キヤノンEOS7D+シグマ85mmF1.4Artによる味のあるボケ描写
キヤノンEOS7D+シグマ85mmF1.4Artによる味のあるボケ描写
最近、光学式ファインダーのデジタル一眼レフは購入していないために、EOSマウントのシグマ85mmF1.4ArtをAPS−Cサイズで撮影するために、久し振りにEOS 7Dを使ってみました。購入してからすでに8年を経たEOS 7Dですが、現在でも十分に活躍できるカメラで、デジタル一眼レフとしての完成度の高さを改めて実感しました。
ポートレートでは縦位置の撮影が多いことからベルボンBABAグリップを装着。キヤノンの場合、リモートケーブルがカメラボディの側面から前方に伸びることからBABAグリップを組み合わせた時のケーブルとの相性もいいです。
_____________________________________________________馬場信幸
この写真はCAPAのコラムに掲載したもので、ババロア大阪万博公園撮影会にて撮影したものです。85mmをAPS−Cサイズで撮影するので約135mm相当と、モデル撮影会ではとても使い易い画角になり、さらにイメージサークルの周辺を使わないことから口径食も少ないなど、ボケ描写にこだわった場合、APS−Cサイズによる撮影はとても有効です。なおこの項の撮影は、すべて絞り開放です。
シグマ85mmF1.4Artは、画面中央には「レンズの味」がありますが、その味は絞り開放時の微〜小ボケに現れます。この写真では、拡大したネックレスやイヤリングが滲むように、柔らかくぼけていますが、これが「レンズの味」です。この「味」は、ぼける量が大きくなると消えてしまいますから、この程度のボケ量となる被写体との撮影距離が重要になってきます。もしフルサイズでこれくらいのバストショットで撮影すると、被写界深度の浅さからネックレスなどのボケは大きくなり、味がほとんど感じられなくなります。ここにAPS−Cで撮影する意味があります。
モデル/さわい えり(シャノワール)
拡大画像
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フォーカス面に収まったレースの克明なシャープさが気持ちいいですが、そこから後方に行くに従って金色が滲むようにぼけていきます。これが「レンズの味」で、このようなぼけ方をすると、そのすぐ後ろのボケも柔らかく、総じてボケ描写の良いレンズということになります。
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レースのシャープさと、そこから後方に滲むようにぼけていく様子は、球面収差を高度に補正することで得られる「収差方式による好ましいボケ描写」の好例です。さらにこのシグマの85mmは軸上色収差の補正も大変良く、ボケに色が付きません。