シグマ85mmF1.4Artの描写
シグマ85mmF1.4Artの描写
フィルター径が86ミリ、重さ1,130グラムと、85ミリF1.4としては、かなり大きく重いレンズですが、その光学性能は超一級。ボケ描写においても、画面中央では味があり二線ボケもないなど、なかなかの好印象です。
_____________________________________________________馬場信幸
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モデル/斉藤絢女
CAPA付録のボケ味チェックチャートを画面中央で撮影したもので、後方微~小ボケが滲んでおり「レンズの味」があります。F2に絞ると味はかなり消えますが後方小ボケが柔らかいです。そして前ボケが二線ボケになっており、これも「味」がある証拠です。 また縦縞や砂目、そしてボケたところにおける色付きはほとんどなく、軸上色収差の補正も優れています。
フルサイズでここまで近づくと被写界深度も浅くなりますが、フォーカスを合わせた手前の目の鮮明な写りは爽快です。そして奥の目とトケイソウの、やや後ボケになったところのぼけが心地良く滲んでいます。
さらにアップによる撮影です。フォーカスを合わせたところの、被写界深度の浅さがとても気持ちがいいです。絞り開放時、画面周辺で点光源がぼけると通常の口径食はありますが、F2に絞るとほぼ解消します。また背景のボケもこれくらいのボケ量になると、全画面で素直なボケになります。
色のきれいな構図として花を撮影したもので、右下は前ボケです。F1.4の開放による花の撮影も、楽しいです。
マウントコンバーターMC-11を介してソニーα7Ⅱに装着し、絞りF1.4の開放フルサイズで撮影した画像です。画面内ほぼ全域でAFが効き、1/10秒の手持ち撮影も可能になります。
マウントアダプターを介してオリンパスE-M1マークⅡに装着し、F1.4開放で撮影した画像です。画角が170ミリ相当になり、それだけ撮影距離を長くしたことから被写界深度も深くなり、背景のボケ量はフルサイズに対して絞り約2段分小さくなります。
この写真もE-M1マークⅡ、開放で撮影した画像で、ほどよく深くなった被写界深度によってシャープ感が増し、さらに味のある上質なボケ描写が楽しめます。またフルサイズ用のレンズでありながらマイクロフォーサーズの撮影にも十分満足の行くシャープさがあり、そしてフルサイズ用レンズの画面中央のみを使うことからボケ描写の均等性が素晴らしいです。(なおE-M1マークⅡによる撮影ではExifが焦点距離の設定にミスがあり135mmになっています)
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フルサイズ
マイクロフォーサーズ
マイクロフォーサーズ