お手頃価格で味のあるボケ描写が楽しめるソニーのレンズ
お手頃価格で味のあるボケ描写が楽しめるソニーのレンズ
ここに紹介するソニーの3本のレンズは実売価格が35mmは約1万5000円、85mmは2万円弱、50mmは約2万7000円と、とても買いやすい価格ですが、ボケ描写には味があります。この味は絞り開放時に見られるものですが、すると画面周辺のボケはどうしても悪くなるし口径食も出ます。そこでデジタルズームを使うかマイクロフォーサーズ機で撮影すれば画角は狭くなりますがボケの均等性は高まります。DT35ミリをマイクロフォーサーズ機で撮影した例は別項でも紹介していますが、ここでは新しい画像を紹介します。マウントアダプターを介しますのでフォーカスはMFになります。
Aマウント
Eマウント
APS−C
APS−C
フルサイズ
DT35mmF1.8
DT35mmは85mmなどと鏡胴を共通化することで低価格化が図られており、フォーカスリングは細く、ローレットもありません。そこで距離表示は消えてしまいますがフォーカスリングにボール紙を巻き、その上に樹脂製のローレットを接着したことでMFの操作性が格段に良くなりました。
黒地にラメの生地を撮影して近接時のボケ描写をみたもので、拡大画像からレンズの味があることがわかります。
E50mmF1.8
85mmF2.8
_____________________________________________________馬場信幸
拡大画像
後方微ボケは芯があり、滲むようにぼけていき、その流れで小ボケも柔らかくぼけています。この味がある証拠として前ボケがニ線ぼけになっています。
35mmはマイクロフォーサーズでは35ミリ判換算では70ミリ相当の画角になり、このDT35mmは近接性能も高いことから花の撮影も極上のボケ描写で楽しめます。ここでは左右二つの花にフォーカスを合わせたもので、やや後ボケになった中央の味のあるボケがとても心地良いいいです。
馬場ロア撮影会のひとコマで、70mm相当の画角で全身が撮影できる位置で、ついモデルに近づいた参加者も含めて撮影したカットです。その白い枠で囲った部分は約270万画素で、これを200dpiでプリントするとこの写真のようにA4に白い縁を設けたサイズになります。APS−C用のレンズからすればかなりトリミングをしたことになりますが、実際にプリントしてみると多少の荒れは感じられるもののシャープさは十分です。
このように白い縁を設けるとA4にぴたりのプリントができます。
CAPAのコラムではコントラストのひどい印刷になっていますが、これが実際の画像です。ルミックスGX8をアスペクト比2:3で撮影すると1800万画素ですから、そこからこれだけのトリミングをしても見事な画像です。しかも逆光で輝く髪の毛や背景の滲みを伴った味のあるボケが見事です。
モデル/今井えり(シャノワール)
拡大画像
これが全身の画像で、若干トリミングをしていますが、APS−C用のレンズをマイクロフォーサーズで撮影することで画面周辺でもボケ描写はそれほど悪くはなりません。そして実売価格が1万5000円というレンズでこれだけ心地良いボケ描写が得られます。最近の高画素カメラ用に開放から高解像力にしたために開放時のボケ描写が犠牲になったレンズからすれば、このようなレンズの存在はもっと認識されてもいいのではないでしょうか。