ソニーDT35mmF1.8の味のあるところをマイクロフォーサーズで撮影
ソニーDT35mmF1.8の味のあるところをマイクロフォーサーズで撮影
ソニーのDT35mmF1.8は安価なレンズですが味のある描写をします。そのレンズの味は絞り開放でもっともよく現れますが、その開放時は口径食によって点光源のボケは画面周辺ほど欠けてしまいます。そこで口径食の影響を減らすには、α77のスマートテレコンやアダプターを介してのNEXのプレシジョンデジタルズームでイメージサークルの中央部分だけを使う、という方法があります。ただしこの方法では拡大再生をすると解除されてしまうので続けて撮影したいときに面倒です。そこで撮影サイズが小さいマイクロフォーサーズのカメラであれば、常にスマートテレコンの1.4倍相当で撮影できることになります。ということでパナソニックのGX1にマウントアダプターを介してソニーの35mmF1.8を装着。口径食の影響はまだありますが、APS−Cで撮影するよりは、少なくなります。でも、ソニーのスマートテレコンやプレシジョンデジタルズームが拡大再生をしても解除しないようにできれば、それですむことなんですが・・・
パナソニックGX1に宮本製作所のマウントアダプターを介してソニーDT35mmF1.8を装着。
絞り機構付きのマウントアダプターで、目盛0は絞りを開放にした状態です。フォーカシングはもちろんマニュアルですがGX1のタッチ式MFアシストによって、確実に決められます。
フォーサーズのサイズでキラキラ光る布を斜め上からやや接写気味に、絞り開放で撮影。画面周辺では口径食によってボケが欠けていますが、APS−Cの時よりはその欠け方は少なくなります。前ボケが二線ボケになっていますが、その分、後ボケが柔らかくなっています。白い枠の部分を拡大したのが右の写真で、少し後ボケになったあたりには滲み、すなわち「レンズの味」があります。
焦点距離35mmをフォーサーズで撮影するので画角は35ミリ判換算で70mm相当と、花の撮影には最適です。そしてF1.8と明るいので温室でも十分に速いシャッターが切れます。そして後ボケが、何とも心地いいです。
_____________________________________________________馬場信幸
CAPAのコラムに掲載した、造花の写真です。画面の周辺でも点光源がボケてはいないので、口径食による弊害はありません。この写真では、フォーカスの合ったところからやや後方にかけての滲んだボケがとてもいいです。ソニーのDT35mmF1.8は、安価にして味のある描写が楽しめます。
一般に緑色の葉は柔らかくボケてくれる被写体ですが、それにしてもフォーカスを合わせた花に対して、後ボケがとても心地いいです。またこの写真でも、画面内に点光源がボケてはいないので、口径食の影響はありません。