ソニーRX100Ⅲの画質とレンズ描写
ソニーRX100Ⅲの画質とレンズ描写
大きくなってもいいからEVFを内蔵して欲しいと思っていたRX100に、カメラとしての大きさはそのままにEVFが内蔵されました。これこそがソニーの技術ですが、さらに液晶モニターがティルト可能になり、レンズが24〜70mm相当とワイド画角が広くなり、近接性能も向上。極めて実用性能の高いカメラになりました。唯一の欠点が、小さ過ぎて持ちにくいことです。指掛かりが良くなるグリップがアクセサリーとして用意されていますが、所詮掴み幅がないのでホールディングはまだよくありません。そこで私は木でグリップを作り、両面テープで接着。そしてもうひとつ、位置がわかりづらいことから押しにくいシャッターボタンに対しては、厚さ1mmの塩ビでボタンを作り、両面テープで接着。ソニーにおいてはここまで考えて欲しかったとは思いますが、これで至上のカメラとなりました。なお、この木製グリップとシャッターボタンは手作りで数に限りがありますが、希望される方にはババロア撮影会にてお分けします(4000円)。
拡大画像
ワイド端F1.8開放で新聞見開きを撮影
手作りの木製グリップとシャッターボタン
EVFと内蔵フラッシュを使用状態にしたところ。なおEVFの出し入れで電源のオンオフもできます。
_____________________________________________________馬場信幸
ミツバチが花から飛び出してきたところを撮ろうと、やみくもにシャッターを切っていたところ、偶然、写りました。絞りをF2.8に絞ってはいますが、見事なほどのシャープさです。そして背景のボケも素直で、感度もISO1600ですが、とても上質な画像です。
ワイド端24mm相当、絞りF1.8開放で新聞紙見開きを撮影。中心部がいいのは当然なので、ここでは4隅をそれぞれ同じ倍率で拡大してみましたが、小さな活字が読めるほどに解像しており、さらに隅を除けば極小のルビまで読めます。 ズームレンズのF1.8開放としては、驚くべき画質です。
左上を拡大
右上を拡大
右下を拡大
拡大画像
ワイド端、絞り開放で撮影したものですが、フォーカスを合わせたところのシャープさはもちろん、このような被写体であれば、背景も柔らかくきれいにボケます。ただRX100およびRX100マーク2のレンズのような画面中央部における「レンズの味」はそれほどはありません。半面、画面周辺におけるボケの崩れ方は少ないです。
拡大画像
銀座、安藤七宝店の日本人形によるカラクリ「悠久の翔」。照明によって輝度差が大きいのでDレンジオプティマイザーでハイライトからシャドーまでの再現域を広げましたが、緻密に作り込まれた人形の繊細さが見事に記録されています。ワイド端で開放から1段絞っただけですが、この小さなRX100Ⅲでここまでの写真が撮影できることに驚かされます。
拡大画像
撮影した画像をパソコンに取り込みそして拡大して、その克明な画像に驚きました。裏面照射の1インチ型CMOS、シャープなレンズ、そして画像処理のすべてが、高い次元でバランスしています。
ババロア大阪万博公園撮影会における撮影で、光学ズームテレ端70mm相当からデジタルズームを1.9倍にしたもので、画角としては約130mm相当です。ソニーのデジタルズームは2倍くらいまでであれば、A3にプリントできる画質です。
拡大画像
顔のあたりを拡大したもので髪の毛もシャープです。この画像の左右が15.5cmに見えるモニターでは、この画像は、ほぼA3プリントの実寸に相当します。デジタルズームは十分、実用になります。
モデル/かりな
拡大台形補正
函館の元町公園にある旧北海道庁函館支庁庁舎の手前には、このような台があります。朝で、そこが日陰になっているので内蔵フラッシュを発光しましたが、そこに書かれている部分を拡大し、台形補正をしたのが下の画像です。もちろんここにフォーカスを合わせてはいますが、文字がクッキリと読めます。ところでこの建物の2階は写真歴史館になっていますが、それにしてもこのカメラ台、親切ですね。
画面右端に太陽を入れたのですが、ゴーストが見当たりません。画面左にそれらしい小さく明るいところがありますが、これは別のところからの反射光でした。RX100のレンズと同様、逆光性能の高さも見事です。
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