1本で3本分活躍するトキナーFiRIN20mmF2の描写
1本で3本分活躍するトキナーFiRIN20mmF2の描写
ソニーEマウント専用の交換レンズですが、いろいろと撮影してみたところ、そのEマウントボディに対して実に当を得た好企画の交換レンズであることがわかりました。AFではなくMFですが、実はこれがデジタルズームにおいて功を奏します。
α6000 α7Ⅱ
α7Ⅱに組み合わせた時は大口径の超広角レンズですが、フィルター径は62ミリと、とてもコンパクト。付属の角形レンズフードは単焦点レンズ故に遮光効果もあり、プラスチック製なのでレンズプロテクターとしても役立ちます。またこのレンズフードを装着したままレンズキャップの着脱も可能です。
_____________________________________________________馬場信幸
拡大画像
拡大画像
クリップオンフラッシュにケンコーの「影とり」を付けてのスローシンクロ撮影です。背景の点光源のボケは絞り開放ながら口径食はなく全画面で円いです。ただ周辺で小さな点光源の小ボケではわずかに二線ボケの傾向があります。しかし画面中央のボケ描写は良く、味もあります。
三脚にカメラを据え、1/2秒という露光時間の最中に絞りリングを操作することで理想的な柔らかいボケ描写が得られる「露光間可変絞り撮影」。このレンズの絞りリングは動画撮影用にクリックの解除ができます。そこで絞りリングを露光中にF11から開放まで回転させると、このような柔らかいボケになります。大口径レンズと機械式デクリック絞りによって可能となる格別の写真です。
モデル/かりな
モデル/今井えり(シャノワール)
フルサイズで 20ミリの超広角ですから近づくことで、可愛くデフォルメしてみました。またネックレスのボケ量は味の領域を超えて素直なボケになっていますが、背景の微細な点光源に対しても目障りなボケにはなっていません。ババロア早春伊豆ツアー撮影会における写真です。
α7ⅡをAPS−Cサイズにしての撮影なので、画角は30ミリ相当の準広角になります。フルサイズの2400万画素に対してAPS−Cサイズではちょうど1000万画素になりますが、A3ノビにプリントし、明視の距離で見てもまったく問題のないシャープさです。この写真も、ババロア早春伊豆ツアー撮影会において撮影したものです(シマッタ!串刺しでした…)。
α6000に組
み合わせると、
とてもバランスのとれた、いい形のカメラになります。そこにラバーフードをプロテクターとして装着しました。
α6000に組み合わせると30ミリF2という、とても使い出のある画角になりますが、ここでデジタルズームを1.8倍、すなわち54ミリ相当にして撮影した画像です。これをA3ノビにプリントしたところ、見事なシャープさで、さらに後方のボケには味があるのが拡大画像からわかります。
拡大画像
この画像はデジタルズームを2倍、すなわち60ミリ相当の画角にして撮影したものです。フルサイズでは超広角のレンズが、撮影サイズを小さくしデジタルズームと組み合わせると、実用上十分な画質で標準画角のポートレートまで、しかもボケのいい撮影ができるのですから、痛快です。またソニーEマウント機のデジタルズームはAFではフォーカスエリアがカメラまかせになってしまい、希望の合焦が得られないことがありますが、本レンズはMFですから、これが問題になりません。
この画像をA3ノビにプリントし、近づいて見ると斜めになった細い髪の毛にジャギーが見られますが、普通の鑑賞距離では、もちろんわかりません。そしてこの拡大画像からもわかるように、背景の点光源のボケが周辺ではやや内側に光の偏りがありますが、全体に柔らかく、とてもいいです。このレンズはフルサイズ時には画面の中央に味がありますがそれをAPS−C+デジタルズームによって、そのボケ描写のいいところだけを使うことから、このように気持ちのいいボケが得られます。
なお上の室内撮影と、この写真はババロア函館ツアー撮影会において撮影したものです。