トキナー17〜35mmF4の描写と手作りレンズフード
トキナー17〜35mmF4の描写と手作りレンズフード
トキナーのフルサイズ用ワイドズームは16〜28mmF2.8に大きな存在感がありますが、この17〜35mmF4は、フィルター径が82ミリですが携行性は良く、明るさが1段暗いものの、画質やボケ描写は極めて優秀です。ただし花型のレンズフードがカメラバッグへの収納ではかさばることから、コンパクトなレンズフードをボール紙で手作りしてみました。 レンズのほぼ最大径に合わせ、フレアカッターとレンズプロテクターを兼ねたような形です。作っている途中で17mmの画角に配慮していたつもりでしたが実際に出来上がってからファインダーを覗いてみると左右がわずかにケラレてしまいました。そこでニコンD800を1.2倍のクロップで使うと17mmが20mm相当になりますが、画面周辺のボケ描写が良くなる、というメリットがあります。
左が16〜28mmF2.8で、レンズ前枠がレンズフードを兼ねた形状になっています。右が17〜35mmF4で、専用の花型レンズフードを装着すると、このような大きさになります。
ボール紙で作ったフレアカッター兼レンズプロテクターといった感じのレンズフード。カメラバッグへの収納でもかさばりません。
_____________________________________________________馬場信幸
黄昏時を過ぎた頃の撮影で、内蔵フラッシュに影とりを使って手前を少し明るくしましたが、絞りが開放ながらフォーカスを合わせたメニューのシャープさに驚きました。そして背景の豆電球や木の枝のシルエットのボケ方が素直です。このことからシャープさとボケ描写のバランスが非常にいいという印象です。
画面右上を拡大
画面右下を拡大
拡大画像
日比谷公園前の交差点から銀座方向を写したもので、手前の街灯の台を少しだけ明るくしようと内蔵フラッシュに影とりを使用。おもしろいことにそのフラッシュ光を反射して道路標識が明るく写っています。この画像も絞り開放ですが、画面の隅でも克明な描写です。
後ボケをチェックするために写してみた画像で、その右上隅を拡大。ほんの隅ではぼけは放射状に伸びるものの、これくらいのボケ量では二線ボケはなく、素直。またこれよりも小さなボケ量でも二線ボケにはならず、20mm相当の画角におけるボケ描写としては非常に好印象です。
ソニーのα7にマウントアダプターを介してフルサイズで撮影。17mmの超広角、絞りF4開放で周辺までこのシャープさですから、ボケ描写の良さも相まって、すばらしい描写です。
画面右下を拡大
上のオリジナル画像を垂直線が平行になるように台形補正し、画面上部をトリミング。さらに明るさと色調を補正したのが右の画像です。フルサイズから1.2倍のクロップをしていますから、実際の画角は20mm相当です。下の拡大画像はレンズとしてはイメージサークルのほぼ中央部分ですが、それにしても背景のボケがいいです。このような写真が得られるようになると、ワイドレンズといえども、後ボケの質も重要であることがわかります。
画面中央を拡大
オリジナル画像
モデル/東條ナナ(シャノワール)