ダイヤル1個のエントリー機でも迅速に露出調節ができる
「ボケ描写・レンズの味優先Mモード」という撮影法
ダイヤル1個のエントリー機でも迅速に露出調節ができる
「ボケ描写・レンズの味優先Mモード」という撮影法
エントリー機の電子ダイヤルは1個ですが、これはコスト削減のためなのか、視覚的に簡単操作のカメラにしたいからなのか。いずれにせよダイヤル2個のカメラに比べて露出調節の操作が面倒です。ところが絞りは「Fいくつ」しか使わない、という撮影では、Mモードにすればシャッターの調節だけすればいいのでダイヤル1個で十分です。この絞りは「Fいくつ」という使い方になるのが、ボケ描写やレンズの味を最優先する撮影です。
写真レンズのボケ描写は、画面の周辺に行くほど口径食や収差の影響で崩れてきます。またレンズの味は絞り開放時にもっともよく現れます。そこで全画面均等なボケ描写にするには、口径食が解消するところまで絞るか、ボケ描写のいい画面中央部分だけをデジタルズームで切り出します。あるいは両者の兼ね合いから最適なF値が決まります。F値が決まれば、通常なら絞り優先AEにするところですが、AEモードでは露出補正をするのに露出補正ボタンを押しながらダイヤルを操作しなければなりません。それがMモードであればシャッターを調節するだけで済みます。これが「ボケ描写・レンズの味優先Mモード」という撮影法です。
そしてデジタルズームによる撮影がしやすいのがソニーのα57で、画素補完によってデジタルズームの画質も十分実用になります。
シグマ50ミリF1.4EXとソニーDT35mmF1.8を組み合わせたソニーα57。その1.4倍および2倍のデジタルズームによって、全画面均等で味のあるボケ描写を得ることができます。なお写真のDT35mmには、MF操作がしやすいようにフォーカスリングに別のゴムローレットを貼っています。
_____________________________________________________馬場信幸
α57にシグマ50mmF1.4EXを装着し、デジタルズーム1.4倍、絞りF1.8にて撮影。シグマの50mmF1.4はF2に絞っても味は十分にあります。その味は、右の拡大画像のネックレスの滲んだボケに現れています。またフルサイズ用のレンズをAPS-Cのさらにデジタルズーム1.4倍によって画面中央のみを使っているために、全画面にわたってボケ描写も均等です。もちろんA3にプリントしても見応え十分のシャープさです。(ババロア大阪万博公園撮影会にて撮影)
モデル/麻衣
α57にソニーDT35mmF1.8を装着し、デジタルズーム2倍、絞りF1.8開放にて撮影。このレンズは安価ですが、開放時には少し「レンズの味」があります。ただ画面周辺ではボケは良くないので、デジタルズーム2倍によってイメージサークルの中央部分だけを使うことから全画面にわたって良いボケ描写になります。なおα57の全画素超解像は、レンズの味が現れるあたりのわずかにボケたところにおいては違和感がありますからオフにし、単なるデジタルズームのみで撮影します。(ババロア安城デンパーク撮影会にて撮影)
モデル/かりな
上の写真は、左の全画面の上半分を拡大したもので、α57にソニーDT35mmF1.8、デジタルズーム2倍、絞りF1.8開放にて撮影したものです。背景の心地よいボケでもわかるように、α57にDT35mmF1.8の組み合わせは非常に安価ながら、ボケ描写においても超ハイCPの撮影ができる組み合わせです。(ババロア安城デンパーク撮影会にて撮影)