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像面フラットナーによって、格段に写りが良くなった新手作りレンズ(2022年4月号)

手作りレンズの目的は球面収差によるボケ描写を楽しむところにあり、他の収差を思い通りに補正することはできません。特に周辺ほどぼけてしまう像面湾曲はあきらめていました。ところが、その像面湾曲を補正することができ、周辺までシャープに、さらにボケ描写も均等な画像が得られるようになりました。

像面湾曲の補正について学んだのが1999 年に朝日ソノラマから出版されたこの本です。像面湾曲が十分に補正できなかった時代、感光面の直前に凹レンズを置くことで像面が平らになるようにしていました。その原理は、結像しようとする光線が厚さのあるガラスを通過すると、その厚さと屈折率に応じて結像点が後ろにずれることから凹レンズによって周辺ほど結像点が後ろにずれて像面が平らになります。この働きをする凹レンズが像面フラットナーです。

凸レンズによる像は画面周辺ほどレンズ側に結像するためにその像面は湾曲してしまいます。これが像面湾曲という収差です。

像面フラットナーによって格段に写りが良くなることから、手作りレンズを立て続けに3本作ってしまいました。