ニッコールZ40mmF2+ソニー0.75倍ワイドコンバージョンレンズによる
とても心地良いソフトフォーカス描写(2021年12月号)
ニッコールZ40mmF2+ソニー0.75倍ワイドコンバージョンレンズによる
とても心地良いソフトフォーカス描写(2021年12月号)
ニッコールのZ40mmF2は前玉の口径が小さく、さらにレンズの前枠近くにあることから、このようなレンズはフロントコンバージョンレンズとの相性がいい可能性があります。そこで試しにソニーのFE28mmF2用の0.75倍ワイドコンバージョンレンズを取り付けてみたところ、見事なソフトフォーカス描写になりました。ソニーの0.75倍ワイドコンバージョンレンズはソフトフォーカスの元であるマイナスの球面収差を発生しますが、当の28mmに装着したときは絞りが自動的にF2.8に絞られることで球面収差の影響を低減し、鮮明な画像にしています。
ソニーの0.75倍ワイドコンバージョンレンズの取り付けは、そのリアキャップを円く切り抜き、そこに52→58ミリのステップアップリングを接着。この52mmのフィルターネジ
でニッコールに取り付けます。
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_____________________________________________________馬場信幸
馬場ロア大阪撮影会における撮影で、APS−Cサイズなので合成焦点距離は45mm、絞りはF2.8です。ソフトフォーカスのフォーカシングはもっともシャープなところに対してコントラスト最大の位置が異なることからAFでは後ピンになってしまいます。そこでMFアシストでシャープさ第一にフォーカシングします。F2.8ではフォーカスを合わせたところでもかなりハロが残っていることからコントラストは低めですが背景は芯を残してそこに滲みが加わり、このボケがきれいです。
モデル/叶梨々
(シャノワール)
この写真も馬場ロア大阪撮影会における撮影です。フルサイズなので合成焦点距離は30mmですが、画面上部をかなりトリミングしています。絞りはF2.8で、輝度の高いところほど光の滲みが強く現れますがコントラストの低いところも、とても柔らかな描写になります。
モデル/鵜飼りえ(シャノワール)
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小さな画面サイズで見ると、ぼけた写真のように見えますが、少し拡大すると光による心地良い滲みがわかります。フルサイズなので30mm相当の画角で、絞りはF2.8です。フォーカスを合わせたところのハロによる光の滲みがきれいで、遠景はフォーカスが少し甘くなり、その分滲みが増します。
APS−Cサイズによる撮影で、絞りはF2.5なので滲みがやや多く、芯を残しながらも、その分ふんわりと柔らかい画像になります。
フルサイズの30mm相当の画角、絞りはF2.8で人物にやや近づいての撮影です。背景のボケはその分大きくなり、とても柔らかいです。
モデル/室井あかり(シャノワール)
フルサイズですが絞りをF4に絞るとフォーカスを合わせたところの滲みはわずかに残るくらいまで消え、その分鮮明になります。それでも背景のボケはとても柔らかいです。
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フルサイズで、絞りはF3.2です。街の明かりやイルミネーションがとても心地良く滲んでいます。なお画面周辺では点光源に生じる滲みがF2.8ではややいびつになります。そこでF3.2ではこの画像のようによくなり、F3.5に絞ると点光源を中心に均等に円く滲みます。この滲みの均等性の良さは、偶然とはいえ両レンズの相性が極めてうまく合致したからということになります。画面周辺で点光源がぼけるかどうか、そしてフルサイズかAPS−Cサイズかによって、F2.8からF4の間で滲み方を調節しながら撮影します。