シグマ135mmF1.8Artの描写
シグマ135mmF1.8Artの描写
重さは1,130グラムと85ミリF1.4Artと同じですが、フィルター径は82ミリで、全長もやや短くなっています。
135mmF1.8Art 85mmF1.4Art
CAPA付録のボケ味チェックチャートを画面中央で撮影したもので、前ボケ後ボケ共に似通っていることから球面収差による味はなく、いわゆる無収差レンズに近いボケ描写です。それが左の点光源ボケにも現れています。ここが、味のある85ミリF1.4Artと異なります。したがって開放時の味を楽しむよりも、素直なボケとシャープさを求める撮影に向いています。もちろん画面周辺のボケ描写は絞りをF2.8に絞ることで整ってきます。
_____________________________________________________馬場信幸
拡大画像
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絞り開放から鮮明な画像を結ぶことから、このレンズの本領が発揮されるのが暗いところにおける撮影です。手摺に腕を乗せての撮影ですが、EOS 5DMarkⅢを1/80秒の手持ちでいい結果が得られました。画面左端の搭乗橋の拡大画像はパソコンモニター上ではほぼA2サイズに相当しますが、見事なシャープさです。
この写真も手摺を利用した手持ち撮影ですが、観光船からすぐ後ろの建物は被写界深度に入っていますが、鑑賞倍率を高くすると遠景のビルが被写界深度から外れていることがわかります。
画面の中心と右端の白く囲ったところを拡大したもので、F1.8の開放としては気持ちのいいシャープさです。カメラのホールディングさえ気を付ければ、安定した画質で撮影できることを実感しました。
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近距離における絞りF1.8開放における花の撮影で、これも白く囲ったところの拡大画像は見事なシャープさです。そして背景のボケも素直です。
ここまで大きくぼけるとボケ描写の善し悪しは関係ありませんが、このレンズのボケは素直なので、積極的にボケを生かした撮影も楽しいです。
この写真は絞り開放ですが、被写界深度が欲しいときや、画面周辺で口径食によってボケの形が良くないときには絞っても構いません。というのもこの135ミリは85ミリF1.4Artとは異なり「味」はありませんから開放にこだわる必要はありません。ここが両レンズにおけるボケ描写に対する違いです。
モデル/齋藤絢女(クラージュ)
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