水中写真を撮った

 水泳再会の放送が聞こえた。それに伴い、空は急速に回復していった。しっかり青空が見えるほどはれてきた。
 昨日と同じカメラを使い、今日も珊瑚や魚をレンズで追いかけた。1時間というカメラのタイムリミットは守った。このカメラの充電器は持ち合わせていないので、充電がなくなったらおしまいだ。

 ベラの仲間が私の近くにやってきた。いつものカラフルなベラではなく、食べたらおいしそうな予感のするベラだ。4mほど潜ると、デジカメは緑がかった写真になってしまった。

 ルリイロスズメダイがいた。赤いウミウシもいた。

夕食くまみんなで

 はぎYOU達も来たことだし、タケさんの誘いもあり、みんなで夕食を食べることにした。まこさんも魚を持ってきてくれるらしい。私は、サラダ類を用意することにした。というのも、トマトが甘いのだ。

 底土で2時間ほど泳いだり寝たりした後、買い物のついでに八重根のタイドプールに行き、そこでも泳いだ。

 はぎYOUがついてきたタカノハダイを焼いた後、それを使った鯛飯ができた。カンパチの刺身がきれいに盛りつけられた。ムロアジの刺身もたくさん並んだ。夕食会に参加したメンバーは、武さん、まこさん、はぎYOUファミリー4人、建具師の親子3人、そして私の総勢10人だった。
 私が切って盛りつけしたトマト&タマネギサラダが、おぎYOUの奥さんにオリーブ油で味付けをしてもらったら、すばらしい味に変身して、これにムロアジをカルパッチョ風にして食べたら最高だった。カンパチのおいしさとは別の種類のお作りを楽しむことができた。また、ミカドベラという、クロっぽい魚は、まこさんがきれいに3枚におろし、それを味噌ぬたでいただいた。初めての味で、珍味だった。写真にある漬け物は、私が差し入れしたものだ。

 最後にアルコールだが、焼酎をベースに赤いハイビスカスを砂糖で煮込んだ汁を入れて、トロピカルなものにした。今回八丈島に来て、初めて豪勢なものを食べたような気がした。

 夜11時過ぎまで、楽しく会話をしながらの宴会になった。

7月27日(土)
今日を入れてあと2日

 せっかくキャンプ生活が楽しくなってきたのに、八丈島の生活は今日を入れてあと2日だ。海で泳ぐのは、実質強が最後かもしれない。また、島をツーリングするのも今日が最後だ。特に夕焼けの見納めの日だ。
 今日はどう過ごそうかと思いながらテントを出た。
 最初に目に入ってきたのは、同じキャンプ場にいる家族がもってきたカイトだこだ。武さんがうまくたこを揚げ、空を優雅に泳いでいる場面だった。昨日はさんざん失敗していたので、どうやら進化したらしい。

今日も底土で泳いだ

 今回の私の行動エリアは、昨年と全く逆で、ほとんどが底土だ。昨年は、ほぼ毎日大坂トンエルを越え、お千代が浜や藍ヶ江に行っていたことを思うと180℃の変遷だ。そのため、八丈島でガソリンを入れたのも3回だけだった。

 午前中はずっと底土で過ごした。はぎYOUたちは八重根の方へ出かけると言っていた。

 お昼はスーパーに行き、かき上げ天を買い、それを食パンにのせマヨネーズと醤油をかけて食べた。お好み焼き風で変わった食感だった。他に、卵入りのメンチカツも同様にして食べた。

ツーリング&写真

 午後は、ツーリングを中心にして、気に入った場所があればそこで泳いでもいいなと思った。
 ツーリング中心の写真撮影の午後になった。

垂戸(たると)海岸付近は、今回の旅では初めて行った。ここで泳ぐのもいいなと思った。

 植物園の中もバイクで通過した。

 八重根に来て、やはりというか予想通りというか泳いでしまった。

 長い時間、八丈島の風景を楽しんだ。

八丈島最後の晩餐

 八丈島最後の夜になった。今夜もはぎYOUファミリーや武さんと夕食を一緒にすることになった。まこさんからは石垣ふぐが2匹届けられていた。それにはぎYOUの1匹を入れて3匹だ。豪勢な夕食になる予感がした。
 おまけに、隣の炊事場には若もの達のグループがいて、食材の交換こもした。

