撮影を気持ちよく、快適にするための、ちょっとした工夫と細工
撮影を気持ちよく、快適にするための、ちょっとした工夫と細工
暗いところでMFアシストがしやすいように被写体を照明するための小さなLEDライトを100円ショップで購入しましたが、カメラへの取り付け方が問題です。当初はレンズフードにクリップで付けてみようと思いましたが、すると写される人にはこの光が眩しいです。そこでカメラから少し離せばということで直径1cm、長さ18cmの木の丸棒の先に向きが自在に調節できるようにボールジョイントの一組を利用しました。ライトにジョイントを固定するところはジョイントのボール側の先を半田ゴテで少し溶かしてライトに接着し、その周囲をエポキシ接着剤で補強しました。このカメラから離した照明はフラッシュの光りを柔らかくするためにケンコーの「影とり」を使うときにも、通常のAF補助光が影とりで遮られてしまう問題も避けることができます。
私の影とりは2005年の発売当初のものでレンズに取り付けるところのゴムが劣化して伸びてしまいました。そこでこのように4カ所にゴム紐を通し、留め具で長さが調節できるようにしました。
LEDライトの向きが自在になるように利用したボールジョイント。
木にタップでネジを切り1/4インチネジを固定
小さな木ネジで固定
撮影レンズは130mmF4.5という手作りレンズです。フラッシュはニッシンの i40で、影とりによるフラッシュの拡散光をより柔らかくするためにワイドパネルをセットしています。ボディはソニーのα7Ⅲで、ボディ内手ブレ補正によってISO800で1/25秒という遅いシャッターですが手持ちで撮影できました。
_____________________________________________________馬場信幸
フラッシュなしの画像で、顔はかなり暗いのですがLEDライトの照明と
MFアシストによって精度よくフォーカスを合わせることができました。
カメラの三脚ネジにLEDライトの棒をねじ込み、モデルの顔に照射できるようにライトの向きを調節します。モデルに聞いたところ、レンズに目線を送っていれば眩しくないとのことです。
この手作りレンズはシングル(単玉)メニスカスのクローズアップレンズを2枚使ったものなので色収差がありますが、これはフォトショップ・エレメンツで簡単に修正することができます。そしてフォーカスを合わせた髪の毛は十分シャープですが、見事なのが後ボケです。明るさが F4.5と暗いので口径食はもちろんありませんし、後方微〜小ボケになったイヤリングはきれいに滲んでいて「レンズの味」があります。多くの、ただただ高解像力を追求した高価なレンズには見られない、とても気持ちの良いボケ描写です。
モデル/相沢奈緒(SPLASH)
拡大画像
最近のレンズキャップはレンズフードが装着されていても着脱ができるようにキャップの内側にツマミがあります。ところがこのツマミを左右からつかむようにするとロゴを表示する横方向のスペースが狭くなってしまうために上下からつかむようになってしまいました。使い勝手よりロゴの見てくれを優先した悪しきデザインです。そこでツマミが左右からつかめるように幅の狭いロゴをパソコンで描き、それをプリントしてキャップに貼ろうと考えたのですが多くのレンズキャップのロゴはレリーフの凹凸のためにきれいに貼れません。ただソニーのレンズキャップはロゴが印刷で平らなのできれいに貼れます。パソコンで作ることからカラーでも作ってみましたが、つかみやすさとロゴの向きが一致しているのは気持ちのいいものです。
マイクロフォーサーズ機はフルサイズ用のレンズをマウントアダプターを介して使うことで口径食が少なくボケ描写の均等性のいい写真が得られます。そしてルミックスGX8はボディ内手ブレ補正と見やすいファインダーを始め、総合的な使いやすさが気に入っていますが、細かなところに不満があります。そのひとつが出っ張りが少ないためにファインダーを覗いていると位置がわかりにくいボタンです。そこで暑さ1mmのゴム板を、100円ショップで購入したポンチで切り抜いて貼ります。この時、両面テープをゴム板に貼って
から切り抜きます。またカスタム設定によって各ボタンに元来の表示とは異なる機能を設定したとき、誤用を避けるためにそれらの表示を隠します。これには接着剤付きのカラーシートをこれもポンチで切り抜いて貼ります。
ルミックスGX8の外観に関してはAF補助光の窓が無粋なデザインで目障りであり、またAF補助光は使わないので隠すことにしました。
ライトグレーと黄色が、カラーシートを貼って元来の表示を隠したボタンです。
厚さ1mmの
ゴム板
ポンチ
両面テープ
そこで厚さ2mmのプラ板でLUMIXのロゴもカバーする形に切り、黒く塗装。パソコンでBABAのロゴを描いてプリントしたものを貼り、つや消しのクリアを塗装。
グリップを握る右手の中指で操作するボタンはまったく出っ張っていないためにここにも1mmのゴムを貼って押しやすくしました。また小さくて操作しにくかった電源スイッチは 0.5 mmのゴム板をその周囲と上面に貼って大きくし、程よいクリック感と
もバランスしてとても操作しやすくなりました。ショルダーストラップは防水スプレーをかけた革で作り、長さの調節は不要なのでスッキリした形で吊り金具に直接取り付けました。レンズはミノルタの35mmF1.4Gで、フォーカスリングにローレットを追加してMF操作がしやすいようにしました。
この写真はボディに細工を加える一年以上前の馬場ロアにて撮影したものですが、フルサイズ用のミノルタ35mmF1.4Gはマイクロフォーサーズでは開放から口径食の非常に少ない70mm相当になります。そして私のレンズは開放時の味のあるボケ描写がすばらしいです。
モデル/斉藤絢女