ミノルタα交換レンズの中でもユニークな存在であったAFソフトフォーカスレンズ。それがコニカミノルタ時代に生産中止になってしまいましたが、可変式かつ極上のソフトフォーカス描写によって中古品が元の定価よりも高く、良品は手に入らない貴重なレンズになってしまいました。ソニーにおいては何としても再生産をお願いしたいレンズです。あるいは新規のソフトフォーカスレンズであれば、さらに歓迎しますが・・・

再生産をお願いしたいソフトフォーカスレンズ

ミノルタAFソフトフォーカス100mmF2.8

ケンコーソフト35mmF4

ケンコーのカメラマウントを介することでほとんどすべての一眼レフに装着が可能です。ソフトフォーカスはマニュアルフォーカシングが難しいのですが、このレンズは焦点距離が短いことから距離目盛による目測で十分な精度でフォーカシングができます。絞りを絞ることでソフト量を調節し、開放のF4ではソフト量が多いのでプリントサイズにもよりますが、F5.6〜F5.6・2/3に絞ると、ちょうどいいソフト量になります。ソフト描写としてのハロ(光の滲みの散らばり)が全画面で均等なのもいいです。
 

上の二つはミノルタAFソフトフォーカスレンズ100mmF2.8の絞り開放におけるソフト目盛0のシャープな画像と、ソフト目盛1におけるソフトな画像です。ソフトフォーカス目盛1の画像は上の写真の前ボケ、後ボケの部分を拡大したものです。ソフトフォーカスにすると点光源のボケにおける光の分布の仕方が大きく変化します。なおソフトフォーカスでは後ボケが非常に柔らかくなりますが、このチャートよりもさらに前ボケになったところあたりでは、その分二線ボケになります。


ケンコープロソフトンAとマルミソフトスポットはいずれもソフトフィルターで、ミノルタAFソフトフォーカスレンズ100mmF2.8の絞り開放、ソフト目盛0の状態で装着したときの画像です。上のソフトフォーカス目盛0の画像と比較することでフィルターとしての効果がわかります。通常ソフトフィルターはボケ描写まで柔らかくすることはできませんが、マルミソフトスポットは組み合わせるレンズによっては柔らかい感じのボケになります。ただしレンズ前面に装着することから画面周辺ほど光の分散に偏りが出てしまうので、画面周辺では点光源的な被写体を避けるのがコツです。


下の画像はオリンパスE-30のファンタジックフォーカスで、デジタル画像処理ではボケそのものを柔らかくすることまではできません。

各種ソフト描写の比較

レンズの味チェックチャート

ミノルタAFソフトフォーカスレンズ100mmF2.8の絞り開放、ソフト目盛1にてレンズの味チェックチャートを撮影した画像です。左が前ボケで右が後ボケ、上がフォーカス位置で、ハロによる光の滲みがソフトフォーカス描写です。オレンジ色に見えるのが点光源のボケで、後ボケが非常に柔らかくなっており、ここにソフトフォーカスレンズ独特のボケ味があります。

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ミノルタAFソフトフォーカス100

mmF2.8の絞りF3.5、ソフト目盛1による撮影で、右の写真は画面の中央部分を拡大したものです。やや絞っていることからソフト量も少なくなっており、後ボケの柔らかさも減少していますが、その分シャープな中にも味のある描写になっています。それがもっとも現れているのが逆光で輝いている髪の毛とネックレスです。このような描写は、ソフトフィルターや画像処理では得られない、球面収差を利用したソフトフォーカスレンズならではのものです。

ソニーα900 F3.5 1/250秒 ISO

100

ケンコーソフト35mmF4をF5.6に絞ったときの画像です。カメラがAPS-Cなので約50mm相当で、このような構図ではとても撮影しやすい画角になります。フルサイズではワイドでありながら、画面周辺でも光の滲み方が均等で、この点でも優れたソフトフォーカスレンズです。ケンコーのカメラマウントを交換することでほとんどすべての一眼レフに装着できるという汎用性の高さもあり、ぜひ再生産をお願いしたいレンズです。

ソニーα55 F5.6 1/30秒 ISO1600 撮影場所/南伊豆 BLUE IN GREEN

モデル/須貝晴香(Camyu)

ミノルタAFソフトフォーカス100mmF 2.8の絞り開放、ソフト目盛1による画像で、フォーカスの合っているところのフンワリとソフトに、そして芯を残し、かつ非常に柔らかい後ボケが、球面収差を利用したソフトフォーカスレンズによる描写です。ソフトフォーカス描写においては球面収差は唯一の善玉収差、と言えます。

ソニーα55 F2.8 1/400秒 ISO200

モデル/大塚さき(Camyu)