デジタル一眼でフィルム画像をデジタルデータ化する手作りのデュープ撮影台
デジタル一眼でフィルム画像をデジタルデータ化する手作りのデュープ撮影台
長年使ってきた蛍光管式のライトテーブルの1本がつかなくなってしまいました(写真右)。そこでA4サイズのLEDトレース台をネットで購入(写真左)。電源はマイクロUSBによる給電で、明るさは調整可能で驚くほど明るくもでき、ムラもないのでフィルムの整理には十分使えます。
以前に撮影したフィルムを整理していた時、長年愛用してきたライトテーブルの蛍光管のうちの1本が付かなくなってしまいました。ただ特殊な蛍光管故に今更交換するのもと思い、ネットで調べたところ、A4サイズのLED式のトレース台で代用できそうです。そこで色のことも考慮し、サンワダイレクトの通販サイトから税込み5080円で購入しました。薄くて軽く、マイクロUSBによる給電なのでどこでも使えます。色は色温度がカタログ表記よりも高く、
赤味がやや不足気味なので色の正確な判断はできませんが、フィルムの整理には十分使えます。こうして整理したフィルムもスライドファイルに余裕がなくなったことからその画像をデジタルデータにしようと久し振りにフィルムスキャナーを使いました。ところが以前は気にならなかったものの意外に時間がかかります。ならばデジタル一眼で直接フィルムを撮影したほうが早い、ということで以前、ビデオカメラ用に作ってあった撮影台を手直しすることにしました。
_____________________________________________________馬場信幸
以前、ビデオカメラでスライドを撮影するために木で作った撮影台をデジタル一眼用に改造したものです。LED照明の光源としてはニッシンのi40フラッシュのビデオライト、そして100ボルト用の充電式LED電球を利用しました。その光を円い筒の内側を白い紙にして散乱させつつ、木枠に固定したマット状のシートを拡散光面にします。その木枠に35ミリとセミ判それぞれのマウントがピタリと位置決めできるようなガイド板を厚いケント紙で作りました。クイックシューを取り付けたカメラ台は前後に摺動し、下のツマミで固定します。 使用カメラはソニーα7、レンズはシグマ70mmF2.8マクロ Artです。
35ミリスライド用のガイド板
セミ判スライド用のガイド板
マクロレンズの上下を調節するネジ
クイックシュー
前後に摺動するカメラ台
カメラ台を固定するネジとツマミ
100ボルト用充電式LED電球
椅子の脚の高さを調節する市販のフェルトアジャスター(雄ネジ)とプラパート受け座(雌ネジ)がマクロレンズの上下調節ネジとして利用できます。
拡散面
スライド台の木枠
ニッシンi40
撮影台の下面に三脚ネジ穴を設け、このようにやや下向きにセットすると、スライドはただ置くだけでデュープ撮影が非常に効率良くできます。
35ミリ判専用のフィルムスキャナーでは不可能なセミ判のスライドでも、光の拡散面さえ対応できる大きさに作れば容易にデュープ撮影ができます。 撮影倍率がやや下がることからカメラはやや後ろに移動しています。
スライドの中心位置と同じ高さにレンズの光軸がくるようにカメラ台を作ります。またクイックシューだけではカメラは多少上下にたわむのでマクロレンズを下から支えるネジで調節すると撮影画面をピタリの高さに合わせることができます。
実際にデュープ撮影した画像と、その一部を拡大したところです。フォーカシングは倍率を高めたMFアシストで行なうと、ISO100の35ミリカラーリバーサルフィルムの粒子に対して合わせることができます。それくらいシグマ70mmマクロレンズは開放画質がいいということで、実際の撮影では絞りをF11にするとわずかに甘くなるのでF5.6~F8がいいです。そして2400万画素のデジタル一眼がフィルムの粒状性を再現していることにも驚きました。言い換えれば、2400万画素は趣味で写真を楽しむには十分過ぎる画素数ということになります。
拡大画像