ソニーα99とトキナー11〜16mmF2.8のうれしい関係

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 α99はフルサイズでは2400万画素、APS−Cでは1000万画素で撮影できますが、共にまったく同じ感覚で使えるところがライブビュー機ならではの魅力です。そしてAPS−C用のワイドズーム、トキナーの11〜16mmF2.8をα99に装着して撮影したところ、何とディストーションが補正されていました。レンズ補正は純正レンズに対して機能しますが、ソニーのブラウザ、イメージ・データ・ライトボックスでレンズ名を見ると20mmF2.8となっていることから何らかの拍子でソニーの20mmF2.8と認識し、それに対する補正をしたようです。

 トキナーの11〜16mmF2.8は大口径ながらかなりのシャープさですが、私はディストーションが気になっていました。それがきれいに直るのですから、これはとてもうれしいことです。そしてさらに驚いたのが、 APS−C用のレンズながらテレ端の16mmにすると周辺を除けばフルサイズでも十分な画質で写せるということです。こうなるとα99のデジタルズームが効いてきます。デジタルズームを1.2倍にすると実際の画角は約19mm相当となりますが画面の隅でも画質は良く、F8、F11と絞っていくと、APS−C用のレンズとは思えないほど、見事なシャープさで写せます。APS−C用のレンズでフルサイズ2400万画素の高精細で記録できるとは、痛快です。

APS−Cサイズにおけるズームワイド端11mmで建物のタイルの壁を正面から撮影した画像で、ディストーションがかなり直っています。もちろん本来は異なるレンズに対する補正なので完全には直りませんが、ここまでまっすぐになれば、満足です。そしてズーム中間でも同様にきれいに直り、テレ端ではやや補正過剰になることから、わずかに糸巻き型になります。

α99をフルサイズにし、ズームテレ端16mmにしてF11で撮影した銀座の夜景。フルサイズにおける撮影だけに画面の隅では急に画質が低下しますが、右下は被写体が近いために悪くないので画面の左辺と上辺を10%ほどトリミング。焦点距離情報はそのまま生きるのでαのボディ内手ブレ補正によってF11に絞っても手持ちで撮影できます。さらにDレンジオプティマイザーによって輝度域の広い被写体もここまできれいに撮影できます。

フルサイズでデジタルズームを1.2倍にし、ズームテレ端16mmにて撮影した、横浜こどもの国の枝垂れ桜。16mmをデジタルズームで1.2倍にすると約19mm相当の画角になりますが、それにしても上に掲載した周辺の拡大画像を見ると、F8に絞っているとはいえ、見事なシャープさです。なお画面下の手摺が曲がっていますが、これはレンズのディストーションではなく、実際に道路の起伏によるものです。

α99とトキナー11〜16mmF2.8。花型のレンズフードはかさばるので私は写真のような黒い紙で作ったフレアカッターを取り付け、ゴム製のレンズフードの基部だけを、プロテクターにしています。

画面左下隅の拡大画像

同じくフルサイズでデジタルズームを1.2倍にし、ズームテレ端16mmによるやや俯瞰で撮影した画像をパソコンで台形補正して建物の垂直線を平行にしたものです。場所は横浜レンガ倉庫に設けられたフラワーガーデン2013。画面左上は、大桟橋に停泊中の飛鳥Ⅱで、それを拡大したのが下の写真です。APS−C用のワイドズームのテレ端ながらフルサイズでここまで写せるのですから、α99との相性は抜群です。

これもフルサイズでデジタルズームを1.2倍にし、ズームテレ端16mmによる撮影です。ここではオートHDRを5EVにして撮影し、輝度差の大きい被写体をハイライトからシャドーまで目で見ているように再現。画面上の建物の直線を見ると、隅でわずかに曲がっているだけでディストーションはほぼきれいに補正されています。本来なら対象にしていないレンズ補正ですが、偶然とはいえ、うれしい結果です。トキナーの11〜16mmF2.8ズームは、α99と組み合わせると、本来のAPS−Cズームとしてディストーションまできれいになることに加え、フルサイズでも19mmの超広角で使えるなど、実に魅力的な組み合わせになります。なおα57に装着してみたところ、ここでもディストーションはきれいに直りました。