 今夜のメニューはすごく豪勢だった。

◆天ぷら
 ・アシタバ
 ・ハイビスカス
 ・ズッキーニー
 ・ナス
 ・シメジ
◆鍋 (イシガキフギ鍋)
◆島オクラのマヨネーズ味噌あえ
◆ベジタブルカレー
◆白米(炊きあがりが立っている)
◆キャベツのおひたし
◆島豆腐
◆ハイビスカスのおひたし



さらに若もの達からもらった

◇ケーキ
◇スイカ

 なんと言っても今日のメインディシュは、イシガキフグのアッバサー汁だったと思う。みんなよくおかわりをしていた。また、隣のグループとの食料交換も、新鮮で楽しかった。たらふく食べた。そして、アルコールもかなり飲んでしまった。
 最高の晩餐会だったと思う。

7月28日(日)
八丈島最終日

 八丈島最終日だ。8泊9日の島旅も、いよいよ終焉を迎える。
 6時頃から撤収作業に入った。今回は、あまり荷物を持ってこなかったせいか、ブルーシートも1枚だけと言うこともあり、割合と簡単に進んだ。7時を過ぎると、急激に暑くなるので、それまでに片付けを終わらせなくてはならない。

 荷物をバイクに積み込むと、朝食の準備だ。簡単にパンのみ。
 炊事場では、はぎYOU達ファミリーがせっせと動き回っている。朝海を回遊し、ブダイをとってきたらしい。ブダイの料理が始まっていた。武さんは今日もたこ揚げに熱中していた。

悪あがき

 ブダイの口の中には、ダンゴムシを白くしたような形の寄生虫がよくいる。このブダイの口の中にも3cmほどの節足動物が出てきた。

 島にバイクを持ち込むと移動手段を考えずに、しかも自由に動き回れるのでとても便利だ。しかし、最終日早めに預けなければいけないという残念なこともある。八丈島は大型船しかないからいいが、式根島や神津島ではJet船という選択肢が使えない。
 この八丈島は、9時までにバイクを預けなければならないので、大変だ。例年なら、30分ほどツーリングしながら八丈島の風を浴び、それで終わらせていた。
 今年もそのつもりで、荷物を置いたままバイクで神港の方へ進んだ。しかし、もう一度海に入りたいという欲望が芽生えてきた。腕時計を見ながら計算する。ツーリングをあきらめ、すぐ戻れば底土港で30分ぐらい泳げる。考えながら、すぐ行動に移し
た。最後の悪あがきだ。せっかく帰りの着替えをしたのに、それで泳いだので、水着で帰る羽目になった。

 少しだけサンゴを見た。ゴーグル&シュノーケルと水着1枚。ラッシュガードはつけずに簡単な「八丈海納め」の儀式になった。

東海汽船待合場

 はぎYOUファミリーとお別れの挨拶をした。来年は、長男の高校受験のためこられないかもしれないと言っていた。入れ違いで、知り合い夫婦が来るので、「よろしく」と言付けた。
 バイクをチッキで預けた後、待合場で携帯電話の充電をした。今回はこれで3回目だ。船の中でできる予定だが、念のため。

 帰りたくない私は、一番最後に船に向かった。八丈島から戻る人々は、飛行機を使うみたいで、驚くほど少なかった。40人ほどだったかもしれない。明日研修がなければ、もっとゆっくりできるのになあ。

船の中から・・・

 懐かしい景色が後ろへと流れていった。これが、船旅の醍醐味の一つなんだろう。

 しばらく眠っていて、御蔵島で起きた。ここでは、250人ほどの人が乗り込んできた。

 みんなウェットスーツの入った大きな鞄を持っていた。今はやりの「イルカウォッチング」に参加した人たちだろう。別れを惜しむように、島に向かって手を振る姿が、御蔵島の風景なんだろうと思った。

 さらに1時間ほどの公開で、三宅島に着く。三宅島はかなり緑が復活していた。2年前取りも遙かに・・・
 ここは釣り客が多いなという印象だった。その中で、紙テープで別れを惜しむ子供の姿が印象に残った。

 レストランの営業時間が終わってしまい、わびしい食事。どうせ寝ているだけだからおなかは空かないが・・・

 カメリア丸は、竹芝桟橋に20時頃到着予定だという。10時間ほどの航海時間だ。
 東京湾の中で、夕日を見た。東京湾の夕日も、なかなかすてきだなと思った。

エピローグ

 竹芝に到着した。もう、真っ暗になっていた。東京タワーの夜景を見、ひたすら青梅に戻る。到着は、午後11時半を予定。

 今回使用したGチェスタも、9月には友人に譲る予定だ。1年限りの島旅になった。

Goodbye Hachijyoujima