オリンパス9~18ミリズームワイド端の光学的ディストーション補正

ホームhomu.html
 

この写真は、CAPAに掲載したもので、下辺を見るとほんのわずか糸巻き型になっていますが、気持ちの良いほど、まっすぐに写ります。焦点距離2メートルの凸レンズを付加したのですが、無限遠のフォーカスも合います。テレ端18ミリでも、無限遠は出ます。

左の写真はオリンパスの9~18ミリワイドズームのワイド端で、この種のズームレンズとしてはディストーションが少ないレンズです。ここにケンコーのクローズアップレンズNo0.5(焦点距離2メートル)を装着したのが右の写真で、ほんのわずか糸巻き型になりますが、ディストーションが見事に消えています。周辺画質の低下も僅少です。樽型ディストーションがなくなったことで画角が狭くなったように見えるますが、対比焦点距離は実測で9.3ミリになった程度です。

まっすぐなものをまっすぐに写すのが広角レンズで、曲がって写るその極端が魚眼レンズです。この写真は俯瞰撮影ですが、ディストーションのない画像は、これこそが広角レンズの描写です。3000円ほどで手に入るクローズアップレンズによって、35ミリ判換算で18ミリ相当の超広角が、このようにまっすぐに写るワイドズームレンズになるとは驚きであり、うれしいことです。

この写真の左下の赤く囲った部分を拡大したのが下の写真です。F8に絞れば、A3へのプリントも十分可能なシャープさになります。

_____________________________________________________馬場信幸

CAPA2010年4月号の「シンクアウト」で紹介したケンコーのクローズアップレンズNo0.5による樽型ディストーションの光学的補正の実例です。このクローズアップレンズはネジ径が72ミリだけなので、フィルター径が同サイズのオリンパス9~18ミリワイドズームに組み合わせたところ、この写真のような、見事な結果になりました。凸レンズを通して被写体を見ると糸巻き型のディストーションが発生しますから、これで打ち消すことができるのですが、もちろん相性があります。またレンズのフォーカスの繰り出し機構が、無限遠位置よりもさらに繰り込むような構造になっていないと無限遠へのフォーカスが合いません。オリンパスの9~18ミリワイドズームは、ズーム全域において、これらの条件に合致しました。