Rolls
Royce DERWENT |
Rover社が開発したW.2B/26は1943年にRolls
Royce社に引き取られDerwentと命名され開発が継続された。1943年11月に2000lbの推力を達成し、Gloster Meteor IIIに装備された。DerwentはStraight Combustor FlowでありWhittle Engineとは大きく異なっている。Straight Combustor FlowにすることによりCompressorとTurbineを結ぶShaftが長くなり、そのため中央にBearingが必要となる。そのBearingはCombustorに囲まれた高温部分に位置することになり、Bearingの性能維持が困難になることをFrank Whittle博士は嫌いStraight Combustor Flowを採用しなかったという。現代のEngineでもCombustorの内側に位置するBearingの潤滑は設計上難しい部分になるが、Staright Combusotr
Flowでは空力的にはReverse Flowに比べ断然有利となる。Rolls Royce社ではSuper Chargerの経験からCompressor容量はWellandに対し40%増は可能と判断していたが、余剰となっているWellandの部品を使用し生産を早めるため25%増としDerwentを設計した。初期型のDerwent Mk Iは最大外径43inch, 圧縮比 3.9:1、最大回転数16500rpm、Turbine温度850℃、Combustor温度1800℃、乾燥重量975lbというSpecとなった。 Derwentは1945年から大量生産され様々なModelが開発された。第2次世界大戦後にDerwent Mk Vが開発され3500lbの推力を達成し、Gloster Meteor F Mk.4に装備され1945年11月には975km/hr,
1946年9月には 991Km/hrの速度世界記録を樹立している。Derwent Mk VIIIは3600lbの推力を発生しMeteor F8の主力Engineとなる。一方この頃のJet Engineの使用可能時間は短く、Derwent MkXでは100時間耐久テストをどうにかパスするぐらいのものであった。 |
Science
Museum Rolls Royce Derwent (Model不明) 遠心式Compressorに挟まれた中央にCompressor Inlet Guide Vaneが見える。 直角に曲がるCompressor DuctはW.2/700から引き継がれている。 写真中央部分にDouble Sided Impellerが位置している。 Fig 1 |
Fig 2 |
Shaftの中央を支えBearing Compartment(赤線で囲まれた部分)が右中央に見える。 Fig 3
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左に見える小さなCompressor(黄色線で囲まれた部分)によりBearing CompartmentにCooling Airを送り込 む仕組みになっている。右の四角の青の部分(緑線で囲まれた部分)はCompressor Outlet Guide Vaneになる。 Fig4 |
Fig5 |
Combustorの現代でいうBuffle Plateの裏側にも穴あきのPlateがあり空気が滞留するようである。 De Havilland
Ghost、GE J33はかなり細いCombustorを採用したが、技術の潮流はこのような太いCanにあった ようである。 Fig6 |
Royal Air Force
Museum Rolls Royce Derwent
Mk.V Fig7 |
Fig8 |
Double
Sided Impellerの前側Impellerが見えている。 Fig9 |
Impeller前方を支えるBearingが中央に見える。Impellerの前方先端が少々Curlしているが、Rolls Royceの経験 に基づき性能を求めた結果であろう。ただこのようなBladeは一般的にFODに弱くなる。 Fig10 |
Fig 11
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Double
Sided Impellerの後側Impellerが見えている。 Fig12 |
Royal Air Force Museum Rolls
Royce Derwent Mk.VIII Fig13 |
Fig14 |
後ろ側の空気取り入れ口はさらにすっきりしている。 Fig15 |
さすがに空気取り入れ口は大きくなった。ただDouble
Sided Impellerと1段のTurbineの構成は変わらないのは Whittle卿の基本設計の優れている故であろう。 Fig16 |
Exhaust
Coneの形はWhittle Unitとさほど変わらない。 Fig17 |
参考Web |