Rolls Royce WELLAND |
Rover社が開発したW.2/23は1943年にRolls Royce社に引き取られWellandと命名され開発が継続され、1450lbの推力を発生することに成功し、Gloster Meteorにも搭載された。当初W.2/23,およびW.2/26はRover Classと呼ばれていたが、Rolls Royce社ではスムースな流れを願ってイギリスの川の名前をつけるようになり以降現在に至るまでその命名方法が続いている。また正式Model名はRBxxxという表示になるが、RはRolls Royceを示しまたBはRover社から譲渡された工場の所在地BarnoldswickのBを示し、最新のTrent
EngineもRB211というModel名が使われている。Fig1〜3にRolls Royce社に保存されるWellandを示すが、空気取り入れ口はさらに大きくなり、同世代のW.2/500と比べるとCombustorの形状はシンプルである。複雑なValve機構を要するPiston Engineと比べる Jet Engineはシンプルで部品点数が少なくなり製造費用も低くなる。Rolls Royce社では1938年ごろからJet Engineの研究が行われ1940年にはWhittle Engineで経験されていたSurgeの原因究明を行っている。Fig4には航空用Piston Engineの最高峰と言われるRolls Royce Merlin Engineを示すがEngine右側の突出部分にCrank Shaftで直接駆動される2段式のSuper Chargerが組み込まれている。Piston Engineに組み込まれるSuper ChargerもJet EngineのCompressorも空気を圧縮するという目的は同じである。Rolls Royce社でもJet Engineの開発を担ったのはPiston Engine Super Chargerの経験を持ったStanley Hooker卿があたりWellandに続きDerwent, Neneを生み出していく。戦争はアフリカでの戦いも連合軍の勝利に終わり1943年には段々と連合軍に有利になり、1944年にはノルマンディ上陸作戦が行われ連合軍はフランス本土に再上陸しドイツへの侵攻を始める。その中でRolls Royce社もPiston Engineの生産に精力を傾けつつ、Jet Engineの開発にも本腰を入れていく。 |
Fig1〜Fig3の写真はRolls Royce社のご厚意により提供されたものである。写真の権利はRolls
Royce社にあるので転用を禁じます。
Fig1 1944年当時に撮影されたWelland |
Fig2 現在Rolls Royce社Heritage Museumに保存されるWelland |
Fig3 現在Rolls Royce社Heritage Museumに保存されるWelland |
Fig4 Rolls Royce Merlin |
参考Web Flightglobal
Archinve 1945 Rolls Royce Derwent Flightglobval
Archinve 1945 River Class Evolution Flightglobal
Archinve 1954 The Welland |