地デジは遅れる

2011年7月20日

いよいよ24日でアナログ放送が終了します。24日で終了というのは24日中は放送があると思っていたら、24日の正午で終わるそうですね。

東日本を除いて24日の正午からは地上波は地上デジタル放送(以下 地デジ)だけになるわけですが、地デジについてきちんと周知されているかどうかが心配です。

アナログ放送の終了日は地デジカや草薙くんがしつこいほど出てきて言っていました。また地デジチューナーを使えば地デジに対応していないテレビでも地デジが見られることも言われてました。でも、地デジが少し遅れることはどれだけの人に周知されているのでしょうか。一般の人向けにそのような広報はされていないように思います。少なくともおじさんは地デジカや草薙君が言っているのを聞いたことはありません。

「地デジが遅れる」とはどういうことか、わからない人がいるかもしれないので、説明します。「地デジが遅れる」という表現は正しくないのかもしれませんが、地デジは映像が映るまでに少し時間がかかります。このことをおじさんが知ったのは、「電器店のテレビ売り場でアナログ放送と地デジが同時に流れているときに映像に時間差があることに気がついたと」いうインターネット上の質問です。

地デジは映像や音声のデータを圧縮し、テレビ内部で復元するために起こることだそうで、実際にテレビの音声を受信できるラジオと比べてみると約2.9秒遅れていました。

テレビの時報は秒針付きの時計が映って、プップップップーで正時になっていたのが印象に残っていますが、地デジを見ていると表示の59分から00分へと数秒かけて徐々に変わっていくことに気がつきました。これも時間差があるために正しい時刻を放送できないからのことでしょう。

2秒遅れようが2分遅れようが、テレビを見るだけなら何の問題もありません。でもわずか2秒でも緊急地震速報では大きな問題です。遅れがなければ2秒前に知ることができた地震の揺れが、知ると同時に揺れている、あるいは揺れてから知ることになるかもしれないのです。

そのために総務省は2年前からNHKと日本民間放送連盟に要請してきたけれども、予算の関係で地方の民放は対策をとっていないそうです(「地震速報、2秒遅れ放置」朝日新聞 2011年7月13日)

NHKのホームページには「地上デジタル放送はアナログ放送に比べて若干遅れがあり、この遅れを改善するため、従来の地図付きスーパーに先立って、『緊急地震速報』という文字スーパーをチャイム音とともに送出するサービスを、平成22年8月23日より始めました。」緊急地震速報 地上地デジでの迅速化)と書かれています。

緊急地震速報は携帯電話で知る方法もありますが、テレビで時計を合わせている人がいれば2秒くらいの遅れで合わせていることになります。地デジになって映像もきれいになったし録画なども楽になりました。でもいいことばかりではなく、若干遅れるというマイナスの面も積極的にアピールすべきだと思いました。

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