新しいホールディング感覚で縦位置撮影ができるベルボンBABAグリップ
新しいホールディング感覚で縦位置撮影ができるベルボンBABAグリップ
横位置写真と縦位置写真のどちらが重要、などということはありません。でもカメラは横位置を前提に作られています。このカメラを縦位置に構えてシャッターを切ろうとすると、右手を上にしようと下にしようと所詮、操作はしづらくなります。そこで各社のデジタル一眼には縦位置グリップなるアクセサリーがあります。しかし、この縦位置グリップはカメラボディを大きく重くします。私もある頃までは、カメラを買うと必ずこの縦位置グリップも購入していました。しかし今ではそれをやめています。なぜなら、それはカメラが縦位置で使い易く作られていないが故に用意されたアクセサリー、ということに気付いたからで、その根本が解決されていないからです。根本的な解決、それは正方形の撮像素子によって横位置でも縦位置でもスイッチの切り替えで自在に対応できるカメラです。デジタルなら可能なことなのに、いまだそれが実現しません。ならば現状のボディで快適に縦位置の撮影ができるようにと考えたのが、CAPAのコラムで提案したこのシャッターグリップです。それを三脚メーカーのベルボンが製品化してくれました。それにしても三脚を作るメーカーが、なぜ手持ちの用品を?と思いました。すると「ベルボンはカメラを支えるところを作っています」とのこと。納得です。
このグリップを掴んでカメラを構え、ファインダーを覗いたところを想像してください。今までにはなかった新しい縦位置撮影の感覚です。
BABAグリップは一般的な縦位置グリップよりも掴むところが下に位置するために、右手の肘を上げる量も少なくてすみ、右腕が楽です。
手作り試作1号 手作り試作2号 手作り試作3号
CAPAに掲載したノブのデザインにこだわった手作り4号
CAPAで提案したグリップができるまでの流れ
ベルボンが製品化した BABAグリップ
_____________________________________________________馬場信幸
グリップの裏側には樹脂製の箱があり、蓋を開けるとリモートケーブルの一方の端子があり、そのケーブルを交換することで、キヤノン、ニコン、ソニー、ペンタックスに対応します。交換ケーブルは別売りで税込み880円です。
ボディの三脚ネジに取り付けるグリップの角度が持ち易いところで固定しますが、このノブを緩める、締め付けるの操作が右手の親指の腹の上下でできます。ノブはこのために大きくしたのですが、それが外観デザイン上のポイントにもなっています。
リモートケーブルをボディのソケットに接続する位置はカメラによって異なります。
三脚台座のある望遠レンズでは、その三脚台座にBABAグリップを取り付けると右手だけでカメラを持ち、AF駆動そしてシャッターレリーズができます。ただしネジ1本で支えることになるのでカメラのストラップを腕に通し、さらに慎重に取り扱わなければいけませんが。
三脚座付きのマウントアダプターを使うときにはその三脚座にBABAグリップを取り付けると、全体の重心近くで支えることになり、カメラのホールディングが楽です。この写真はソニーα7ⅡにマウントアダプターLA-EA4を介してミノルタのSTF135ミリを組み合わせたところで、実に快適な縦位置撮影ができます。
BABAグリップは無垢の桜の木を一つひとつ削って作られる一品生産ですので、ベルボンの直販サイトベルボンダイレクトより販売されていましたが、現在は終了しています。
縦位置でも液晶モニターのティルトが可能なカメラでは、このようにローポジションやハイポジションでカメラを構えるときでも、その保持がとても楽です。なおソニーのAマウントカメラ用が用意されていませんがエツミの電子リモートスイッチに使われているケーブルがカールコード式ですがプラグが2.5mmと同じなのでこれを流用することがきます。ただし現在メーカー在庫がないようですが、ヨドバシカメラには店頭在庫があるようです。