Pratt & Whitney J42

2次世界大戦が終了し軍用機の需要が急減したのに伴い、ピストンエンジンメーカーであったPratt & Whitney社と政府との4億$の契約は解除された。Pratt & Whitney社は戦中はピストンエンジンの生産開発に集中していたので、Jet Engineに関する経験はほとんど無くわずかにWestinghouse J30 Engine130台生産するというものだけであった。1946年米国海軍はGrumman F9F-2 Pantherに高推力のRolls Royce社のNene Engineを採用することとしたが、海軍はNeneの米国Versionの生産を望んでいた。よってPratt & Whitney社は米国でのNene Engineの製造契約を締結、Rolls Royce社から技術資料を入手し、194811月までに生産を開始することとなった。米国ではNeneJ42と名づけられ、Jet Engine用のKeroseneのみではなく、当時豊富に生産されていた航空機用Gasolineでも運転可能なように再設計された。英国のDrawingの米国用への変更および海軍の特別要求も追加し、19483月にJ42は推力5000lbを発生し地上運転に成功した。その後Pratt & Whitney社はJ48Twin Spool Engine  J57J57を改良しBoeing 707の搭載Engine としたJT3Dの開発にも成功し、順調にJet Engineの経験を積み上げていく。F-14 TomcatにもPratt & Whitney製のTF30が装備されていた。映画Top Gunで描写されたFuel Control系の原因でSurgeが発生するのは実際の問題であった。

Pratt & Whitney R-2800 Double WASPが搭載されたVought F4U CorsairR-2800 Double WASP13万台生産された。

Fig1

Pratt & Whitney R-4360 WASP Major。総排気量71000cc, 28個のピストンを備え、7気筒の星形Engine4列螺旋状に配置した構造。航空機用ピストンEngineのある意味究極の形。

Fig2

J42:基本的にはRolls Royce Derwentと同じ構造である。Double Sided Compressor, 9個のCombustor, 1Turbineで構成される。J42でもCompressor Ductは直角に曲がるW.2/700の形式を引き継いでいる。

Fig3

 

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参考Web

Pratt & Whitney Classic Engine